hadr_target_list - HADR ターゲット・リスト・データベース構成パラメーター

このパラメーターでは、HADR スタンバイ・データベースを表すターゲット host:port ペアのリストを指定します。 複数のスタンバイ・データベースを有効にしたり、 Db2® pureScale® 環境で HADR をセットアップしたりするには、 hadr_target_list パラメーターを設定する必要があります。

構成タイプ
データベース
適用
  • ローカルとリモート・クライアントを持つデータベース・サーバー
  • ローカル・クライアントを持つデータベース・サーバー
パラメーター・タイプ
環境が Db2 pureScale Feature を使用しない場合にオンラインで構成可能 (このトピックで後述する制約事項に従う)
デフォルト
ヌル
アップグレードに関する注意事項
  • Db2 バージョン 9.8 フィックスパック 4 pureScale 以前の環境からアップグレードする場合、 hadr_target_list の値はメンバー 0 での値に設定されます。

プライマリーの hadr_target_list 構成パラメーターに指定する host:port のペアによって、どのホストがそのプライマリーのスタンバイとして機能するかが決まります。 スタンバイ・データベースのターゲット・リスト内の host:port ペアは、このスタンバイ・データベースが新しい HADR 1 次データベースとしてテークオーバーする場合に使用されるスタンバイ・ホストを示します。

hadr_remote_host データベース構成パラメーターや hadr_local_host データベース構成パラメーターと同じように、hadr_target_list 構成パラメーターのホストは、ホスト名または IP アドレスのどちらかを使用して指定できます。 ホスト名に含めることができるのは、英数字、ダッシュ、および下線だけです。 hadr_remote_svc 構成パラメーターや hadr_local_svc 構成パラメーターと同じように、hadr_target_list 構成パラメーターのポートは、ポート番号またはサービス名のどちらかを使用して指定できます。 サービス名には、任意の文字を使用できます。 ホスト名は IP アドレスにマップされ、サービス名はポート番号にマップされます。 hadr_target_list 構成パラメーターに指定する値は、ホスト名、ホスト IP アドレス、サービス名、およびポート値の組み合わせにすることができます。

host:port のペアは、次の例に示すとおり、縦線 (|) で区切ります。
host1:port1|host2:port2|host3:port3
IP 部分とポート部分を区別するために、Internet Protocol バージョン 6 (IPv6) の数値アドレスを大括弧 [] で囲む必要があります。以下に例を示します。
[FEDC:BA98:7654:3210:FEDC:BA98:7654:3210]:4000
Db2 pureScale 環境では、スタンバイ・クラスターのメンバー・ホストのグループを中括弧 {} で囲んで指定します。 Db2 pureScale 環境では、クラスターのアドレスが 1 つしかリストされていない場合でも、中括弧が必要です。 その他の環境では、データベースのアドレスが 1 つだけであれば、中括弧を省略できます。 次に例を示します。
{host1:1000|host2:1000|host3:1000}
スタンバイ・クラスターのターゲット・リストでは、必要なのはクラスターのメンバーのサブセットだけです。 極端な場合は、1 つのメンバーのアドレスだけがリストされます。 しかし、これは Single Point of Failure を作り出すため、ベスト・プラクティスではありません。 リストされたメンバーがオフラインである場合は、そのクラスターに到達できません。 小規模クラスター (例えば 4 メンバー構成のもの) の場合は、すべてのメンバーをリストすることをお勧めします。 大規模クラスターの場合は、オンラインである可能性が最も高い複数のメンバーをリストします。 優先再生メンバーをリストすることを強くお勧めします。
注: 現在、 Db2 pureScale セットアップでは、ターゲット・リストに指定できるクラスターは 1 つのみです。

HADR データベースのターゲット・リストの最初のデータベースがプリンシパル HADR スタンバイ・データベース として指定され、他の項目はすべて補助 HADR スタンバイ・データベース と呼ばれます。 1 次側の hadr_syncmode 構成パラメーターを使用して、 Db2 環境でサポートされる任意の同期モードを使用するように 1 次とプリンシパルのスタンバイ HADR ペアを構成できます。 補助スタンバイ・ターゲットの同期モードは常に SUPERASYNC です。 1 次で HADR を開始すると、 DB2_HADR_NO_IP_CHECK レジストリー変数を ONに設定しない限り、 hadr_remote_host および hadr_remote_svc 構成パラメーターの値は自動的にプリンシパル・スタンバイの値に設定されます。

プリンシパル・スタンバイの相互設定要件はありません。 例えば、データベース A はそのプリンシパル・スタンバイ・データベースとしてデータベース B を指定することができ、データベース B はそのプリンシパル・スタンバイ・データベースとしてデータベース C を指定することができます。 ただし、1 次データベースとスタンバイの一般相互設定は必要です。 例えば、データベース A のターゲット・リストにデータベース B がリストされている場合は、データベース B のターゲット・リストにデータベース A がリストされていなければなりません。 その結果、役割の切り替え後も、古い 1 次が引き続き新しい 1 次の新しいスタンバイとして受け入れられるようになります。 例えば、次の構成は許容されます。ただし、データベース C は、データベース B が 1 次データベースである場合にのみ有効なスタンバイです。
  • データベース A: hadr_target_list にデータベース B が含まれている
  • データベース B: hadr_target_list にデータベース C および A が含まれている
  • データベース C: hadr_target_list にデータベース B が含まれている
データベースをオンラインにしたままで hadr_target_list パラメーターの値を更新し、その変更を有効にすることができますが、HADR がアクティブの場合は以下のような制約事項があります。
  • 1 次データベースの HADR を停止してからでないと、1 次データベースのプリンシパル・スタンバイ・データベースを変更することはできません。
  • 1 次データベースに接続しているスタンバイ・データベースは、リストから削除できません。 スタンバイ・データベースを切断するには、スタンバイ・データベースを非アクティブ化してください。 その後、1 次データベースのターゲット・リストから削除できます。
  • スタンバイ・データベースにおける HADR 読み取りフィーチャーを使用可能にしている場合を除き、スタンバイ・データベースの hadr_target_list 構成パラメーターを動的に更新することはできません。
  • スタンバイ・データベースが 1 次データベースに接続されている場合、スタンバイ・データベースのターゲット・リストから 1 次データベースを削除することはできません。
  • ターゲット・リストには、IPv4 または IPv6 いずれか一方の IP アドレスを含める必要があり、これら 2 つを組み合わせることはできません。
  • Db2 pureScale Feature を使用している場合は、 hadr_target_list 構成パラメーターを動的に更新できません。