PCIe3 1.92 TB CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプター (FC EJ1K; CCIN 58CD)
フィーチャー・コード (FC) EJ1K アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。
概説
1.92 TB フラッシュ・ストレージ付きの PCIe3 CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターは PCI Express (PCIe) 第 3 世代 (Gen3) の x8 アダプターです。このアダプターは、システム内の POWER8® CAPI 対応の PCIe3 x16 スロットに配置する必要があります。PCIe3 CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターは、POWER8® プロセッサーのコプロセッサーとして機能し、組み込み NVMe 接続フラッシュ・ストレージへの CPU アクセスの負荷を軽減する設計になっています。最大書き込み能力に達した場合、アダプターの交換や NVMe M.2 モジュールの交換は IBM® 保証や保守の対象になりません。アダプターが適切に機能するようにするには、すべての管理前提条件が満たされ、重要な活動が実行されている必要があります。
重要: グラフィックス処理装置 (GPU) アダプターおよび Coherent Accelerator Processor Interface (CAPI) アダプターは、電源を入れたまま取り替えることはできません。
アダプターに関する追加情報:
- このアダプターは、CAPI アクセラレーターが含まれており、2 つの NVMe ドライブに接続されます。
- 各 NVMe は、オペレーティング・システムに対して別個のボリュームとして示されます。
- 各ボリュームは、アダプター当たりのフラッシュが 960 GB (合計 1920 GB (1.92 TB) です。
- アダプターでは、ボリュームが 4096 バイト・セクターのドライブとしてフォーマットされている必要があります。
- アダプターおよびその付随ソフトウェア・ライブラリーは、512 バイト・セクターのドライブでは機能しません。
- アダプターが機能するには、プラグをダイレクト・ホスト・バス PCIe 対応スロットに接続する必要があります。
- アダプターの機能はオペレーティング・システムおよびソフトウェアのバージョンにより異なります。
- アダプター上の 2 つの NVMe ドライブはそれぞれ、別個のドライブ寿命または耐久性メーターを持っています。
- アダプターを使用可能にするには、Linux カーネル 4.4 以降が必要です。
- IBM CAPI フラッシュ・ライブラリーを拡張したり活用したりするには、使用可能になっているアプリケーションが必要です。詳細、プログラミング・ガイド、またはサンプル・コードについては、https://github.com/open-power/capiflash/を参照してください
図 1. 1.92 TB フラッシュ・ストレージを備えた CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプター
仕様
- 項目
- 説明
- アダプターの FRU 番号
- 01DH749 (RoHS 指令に適合する設計である)
- I/O バス・アーキテクチャー
- PCIe3 x8
- スロット要件
- CAPI 対応の PCIe3 x16 スロット 1 つ
- サポートされるシステム
- POWER8® プロセッサー・ベースのシステム
- 8335-GCA
- 8335-GTB
- 8247-21L および 8247-22L
- 電圧
- 3.3 V, 12 V
- フォーム・ファクター
- ショート、ロー・プロファイル
- 最大数
- サポートされるアダプターの最大数について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。
- 実現される属性
- フラッシュ・メモリーに対する高 IOP と低 CPU アクセスを実現
- 軽い書き込みアクティビティーで読み取り集中型ワークロードに対応する設計
- 約 1,370 TB の書き込み能力を備えた 2 つの 960 GB M.2 NVMe モジュール
アダプターの管理
CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターの管理では、CAPI ファイバー・チャネル・アクセラレーター (FC EJ16) と一緒に共通のソフトウェア・ユーティリティーを使用します。
アダプターが適切に機能するようにするには、すべての管理前提条件が満たされている必要があります。
- システム・ファームウェアおよびオペレーティング・システムがインストールされ、仮想化構成が完了していること。
- IBM Data Engine for NoSQL User Libraries と AFU マイクロコードがシステムのデフォルト位置 /opt/ibm/capikv にインストールされていること。
- 1 つ以上の CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターのプラグが CAPI 対応スロットに差し込まれていること。
- CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプター・マイクロコードが更新済みであること。
ドライブ書き込み耐久性またはドライブ耐久性のチェック
各アダプターには、960 GB のボリュームが 2 つ含まれています。各ボリュームは、別個のドライブで、固有の専用コントローラー・ロジックと書き込み耐久性を持っています。各ドライブは、その存続期間中の一定数の書き込みサイクルが保証されています。管理者は、各ドライブに組み込まれているドライブ耐久性メーターを定期的にチェックする必要があります。
重要: CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターの単一ドライブのいずれかで書き込み耐久性インジケーターが 100% に達した場合、CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターはその保証対象の寿命を超えており、交換が必要です。
アダプター上の各ドライブに組み込まれている耐久性インジケーターを読み取るためには、以下のようにします。
- 次のようにして、cxlfstatus からドライブの SCSI sgX ID を見つけます。
- username@hostname:~$ sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfstatus
- ubuntu の [sudo] パスワード:
- CXL フラッシュ・デバイス状況
以下の例のような出力が表示されます。
Found 0601 0000:01:00.0 U78C9.001.RST0013-P1-C7
デバイス SCSI ブロック モード LUN WWID sg2: 1:0:0:0 sdb legacy 60025380025382463300116000000000 sg3: 1:1:0:0 sdc legacy 60025380025382463300116000000000 Found 0601 0002:01:00.0 U78C9.001.RST0013-P1-C6
