変更の始まり

FlashCopy イメージ・コピーを使用したリカバリー

FlashCopy® イメージ・コピーからのリカバリーは、従来のイメージ・コピーからのリカバリーより高速になる可能性があります。該当する FlashCopy イメージ・コピーが使用可能な場合は、RECOVER ユーティリティーはこのコピーを使用してイメージ・コピーを即座にリストアできます。

このタスクについて

FlashCopy イメージ・コピーを使用したリカバリーを計画する際には、以下の情報を考慮してください。

  • メディア障害の場合のリカバリーの完全な基盤を備えるために、FlashCopy イメージ・コピーと従来の順次イメージ・コピーの両方を作成してください。
  • 整合性を保った FlashCopy イメージ・コピーを作成し、そのコピーからリカバリーすると、整合性が保証されない FlashCopy イメージ・コピーを作成してそのコピーからリカバリーするより、処理リソースの消費が多くなることがあります。整合性を保った FlashCopy イメージ・コピーからリカバリーするには、RECOVER ユーティリティーでログを読み取り、整合点以後にリカバリー対象オブジェクトに対して行われた変更を適用する必要があります。多くの場合、そのような変更の一部は以前にバックアウトされた、再適用する必要のある処理です。これは、FlashCopy イメージ・コピーの作成時に、その処理が非コミットであったためです。(この場合、リカバリーでは、PRELOGC フェーズ中にログの詳細な分析が必要になります。予備的なログ適用フェーズ (PRELOGA) およびその他のログ・フェーズでも詳細な分析が必要になります。) FlashCopy イメージ・コピーの SYSCOPY レコードの START_RBA 値は、RECOVER による処理に必要なログの RBA または LRSN の最低値を示します。
  • FlashCopy 関係がまだ未解決な場合に、FlashCopy イメージ・コピーを使用したリカバリーを行うと、同じデータに対するそれ以降の BACKUP SYSTEM ユーティリティー・ジョブが正常に完了しない可能性があります。

    この制限が存在するのは、FlashCopy 関係の特性のためです。RECOVER ユーティリティーは高速レプリケーションを使用して FlashCopy イメージ・コピーをリストアする際に、FlashCopy 関係を確立します。これは、FlashCopy イメージ・コピー・データ・セット (FlashCopy ソース) と表スペースまたは索引スペースの基礎となるデータ・セット (FlashCopy ターゲット) の間の関係です。FlashCopy 関係のカスケードでは 1 つのデータ・セットまたはエクステントが FlashCopy のターゲットとソースの両方を兼ねます。これはハードウェアでサポートされていません。

    BACKUP SYSTEM は FlashCopy テクノロジーも使用します。したがって、RECOVER からの FlashCopy 関係が存在する間は、RECOVER 操作からの FlashCopy ターゲット (表スペースまたは索引スペースの基礎となるデータ・セット) を、BACKUP SYSTEM のソースとしても使用することはできません。

    BACKUP SYSTEM の使用を計画する場合は、ステップ 1 で説明されているように REC_FASTREPLICATION サブシステム・パラメーターを使用して、RECOVER ユーティリティーが FlashCopy を使用して FlashCopy イメージ・コピーをリストアするかどうかを制御してください。

  • 変更の始まりFlashCopy イメージ・コピーがマイグレーションされたか削除された場合、RECOVER は (FlashCopy イメージ・コピーから作成された) 等価の順次イメージ・コピーが存在すれば、その順次イメージ・コピーを使用します。それ以外の場合は、次に新しい適格のリカバリー・ベースが使用されます。変更の終わり

手順

FlashCopy イメージ・コピーを使用してリカバリーするには、次のようにします。

  1. REC_FASTREPLICATION サブシステム・パラメーターが PREFERRED または REQUIRED に設定されていることを確認します。

    このサブシステム・パラメーターが PREFERRED に設定されている場合は、RECOVER は高速レプリケーション (FlashCopy) を使用して FlashCopy イメージ・コピーをリストアしようとします。BACKUP SYSTEM ユーティリティーまたは COPY ユーティリティーのために、表スペースまたは索引スペースの基礎となるデータ・セットが FlashCopy 関係内に既に存在する場合は、高速レプリケーションは使用されません。この場合、高速レプリケーションの代わりに従来の入出力方式を使用して、FlashCopy イメージ・コピーがリストアされます。

    このサブシステム・パラメーターが REQUIRED に設定されている場合、RECOVER は高速レプリケーションを使用して FlashCopy イメージ・コピーをリストアする必要があります。高速レプリケーションを使用できない場合、オブジェクトのリカバリーは失敗します。例えば、BACKUP SYSTEM ユーティリティーが実動ボリュームを使用して FlashCopy 関係を確立した場合、リカバリーが失敗する可能性があります。

    制約事項: RECOVER ユーティリティーが FlashCopy 関係を確立して FlashCopy イメージ・コピーをリストアする場合、BACKUP SYSTEM ユーティリティーを開始すると、システム・レベル・バックアップの作成に失敗する可能性があります。失敗の理由は、FlashCopy 関係のカスケードがサポートされていないからです。

    上記以外のケースとして、このサブシステム・パラメーターを NONE に設定すると、RECOVER は従来の入出力方式を使用して、FlashCopy イメージ・コピーをリストアします。BACKUP SYSTEM の使用時に、FlashCopy イメージ・コピーからのリカバリーによりシステム・レベル・バックアップの作成を妨げないようにするには、このオプションを使用してください。

  2. 該当する RECOVER ユーティリティー制御ステートメントを指定します。 RECOVER ステートメント内に追加のオプションを指定して、FlashCopy イメージ・コピーを使用することを示す必要はありません。RECOVER ユーティリティーは、使用可能であれば FlashCopy イメージ・コピーを使用します。

    しかし、(TOCOPY、TOLASTCOPY、または TOLASTFULLCOPY を指定して) RECOVER が特定の FlashCopy イメージ・コピーを使用することを指定する場合は、DSNUM オプションを、使用する FlashCopy イメージ・コピーに該当するデータ・セットまたはパーティション番号と共に指定してください。

    変更の始まり(COPY ステートメントに DSNUM ALL オプションを指定して) 表スペース・レベルで FlashCopy イメージ・コピーを取った場合は、すべてのデータ・セットを個別にリカバリーする必要はありません。RECOVER ステートメントで表スペース全体を 1 つのオブジェクトとしてリカバリーできます。別の方法として、各データ・セットを個別にリカバリーできます。変更の終わり

変更の終わり