PCIe3 16 Gb 2 ポート・ファイバー・チャネル・アダプター (FC EN0A; CCIN 577F)

フィーチャー・コード (FC) EN0A アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。

概説

PCIe3 16 Gb 2 ポート・ファイバー・チャネル・アダプターは、x8 第 3 世代の PCIe アダプターです。このアダプターは、高性能 8x ショート・フォーム・アダプターであり、PCIe ホスト・バス・アダプター (HBA) とも呼ばれます。 このアダプターは、SR 光ファイバーを使用する 16 Gb ファイバー・チャネル機能を提供する 2 つのポートを備えています。 各ポートは、最大 16 Gb のファイバー・チャネル機能を同時に提供できます。

各ポートは、ファイバー・リンクを介して単一イニシエーター機能を提供するか、または NPIV を使用して複数のイニシエーター機能を提供します。これらのポートは SFP+ であり、光 SR トランシーバーを備えています。これらのポートは、リトル・コネクター・タイプ (LC) を備えており、短波レーザー光学を使用します。 このアダプターはリンク・スピード 4、8、および 16 Gbps で動作し、自動的にネゴシエーションして可能な限り最高速度で動作します。 各ポート上の LED は、ポートの状況とリンク・スピードに関する情報を提供します。

このアダプターは、4 Gb、8 Gb、または 16 Gb でファイバー・チャネル・スイッチに接続します。このアダプターはスイッチを使用せずに 16 Gb で直接デバイスに接続できます。4 Gb または 8 Gb では、スイッチを使用しない接続はサポートされていません。

N_Port ID Virtualization (NPIV) 機能は、VIOS によりサポートされます。

このアダプターには以下のフィーチャーがあります。
  • アダプターの部品および構造は、有害物質の使用制限指令 (RoHS 指令) に関する欧州連合指令に準拠しています。
  • アダプターは、PCIe Base 仕様および Card Electromechanical (CEM) 2.0 仕様に準拠しており、その特性は以下の通りです。
    • 14.025 Gbps、8.5 Gbps、または 4.25 Gbps の x8 レーン・リンク・インターフェース (システムによる自動ネゴシエーション) を提供
    • 1 つの仮想チャネル (VC0) および 1 つのトラフィック・クラス (TC0) をサポート
    • 構成および I/O メモリー読み取り/書き込み、完了、およびメッセージングの機能を提供
    • 64 ビット・アドレッシングをサポート
    • エラー訂正コード (ECC) およびエラー保護の機能を提供
    • すべての PCIe パケットおよびメッセージ情報へのリンク巡回冗長検査 (CRC) を提供
    • 読み取り機能および書き込み機能に 2048 バイトの大容量ペイロード・サイズを提供
    • 4096 バイトの大容量読み取り要求サイズを提供
  • アダプターは 4 Gb、8 Gb、および 16 Gb ファイバー・チャネル・インターフェースと互換性があり、その特性は以下の通りです。
    • 4 Gb、8 Gb、または 16 Gb リンク接続間の自動ネゴシエーションを提供
    • 以下のファイバー・チャネル・トポロジーのサポートを提供: Point-to-Point (16Gb のみ) およびファブリック
    • ファイバー・チャネル・クラス 3 をサポート
    • 全二重ハードウェア・サポートを使用して達成される最大のファイバー・チャネル・スループットを提供
  • アダプターは、内部データ・パス・ランダム・アクセス・メモリー (RAM) を含め、エンドツーエンド・データ・パス・パリティーおよび CRC 保護を提供します。
  • 複数の上位層プロトコルをアーキテクチャーでサポート
  • N_Port ID Virtualization (NPIV) およびバーチャル・ファブリック (VF) をサポートする包括的な仮想化機能を提供
  • 拡張メッセージ・シグナル割り込み (MSI-X) をサポート
  • 255 個の VF および 1024 個の MSI-X をサポート
  • 高速スタティック RAM (SRAM) による内部メモリーを提供
  • ローカル・メモリーの ECC 保護 (シングルビット修正およびダブルビット保護を含む) を提供
  • 診断機能を備えた組み込みショート・ウェーブ光接続を提供
  • 以下のように、ファームウェアによるオンボード・コンテキスト管理をサポート
    • 最大で 8192 FC ポート・ログイン
    • ファイバー・チャネル・フレーム・レベルにまで I/O 多重化
  • ショート・ウェーブ・アプリケーションの場合に、ポートごとに 64+ バッファー間 (BB) クレジットをサポートできるデータ・バッファーを提供
  • ファームウェアが処理するリンク管理およびリカバリーを提供
  • 任意選択の接続によりアクセス可能なオンボード診断機能を提供
  • 最高で 16 Gbps 全二重のパフォーマンスを提供

