hadr_replay_delay - HADR 再生遅延構成パラメーター

このパラメーターは、1 次データベースでコミットされたトランザクションがスタンバイ・データベースでコミットされるまでに経過している必要がある秒数を指定します。

構成タイプ
データベース
適用
  • ローカルとリモート・クライアントを持つデータベース・サーバー
  • ローカル・クライアントを持つデータベース・サーバー
パラメーター・タイプ
オンラインで構成可能
デフォルト [範囲]
0 [0 から 2147483647]
単位
アップグレードに関する注意事項
  • Db2® バージョン 9.8 フィックスパック 4 pureScale 以前の環境からアップグレードする場合、 hadr_replay_delay の値はメンバー 0 での値に設定されます。

hadr_replay_delay 構成パラメーターは、HADR スタンバイ・データベースの遅延再生 を使用可能にします。これは、スタンバイが HADR 1 次データベースのログを再生する際、意図的に 1 次より遅らせることを意味します。 hadr_replay_delay をゼロ以外の値に設定するには、その前にスタンバイ・データベースを SUPERASYNC モードにする必要があります。 このパラメーターは、1 次データベースでは設定できません。 スタンバイが 1 次を引き継ぐために、スタンバイの遅延再生を事前に使用不可にしておく必要があります。

遅延再生を使用可能にする場合には、ログ・スプーリングも使用可能にすることをお勧めします。これは、hadr_spool_limit データベース構成パラメーターを設定することによって行います。 意図的な遅延を行うため、スタンバイでの再生位置は、ログ受け取り位置よりずっと後方になる可能性があります。 スプーリングを使用しないと、再生位置を越えた部分のログの受け取りが可能になるのは、受信バッファーの量だけになります。 スプーリングを使用すると、スタンバイで再生位置を超えた部分のログを受け取れる量が増えるため、1 次に障害が発生した場合のデータ損失に対する保護が強化されます。 どちらの場合も、SUPERASYNC モードが必須であるため、遅延再生によって 1 次がブロックされることはありません。

遅延再生を使用すると、1 次のトランザクションにエラーがあり、スタンバイ上で再生される前にそのことが通知された場合には、エラーがあるトランザクションがコミットされる直前の時刻までデータベースをロールフォワードしてからロールフォワードを停止し、1 次上で失われたデータを取得することができます。

注: スタンバイで遅延再生を有効にした場合、遅延再生を無効にする (そのスタンバイで hadr_replay_delay パラメーターを 0 に設定する) まで、そのスタンバイは新しい 1 次としてテークオーバーできません。