デバイス SCSI ブロック モード LUN WWID sg4: 2:0:0:0 sdd legacy 60025380025382462300037000000000 sg5: 2:1:0:0 sde legacy 60025380025382462300036000000000 - ドライブの耐久性インジケーターを読み取るには、次のように sg ユーティリティー sg_logs を使用します。
- uusername@hostname:/opt/ibm/capikv/afu$ sudo sg_logs -a /dev/sg2
- ubuntu の [sudo] パスワード:
- IBM SAMSUNG MZ1LV960 301Q
以下の例のような出力が表示されます。サポートされるログ・ページ [0x0]: 0x00 サポートされるログ・ページ 0x0d 温度 0x11 ソリッド・ステート・メディア 0x2f 通知例外 (SMART) 0x19 一般統計とパフォーマンス - 温度ページ [0xd]:
- 現在温度 = 38 °C
- 参照温度 = 84 °C
- ソリッド・ステート・メディア・ページ [0x11]:
- パーセンテージを使用した耐久性インジケーター: 12%
重要: 劣化した NVMe フラッシュ・アダプターの交換は、システム保証期間中は保証されます。保証期間の期限が切れた後は、劣化した CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターの交換には費用が発生し、保守契約ではカバーされません。お客様の責任で対応していただきます。
CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーターへのアクセスの制御
アクセラレーターへのアクセスを制御するには、以下のコマンドを使用してアカウントを使用可能にします。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーターへのアクセスを制御するには、以下の手順を実行します。注: デフォルトでは、IBM Data Engine for NoSQL ソフトウェア・ライブラリーをインストールすると、cxl ユーザーが作成され、cxl システムのメンバーに対するアクセラレーターのボリュームの読み取りおよび書き込みアクセスを制限するために Udev ルールが追加されます。
- アクセラレーターへの読み取りおよび書き込みを実行するにはアカウントを使用可能にし、次のコマンドを入力して cxl にそのアカウントを追加します。
sudo usermod -a -G cxl userid
- アクセラレーターへの読み取りおよび書き込みを実行するにはアカウントを使用可能にし、次のコマンドを入力して cxl にそのアカウントを追加します。
CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーターの状況の表示
各 CAPI NVMe フラッシュ・アクセラレーター・アダプターの論理装置番号 (LUN) の状況を表示するには、このコマンドを使用します。IBM DataEngine for NoSQL ソフトウェアのライブラリーには、アクセラレーターにマップされたボリュームの状況を表示するスクリプトが入っています。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- 各アクセラレーター・アダプターの LUN の状況を表示するには、次のコマンドを入力します。
sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfstatus注:
- ボリュームは、legacy モードまたは superpipe モードのいずれかになります。デフォルト・モードは「legacy」です。
- CAPI Flash block API または arkdb API で利用する場合、ボリュームは superpipe モードである必要があります。
表 1. Coherent Accelerator Interface (CXL) Flash デバイス デバイス SCSI ブロック モード LUN WWID sg9: 33:0:0:0 sdc legacy 60050768218b0818200000000400006e sg10: 33:1:0:0 sdd superpipe 60050768218b0818200000000600006f sg11: 34:0:0:0 sde superpipe 60050768218b08182000000007000070 sg12: 34:1:0:0 sdf superpipe 60050768218b0818200000000300006d 表 1 は、 2 つのアクセラレーターを示しています。それぞれ 2 つのポートを持ち、1 つのボリュームに各ポートの WWPN がマップされています。1 つのボリュームは legacy モードで、他の 3 つのボリュームは superpipe モードです。IBM FlashSystem® の各ボリュームの WWID は、管理の利便性のために表示されます。 この WWID は、IBM FlashSystem GUI または CLI (ibm@power8:~$ sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfstatus) に表示される WWID に一致します。
ボリュームのモードの設定
以下のコマンドを使用してボリュームのモードを設定します。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- ボリュームのモードを設定するには、次のコマンドを入力します。
sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfsetlunmode <LUN> <Mode>
次の例に示すような出力が表示されます。
- ibm@power8:~$ /opt/ibm/capikv/bin/cxlfsetlunmode
- 60050768218b0818200000000400006e 1
- INFO: Adding LUN 60050768218b0818200000000400006e to Super IO table. SUCCESS
- LUN モードは、legacy モードでは 0、superpipe モードでは 1 になります。
- LUN を superpipe モードに設定すると、そのボリュームへのすべてのパスも superpipe モードに設定されます。
- 表 1 に示すように、各ボリュームは legacy モードまたは superpipe モードのいずれかになります。
オペレーティング・システムまたは区画の要件
このアダプターは、使用するシステムに応じて、以下のバージョンのオペレーティング・システムでサポートされます。
- Linux
- Ubuntu 16.04.1 以降
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7.3 以降
- サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- ライブラリーおよびユーティリティーを使用可能にするための最新バージョンは、Fix Centralからダウンロードできる場合があります。