-TERM UTILITY (DB2)

DB2® コマンド TERM UTILITY は、 DB2 ユーティリティー・ジョブ・ステップの実行を終了させ、そのステップに関連したすべてのリソースを解放します。

実行中のユーティリティーは、TERM UTILITY コマンドが 発行されたことをチェックして分かるまで終了しません。アクティブ・ユーティリティーはこの検査を、 定期的に行います。ユーティリティーが停止すると、そのリソースは TERM UTILITY コマンドによってすべて 解放されます。アクティブな ユーティリティーは、それが実行されている DB2 からのみ終了させることができます。 停止した ユーティリティーは、データ共用グループの任意のアクティブなメンバーから終了させることができます。

省略形: -TER UTIL

環境

このコマンドの入力は、z/OS® コンソール、DSN セッション、DB2I パネル DB2 COMMANDS と DB2 UTILITIES、IMS™ または CICS® 端末、 あるいは計測機能インターフェース (IFI) を使用するプログラム から行うことができます。

データ共用範囲: グループまたはメンバー。ユーティリティーは、ユーティリティーが停止しているときは、暗黙にグループの範囲になります。

許可

このコマンドを実行するには、最初にユーティリティー・ジョブをサブミットした処理の 1 次または 2 次許可 ID を使用するか、または以下のいずれかの権限を含む処理の特権セットを 使用する必要があります。
  • DBMAINT 権限
  • DBCTRL 権限
  • DBADM 権限
  • SYSOPR 権限
  • 変更の始まりシステム DBADM 権限変更の終わり
  • 変更の始まりDATAACCESS 権限変更の終わり
  • SYSCTRL 権限
  • SYSADM 権限

暗黙に作成された データベース内のオブジェクトに対して実行されるユーティリティーの場合、データベース特権または権限は、 暗黙に作成されたデータベースまたは DSNDB04 で保持されます。また、ユーティリティーが操作する表スペースまたは 索引スペースの所有権は、ユーティリティーを終了させるのに必要な許可を満たしています。 これは、暗黙に作成された表スペースまたは索引スペースの名前をコマンドで明示的に指定した場合、所有者はその表スペースまたは索引スペースに関する情報を表示できるということを意味します。

ユーティリティー DIAGNOSE、REPORT、および STOSPACE は、ジョブ・サブミッター、または SYSOPR、SYSCTRL、または SYSADM 権限の所有者のみが終了できます。

ログオンした z/OS コンソールまたは TSO SDSF から出された DB2 コマンドは、1 次または 2 次許可 ID を使用して DB2 許可で検査することができます。

DBMAINT、DBCTRL、または DBADM 権限を持つユーザーの場合、 このコマンドが有効となるのは、ユーティリティー・ジョブがアクセスする各オブジェクトに対してユーザーが 十分の特権を有していることを DB2 が判別できる場合に限られます。

データベース DSNDB06 に含まれる表スペースと索引スペース は、許可を検査する必要があります。許可検査に必要な表または索引スペースが、終了の必要があるユーティリティー による影響を受ける場合は、そのユーティリティーを終了するのに、インストール SYSADM 権限が必要です。

構文

>>-TERM UTILITY--(-+-utility-id----------+-)-------------------><
                   +-partial-utility-id*-+     
                   '-*-------------------'     

オプションの説明

以下のいずれかのパラメーターが指定されている必要があります。
( utility-id )
これはユーティリティー ID です。あるいは、 ユーティリティー・ジョブ・ステップの作成時に使用した UID パラメーターです。

utility-id がデフォルトの DSNU CLIST によって作成 された場合の形式は、tso-userid.control-file-name となります。

utility-id がデフォルトにより、DSNUTILB を 呼び出す EXEC ステートメント によって作成された場合、そのトークンの形式は userid.jobname となります。

変更の始まりutility-id に小文字または特殊文字が含まれる場合は、単一引用符 (') で囲む必要があります。変更の終わり

( partial-utility-id* )
partial-utility-id で始まるユーティリティー・ジョブをすべて終了させます。例えば 、TERM UTILITY(ABCD*) を使用すると、ユーティリティー ID が ABCD という文字で始まる あらゆるユーティリティー・ジョブ・ステップが終了します。ユーティリティー ID が ABCD.EFGH の ように 2 つの部分からなる場合、TERM UTILITY(ABCD*) の指定でそのユーティリティーも終了させます。
( * )
DB2 が認識しているユーティリティー・ジョブ・ステップで、ユーザーが 許可されているものをすべて終了します。

使用上の注意

ユーティリティーの再始動: 終了したユーティリティー・ジョブ・ステップは再始動できません。そのステップは新しいユーティリティー・ジョブとして再び実行依頼する必要があります。

特定のユーティリティーにおける結果: 場合によっては、 ユーティリティー・ジョブを終了した結果、作業が好ましくない状態のままに なり、特別な処理を行わなければジョブを再実行依頼できないことがあります。 次のリストは、各ユーティリティー別ジョブに対して、TERM UTILITY の影響を説明しています。
ユーティリティー
TERM UTILITY コマンドの特殊な影響
CATENFM
なし。
CATMAINT
索引を REBUILD ペンディング状況にします。
CHECK DATA
表スペースは、CHECK ペンディング状況にとどまります。
CHECK INDEX
なし。
CHECK LOB
LOB 表スペースと索引をユーティリティー読み取り専用 (UTRO) 状態 にします。
COPY
SYSIBM.SYSCOPY に「T」レコードを挿入します。COPY の実行時に「T」レコードが 存在していると、COPY で増分イメージ・コピーを行うことはできません。
DIAGNOSE
なし。
LOAD
LOAD の終了
MERGECOPY
なし。
MODIFY RECOVERY
なし。
MODIFY STATISTICS
なし。
QUIESCE
なし。
REBUILD INDEX
再作成中のオブジェクトを REBUILD ペンディング状況にします。
RECOVER
リカバリー中のオブジェクトを RECOVER ペンディング状況にします。
REORG INDEX
REORG INDEX の終了
REORG TABLESPACE
REORG TABLESPACE の終了
REPAIR
なし。
REPORT
なし。
RUNSTATS
なし。
STOSPACE
なし。
UNLOAD
出力データ・セットは、ユーティリティー・ジョブを再始動するか、 またはそのデータ・セットを削除するまで、未完了の状態となります。

例 1: 許可を受けているユーティリティー・ジョブをすべて終了します。
-TERM UTILITY (*)
例 2: ユーティリティー ID が SMITH で始まる ユーティリティー・ジョブを、すべて終了します。
-TERM UTILITY
  (SMITH*)