RECOVER 制御ステートメントのサンプル

以下の制御ステートメントのサンプルを、独自の RECOVER 制御ステートメントを作成するためのモデルとして使用できます。

例 1: 1 つの表スペースをリカバリーする

次の制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、表スペース DSN8D10A.DSN8S10D を現行の ポイント・イン・タイムまでリカバリーすることを指定しています。

RECOVER TABLESPACE DSN8D10A.DSN8S10D

例 2: 1 つの表スペース・パーティションをリカバリーする

次の制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、表スペース DSN8D10A.DSN8S10D の 2 番目のパーティションをリカバリーすることを指定しています。 パーティション番号は、DSNUM オプションによって示されています。

RECOVER TABLESPACE DSN8D10A.DSN8S10D DSNUM 2

例 3: 1 つの表スペース・パーティションを、作成された最後のイメージ・コピーまでリカバリー する

次の制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、 表スペース DSN8D81A.DSN8S81D の先頭パーティションを、最後にとったイメージ・コピーまでリカバリーすることを指定しています。 最後にとったイメージ・コピーがフル・イメージ・コピーの場合、 このフル・イメージ・コピーがリストアされます。 最後にとったコピーが増分イメージ・コピーの場合は、最新のフル・イメージ・コピーが、すべての増分イメージ・コピーとともに リストアされます。

RECOVER TABLESPACE DSN8D81A.DSN8S81D DSNUM 1 TOLASTCOPY

例 4: 複数の表スペースをポイント・イン・タイムまでリカバリーする

次の制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、表スペース DSN8D10A.DSN8S10E の 2 番目のパーティションと、表スペース DSN8D10A.DSN8S10D のすべてを、示された 静止ポイント (LRSN X'00000551BE7D') までリカバリーすることを指定しています。 静止ポイントは、TOLOGPOINT オプションによって示されています。 このオプションの値は、LRSN または RBA のいずれでも構いません。

RECOVER TABLESPACE DSN8D10A.DSN8S10E DSNUM 2
        TABLESPACE DSN8D10A.DSN8S10D
        TOLOGPOINT X'00000551BE7D'

例 5: データ・セットの削除と再定義は行わずに、最後にとった フル・イメージ・コピーまで索引をリカバリーする

次の制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、索引 ADMF001.IADH082P を 最後のフル・イメージ・コピーまでリカバリーすることを指定してい ます。REUSE オプションは、DB2® が、DB2 管理対象のデータ・セットを削除して再定義することなく、それらを 論理的にリセットし、再使用することを指定しています。

RECOVER INDEX  ADMF001.IADH082P REUSE TOLASTFULLCOPY

例 6: 並行コピーからリカバリーする

RECOVER ユーティリティー制御ステートメントは、 ユーティリティーが、RCVR4_LIST にあるすべてのオブジェクトをリカバリーすることを指定しています。 このリストは、前記の LISTDEF ユーティリティー制御ステートメントによって定義されます。 これらすべてのオブジェクトの最新の 1 次コピーは並行コピーであるため、RECOVER ステートメントの CURRENTCOPYONLY オプションによって、これらの並行コピーをリストアする際のパフォーマンスが向上します。 LOCALSITE オプションは、RECOVER がローカル・サイトでイメージ・コピーを使用することを 示しています。

図 1. CURRENTCOPYONLY オプションを用いた RECOVER 制御ステートメントの例
//STEP1    EXEC DSNUPROC,UID='JUOLU210.RCVR4',    
//         UTPROC='',                             
//         SYSTEM='SSTR'                          
//UTPRINT  DD  SYSOUT=*                           
//SYSUT1   DD DSN=JUOLU210.RCVR4.STEP1.SYSUT1,    
//         DISP=(MOD,DELETE,CATLG),               
//         UNIT=SYSDA,SPACE=(4000,(20,20),,,ROUND)
//SORTOUT  DD DSN=JUOLU210.RCVR4.STEP1.SORTOUT,   
//         DISP=(MOD,DELETE,CATLG),               
//         UNIT=SYSDA,SPACE=(4000,(20,20),,,ROUND) 
//SYSIN    DD *   
                