次の図はアダプターを示しています。

図 1. EN0A アダプター
EN0A アダプター

仕様

項目
説明
アダプターの FRU 番号
000E9266 (RoHS 指令に適合する設計である)
折り返しプラグ FRU 番号
12R9314
注: 折り返しプラグはカードに付属していますが、IBM® から購入することもできます。
I/O バス・アーキテクチャー
PCIe Base および CEM 3.0 に準拠した、x8 PCIe バス・インターフェース
スロット要件
スロットの優先順位およびインストール規則について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。
電圧
3.3 V, 12 V
フォーム・ファクター
ショート、MD2
FC 互換性
4, 8, 16 Gb
ケーブル
ケーブルは、お客様の責任で用意していただきます。 以下の仕様に準拠した、短波レーザー用のマルチモード光ファイバー・ケーブルを使用してください。
  • OM4: マルチモード 50/125 マイクロメートル・ファイバー、4700 MHz x km 帯域幅
  • OM3: マルチモード 50/125 マイクロメートル・ファイバー、2000 MHz x km 帯域幅
  • OM2: マルチモード 50/125 マイクロメートル・ファイバー、500 MHz x km 帯域幅
  • OM1: マルチモード 62.5/125 マイクロメートル・ファイバー、200 MHz x km 帯域幅
コア・サイズが異なるため、OM1 ケーブルは他の OM1 ケーブルにしか接続できません。 最良の結果を得るためには、OM2 ケーブルは OM3 ケーブルに接続してはなりません。 ただし、OM2 ケーブルを OM3 ケーブルに接続した場合は、OM2 ケーブルの特性がケーブルの全長に適用されます。
次の表は、異なるリンク・スピードについて、サポートされる種類のケーブル・タイプの距離を示しています。
表 1. サポートされるケーブルの距離
見出し ケーブルのタイプと距離
速度 OM1 OM2 OM3 OM4
4 Gbps 0.5 - 70 m (1.64 - 229.65 ft) 0.5 - 150 m (1.64 - 492.12 ft) 0.5 - 380 m (1.64 - 1246.71 ft) 0.5 - 400 m (1.64 - 1312.34 ft)
8 Gbps 0.5 - 21 m (1.64 - 68.89 ft) 0.5 - 50 m (1.64 - 164.04 ft) 0.5 - 150 m (1.64 - 492.12 ft) 0.5 - 190 m (1.64 - 623.36 ft)
16 Gbps 0.5 - 15 m (1.64 - 49.21 ft) 0.5 - 35 m (1.64 - 114.82 ft) 0.5 - 100 m (1.64 - 328.08 ft) 0.5 - 125 m (1.64 - 410.10 ft)
最大数
サポートされるアダプターの最大数について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。

オペレーティング・システムまたは区画の要件

新しいフィーチャーを取り付ける場合、必ずその新規フィーチャーのサポートに必要なソフトウェアを準備し、そのフィーチャーおよび接続デバイスについて満たす必要のある前提条件があるかどうかを判別してください。前提条件があるか確認するには、IBM Prerequisite Web サイト を参照してください。

アダプターは、 オペレーティング・システムの以下のバージョンでサポートされます。
  • AIX®
    • AIX 7.1 以降
    • AIX 6.1 以降
  • Linux
    • Red Hat Enterprise Linux
    • SUSE Linux Enterprise Server
    • サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
  • IBM i
    • IBM i バージョン 7.2 以降
    • IBM i バージョン 7.1 以降

アダプター LED 状態

緑色 LED および黄色 LED は、アダプターの取り付け金具の開口部を通して見ることができます。 緑色はファームウェア操作を示し、黄色はポート・アクティビティーを表します。表 2 は、正常な LED 状態を要約しています。高速明滅の各グループ (2、3、または 4) の間には、LED がオフになる 1 Hz の休止があります。 状態を確実に正しく識別するには、一連の LED を数秒間観察してください。

表 2. 正常な LED 状態
緑色 LED 黄色 LED
オン 2 高速明滅 4 Gbps リンク速度: 正常、リンク・アクティブ
オン 3 高速明滅 8 Gbps リンク速度: 正常、リンク・アクティブ
オン 4 高速明滅 16 Gbps リンク速度: 正常、リンク・アクティブ

電源オン自己診断テスト (POST) の状態および結果は、表 3 に要約されています。 これらの状態は、異常な状態あるいは問題を識別するために使用できます。

表 3. POST 状態および結果
緑色 LED 黄色 LED
オフ オフ アダプター・ボードのウェイクアップ障害
オフ オン アダプター・ボードの POST 障害
オフ 低速点滅 ウェイクアップ障害モニター
オフ 高速明滅 POST における障害
オフ 明滅 POST 処理進行中
オン オフ 機能中の障害
オン オン 機能中の障害
低速点滅 オフ 正常、リンク切断中
低速点滅 オン 未定義
低速点滅 低速点滅 ダウンロードのためオフライン
低速点滅 高速明滅 制限付きオフライン・モード、再始動待機中
低速点滅 明滅 制限付きオフライン・モード、テスト活動中
高速明滅 オフ 制限モードにおけるデバッグ・モニター
高速明滅 オン 未定義
高速明滅 低速点滅 テスト修正モードにおけるデバッグ・モニター
高速明滅 高速明滅 リモート・デバッグ・モードにおけるデバッグ・モニター
高速明滅 明滅 未定義



最終更新: 2017 年 7 月