IBM InfoSphere Identity Insight の概要

IBM® InfoSphere Identity Insight は、人物または事物の真のアイデンティティー (誰が誰であるのか) の認識に関連する業務上の問題、ならびに、顧客、従業員、取引先、およびその他の外部関係者間の関係 (誰が誰を知っているのか) の潜在的な価値または危険性の特定に関連する業務上の問題を解決できるよう組織を支援します。IBM InfoSphere Identity Insight は、あらゆる業界において脅威、不正、悪用、および共謀の防止に役立つ、即時性があり実用的な情報を提供します。

多くの組織では、アイデンティティーおよび関係を表す生データが既に存在します。大量のデータから最大限の洞察を導き出す必要がありますが、ほとんどのシステムで、それらの大量のデータを管理、分析、および解決する簡単な方法がないことが問題です。

IBM InfoSphere Identity Insight を使用すると、組織では、すべてのソース (顧客データベース、取引先リスト、従業員データベース、法規制遵守リスト、およびストリーミング・データ・フィードなど) からのデータをリアルタイムで管理、分析、および統合できます。IBM InfoSphere Identity Insight では、詳細な調査のために、アナリスト、セキュリティー担当者、またはその他の担当者に対してリアルタイム・アラートが送信されます。また、IBM InfoSphere Identity Insight の支援により、顧客に対する包括的な視点に基づき、顧客や顧客の市場区分のネットワークの価値を識別できます。

IBM InfoSphere Identity Insight を使用すると、組織では、すべてのナレッジベース・アプリケーションのプラットフォームとして使用できる集中動的エンティティー・データベースを作成できます。IBM InfoSphere Identity Insight は、多種多様なプロトコルおよびテクノロジーを通じて、他のエンタープライズ・システムと統合します。

アイデンティティーの認識

IBM InfoSphere Identity Insight は、エンティティー解決の中核処理を使用して、一致しない不明確なアイデンティティー・レコードを、それが意図的に虚偽表示されている場合でも、複数のデータ・セット間で包括的なエンティティーに解決します。

エンティティー解決中、IBM InfoSphere Identity Insight では以下が行われます。
  • 異なるエンティティーのように見える複数のレコードが実際には単一のエンティティーである場合が特定されます。
  • 解決されたエンティティーごとに、完全に異なるアイデンティティー・レコードがエンティティーの複合ビューに統合され、一方で各レコードのフル属性情報が維持されます。フル属性情報が保持されるため、データは損失せず、元のソースを常に探し出すことができます。
  • 新しいデータがシステムにロードされると、IBM InfoSphere Identity Insight では、エンティティー・データベース内のエンティティーのコンテキストで情報が更新および管理されます。新規のデータまたは変更されたデータがロードされると、それらのデータの意味が完全に把握され、各トランザクションが最大限に活用され、エンティティー・データベース内の各エンティティーの包括的な視点が拡張されます。

関係の検出

複数のデータ・ソースからレコードがロードされ、処理されると、IBM InfoSphere Identity Insight では、エンティティー関係処理に基づいて、エンティティー・データベース内のエンティティー間の関係が検出されます。

エンティティー解決処理中、IBM InfoSphere Identity Insight では以下が行われます。
  • 電話番号、住所など、アイデンティティー属性によりエンティティーがリンクされ、関連するが明らかではない関係が検出されます。
  • 個々のデータ属性 (ID 番号、名前など)、ロケーション (IP アドレスなど)、施設 (倉庫、学校、空港、ホテルなど)、組織 (小集団、クラブ、団体、暴力団など)、お金 (現金、電信送金など)、および口座 (ロイヤルティー・クラブ、銀行、当座預金、クレジット、普通預金など) を使用して、関係者およびエンティティーのネットワークを整理します。
  • 疑わしい関係または関心のある関係を特定し (それらの関係が隠蔽または偽装されていても)、一連のユーザー定義ルールに基づきリアルタイム・アラートを送信します。IBM InfoSphere Identity Insight を使用すると、アナリストおよび調査者は、エンティティー・データベースに対して高度な検索を実行して、関連する各エンティティーおよびすべてのエンティティー、またはそれらのエンティティーのリンク先の属性を詳細に調査できます。

IBM InfoSphere Identity Insight では、カスタマイズ可能なルール・ベースの例外報告もサポートされます。これにより、組織では、解決対象のどのエンティティーでアラートをトリガーするか、または検出対象のどの関係でアラートをトリガーするか指定できます。