   LISTDEF RCVR4_LIST                                              
     INCLUDE TABLESPACES TABLESPACE DBOL1002.TSOL1002              
     INCLUDE TABLESPACES TABLESPACE DBOL1003.TPOL1003 PARTLEVEL 3  
     INCLUDE TABLESPACES TABLESPACE DBOL1003.TPOL1003 PARTLEVEL 6  
     INCLUDE TABLESPACES TABLESPACE DBOL1003.TPOL1004 PARTLEVEL 5  
     INCLUDE TABLESPACES TABLESPACE DBOL1003.TPOL1004 PARTLEVEL 9  
     INCLUDE INDEXSPACES INDEXSPACE DBOL1003.IPOL1051 PARTLEVEL 22 
     INCLUDE INDEXSPACES INDEXSPACE DBOL1003.IPOL1061 PARTLEVEL 10 
     INCLUDE INDEXSPACES INDEXSPACE DBOL1003.IXOL1062              
                                                                   
   RECOVER LIST RCVR4_LIST                                         
           LOCALSITE                                               
           CURRENTCOPYONLY                                         
 /*                                                                                                        

例 7: 異なる磁気テープ装置上にあるオブジェクトのリストを並列にリカバリーする

制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが 表スペースのリストをリカバリーする指定を行っています。8 つの表スペースのフル・イメージ・コピーと 増分イメージ・コピーが、4 つ異なるテープ・ボリュームにスタックされています。 ユーティリティーは、オブジェクトのリストをソートし、可能であれば、一度に 2 つのオブジェクトを 並列にリカバリーします。このオブジェクト数は、PARALLEL オプションで指定され ます。TAPEUNITS オプションは、最大 4 台の磁気テープ装置が動的に割り振られることを指定しています。

図 2. テープ上のオブジェクトのリストに対する RECOVER 制御ステートメントの例
//RECOVER   EXEC DSNUPROC,SYSTEM='DSN'
//SYSIN    DD *
RECOVER PARALLEL(2) TAPEUNITS(4)
TABLESPACE DB1.TS8
TABLESPACE DB1.TS7
TABLESPACE DB1.TS6
TABLESPACE DB1.TS5
TABLESPACE DB1.TS4
TABLESPACE DB1.TS3
TABLESPACE DB1.TS2
TABLESPACE DB1.TS1

例 8: オブジェクトのリストをポイント・イン・タイムまでリカバリーする

次の RECOVER 制御ステートメント は、RECOVER ユーティリティーが、指定されたオブジェクトのリストを、 共通のポイント・イン・タイム (LRSN X'00000551BE7D') までリカバリーするよう指定しています。LISTDEF 制御ステートメントは、リストに組み込むオブジェクトを定義しています。 これらのオブジェクトは、この RECOVER ジョブが正常終了した後は、論理的に整合性があり ます。PARALLEL オプションは、RECOVER が一度に 4 つのオブジェクトを並列にリストアすることを 示しています。 いずれかのイメージ・コピーがテープ上にある場合 (スタックまたは非スタックのいずれか)、RECOVER は 処理を最適化するために、使用する磁気テープ装置数を決定します。 指定された RBA でのすべてのオブジェクトに関するコミットされていない作業は、整合ポイント・イン・タイムまでのリカバリー操作によってバックアウトされます。

LISTDEF RCVRLIST INCLUDE TABLESPACE DSN8D81A.DSN8S81D  
         INCLUDE INDEX DSN8810.XDEPT1                         
         INCLUDE INDEX DSN8810.XDEPT2                         
         INCLUDE INDEX DSN8810.XDEPT3                         
         INCLUDE TABLESPACE DSN8D81A.DSN8S81E                 
         INCLUDE INDEX DSN8810.XEMP1                          
         INCLUDE INDEX DSN8810.XEMP2                          
RECOVER LIST RCVRLIST TOLOGPOINT X'00000551BE7D' PARALLEL(4) 

例 9: イメージ・コピーをリカバリーする

次の 制御ステートメントは、RECOVER が、 指定された X'00000551BE7D' 値よりも早い RBA または LRSN 値のイメージ・コピーを、 RESTORE フェーズで使用するために検索することを指定しています。データ・セットのリストアには、指定されたデータベース・コピー・プールのダンプのみ が使用されます。

RECOVER LIST RCVRLIST RESTOREBEFORE X'00000551BE7D' PARALLEL(4) 
   FROMDUMP DUMPCLASS(dcname)

例 10: クローン表データをリカバリーする

次の 制御ステートメントは、RECOVER ユーティリティーが、DBA90601.TLX9061A 内のクローン・データのみをリカバリーし、 データを最後に作成されたイメージ・コピーまでリカバリーすることを指定しています。REUSE オプションは、RECOVER が、DB2 管理対象のデータ・セットを削除して再定義することなく、それらを 論理的にリセットし、再使用することを指定しています。

RECOVER TABLESPACE DBA90601.TLX9061A REUSE TOLASTCOPY  
          CLONE