増分バックアップ・イメージからのリストア操作は、4 つのステップからなります。
このタスクについて
- 増分ターゲット・イメージを識別します。
リストアする最終イメージを決定し、 Db2® リストア・ユーティリティーから増分リストア操作を要求します。 このイメージは、リストアされる最終イメージになるので、
増分リストアのターゲット・イメージとして認識されます。 増分ターゲット・イメージは、 RESTORE DATABASE コマンドの TAKEN AT パラメーターを使用して指定します。
- 最新の全データベースまたは表スペースのイメージをリストアして、
以後の増分バックアップ・イメージの適用対象となるベースラインを確立します。
- ステップ 2 でリストアしたベースライン・イメージの上部に、
個々の必要な全データベースまたは表スペース増分バックアップ・イメージを、作成順にリストアします。
- ステップ 1 のターゲット・イメージが 2 度目に読み取られるまで、ステップ 3 を繰り返します。 増分リストア操作が完了するまでの間に、ターゲット・イメージは 2 度アクセスされます。 最初のアクセスの際には、初期データだけがイメージから読み取られます。
ユーザー・データは読み取られません。 イメージが完全に読み取られて処理されるのは 2 度目のアクセス時だけです。
リストア操作時に作成されるデータベースが、確実に正しい履歴、データベース構成、
および表スペース定義で初期構成されるようにするには、
増分リストア操作のターゲット・イメージに 2 度アクセスしなければなりません。 最初にデータベースのフル・バックアップ・イメージを取った後で表スペースがドロップされた場合、
増分リストア処理の際に、
バックアップ・イメージからそのイメージの表スペース・データが読み取られますが無視されます。
増分バックアップ・イメージをリストアする方法には、自動および手動の 2 とおりあります。
- 自動増分リストアでは、RESTORE DATABASE コマンドを 1 回だけ発行して、使用するターゲット・イメージを指定します。 その後 DB2 は、データベース履歴を使用して残っている必要なバックアップ・イメージを判別し、
それらをリストアします。
- 手動増分リストアでは、リストアする必要があるバックアップ・イメージごとに、
RESTORE DATABASE コマンドを 1 回発行する必要があります (上記でリストされたステップで説明されています)。
プロシージャー
- 自動増分リストアを使用して増分バックアップ・イメージのセットをリストアするには、次のように TAKEN
AT パラメーターを使用して、リストアする最後のイメージのタイム・スタンプを指定して RESTORE DATABASE コマンドを発行します。
db2 restore db sample incremental automatic taken at timestamp
この場合、リストア・ユーティリティーによって、このセクションで初めに説明した各ステップが自動的に実行されます。 処理の初期段階で、指定したタイム・スタンプ (yyyymmddhhmmss 形式で指定) のバックアップ・イメージが読み取られ、
リストア・ユーティリティーによってデータベースとその履歴、
および表スペース定義が存在し、有効であるか検査されます。
処理の 2 番目の段階で、データベース履歴が照会され、
要求されたリストア操作を実行するのに必要なバックアップ・イメージのチェーンが構築されます。 何らかの理由でこれが不可能であり、 Db2 が必要なイメージの完全なチェーンを作成できない場合、リストア操作は終了し、エラー・メッセージが戻されます。 この場合、自動増分リストアは不可能であり、 INCREMENTAL ABORT パラメーターを指定して RESTORE
DATABASE コマンドを発行する必要があります。 このようにするとすべての残っているリソースをクリーンアップしますので、手動増分リストアを行うことができます。
注: PRUNE
HISTORY コマンドの WITH FORCE OPTION は使用しないことを強くお勧めします。 このコマンドのデフォルト操作では、最新のフル・データベース・バックアップ・イメージからのリカバリーに必要となる可能性がある履歴項目を削除することはできませんが、 WITH
FORCE OPTIONを使用すると、自動リストア操作に必要な項目を削除することができます。
処理の第 3 段階で、 Db2 は、生成されたチェーン内の残りの各バックアップ・イメージをリストアします。 このフェーズでエラーが発生した場合は、 INCREMENTAL ABORT オプションを指定して RESTORE
DATABASE コマンドを発行し、残りのリソースをクリーンアップする必要があります。 その後再び RESTORE
DATABASE コマンドを発行したり、手動増分リストアを再び試行する前に、
エラーが解決しているかを判別する必要があります。
- 手動増分リストアを使用して増分バックアップ・イメージのセットをリストアするには、次のように TAKEN
AT パラメーターを使用して、リストアする各イメージのタイム・スタンプを指定した RESTORE DATABASE コマンドを発行します。
db2 restore database dbname incremental taken at timestamp
ここで、
timestamp はリストア対象の最後の増分バックアップ・イメージ (
ターゲット・イメージ) を指します。
db2 restore database dbname incremental taken at timestamp1
ここで、
timestamp1 は最初の全データベース (または表スペース) イメージを指します。
db2 restore database dbname incremental taken at timestampX
ここで、
timestampX は作成順の個々の増分バックアップ・イメージを指します。
ステップ 3 を繰り返し、イメージ timestamp まで (このイメージも含む) 各増分バックアップ・イメージをリストアしていきます。
データベースのリストア操作を実行しており、表スペースのバックアップ・イメージが作成されている場合に、
表スペースのイメージをバックアップのタイム・スタンプの日時順にリストアしなければなりません。
db2ckrst ユーティリティーを使用してデータベース履歴を照会し、
増分リストアに必要なバックアップ・イメージのタイム・スタンプのリストを生成することができます。 手操作の増分リストアに使用する、単純化されたリストア構文も生成されます。 バックアップの完全な記録を維持し、このユーティリティーはガイドとしてのみ使用することをお勧めします。