PCIe3 LP CAPI ファイバー・チャネル・フラッシュ・アクセラレーター・アダプター (FC EJ16)
フィーチャー・コード (FC) EJ16 アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。
概説
FC EJ16、EJ17、および EJ18 は電子的には同一ですが、テール・ストック・ブラケットが異なります。
PCIe3 LP CAPI アクセラレーター・アダプター (FC EJ16) は、ショート、ロー・プロファイル、PCI Express (PCIe) 第 3 世代 (Gen3) の x8 アダプターです。このアダプターは、POWER8® プロセッサーのコプロセッサーとして機能し、外部ファイバー・チャネル・フラッシュ・ストレージへの CPU アクセス負荷を軽減するように設計されています。
重要: グラフィックス処理装置 (GPU) アダプターおよび Coherent Accelerator Processor Interface (CAPI) アダプターは、電源を入れたまま取り替えることはできません。
このアダプターは以下のフィーチャーを提供します。
- このアダプターには、直接接続の、外部ストレージへの Point-to-Point 8Gb ファイバー・チャネル・リンクが必要です。
- アダプターには、プログラマブル CAPI ファイバー・チャネル・オフロード・アクセラレーター機能ユニット (AFU) が組み込まれています。
- このアダプターは、プロビジョンされる 1 つ以上の 4096 バイト・セクターの論理装置番号 (LUN) を必要とします。このアダプターおよびその付随ソフトウェア・ライブラリーは、512 バイト・セクターの LUN では機能しません。
- アダプターでは、3.3 V と 12 V の両方の電源が PCIe スロットで使用可能である必要があります。
- アダプターは、機能するようにダイレクト・ホスト・バス PCIe スロットに接続する必要があります。
- システムでは、プロセッサー当たり最大 1 個のアダプターがサポートされます。
図 1. PCIe3 LP CAPI ファイバー・チャネル・フラッシュ・アクセラレーター・アダプター
ソフトウェア要件
FC EJ16 アダプターのソフトウェア要件は以下のとおりです。
- このアダプターには、CAPI Flash を利用するための IBM® Data Engine for NoSQL の追加ソフトウェア・パッケージが必要です。
- ソフトウェア・パッケージおよびアダプター・マイクロコードが、対応するペアとしてインストールされている必要があります。
- ソフトウェア・パッケージは、Fix Central Web サイト で EJ16 フィーチャー・コードを指定してダウンロードできます。
- アダプターの機能はオペレーティング・システムおよびソフトウェア・ライブラリーのバージョンにより異なります。
- 一致しないアダプターのマイクロコードおよびオペレーティング・システムまたはソフトウェア・ライブラリーをインストールすると、ブート時に Linux システム・ログに Back Level AFU のような警告メッセージが表示されることがあります。
- Linux kernel 3.x は仮想 LUN のユース・ケースをサポートします。微細化マルチパス、複数 LUN サポート、および永続ストレージのような CAPI Flash 機能を完全活用するには、Linux カーネル 4.2 以降が必要です。
仕様
- 項目
- 説明
- アダプターの FRU 番号
- 00NK025 (RoHS 指令に適合する設計である)
- I/O バス・アーキテクチャー
- PCIe3 x16
- スロット要件
- PCIe x16 ロー・プロファイル・スロット 1 つ。
- 電圧
- 3.3 V および 12 V
- フォーム・ファクター
- ショート、ロー・プロファイル
- 最大数
スロットの優先順位およびインストール規則について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。
オペレーティング・システムまたは区画の要件
このアダプターは、使用するシステムに応じて、以下のバージョンのオペレーティング・システムでサポートされます。
- Linux
- Linux Ubuntu 14.10、RHEL 7.2 以降。注: 以下のコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。
- サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- Linux Ubuntu 14.10、RHEL 7.2 以降。
IBM FlashSystem ストレージでのホストの作成
IBM FlashSystem
ストレージで、Flash のワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) を使用してホストを作成するには以下のコマンドを使用します。
注: 以下のコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- IBM FlashSystem® ストレージでホストを作成するには、以下の手順を実行します。
- Linux システム・コンソールに root ユーザーとしてログインします。
- すべてのアダプターをリストして、現在の各アクセラレーターのポートに対応する CAPI Flash ワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) を見つけるには、次のコマンドを入力します。
lspci |grep 'IBM Device 04cf'
次の例に示すような出力が表示されます。
- 0000:01:00.0 Processing accelerators: IBM Device 04cf [rev 01]
- 0002:01:00.0 Processing accelerators: IBM Device 04cf [rev 01]
- この出力リストから、該当する ID を使用しているアダプターを左方の列から選択します。リストされた最初のアダプターのワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) を読み取るには、次のコマンドを入力します。
lspci -s 0000.01:00.0 -vv |grep -e V6
次の例に示すような出力が表示されます。
- lspci -s 0000:01:00.0 -vv |grep -e V5 -e V6
- [V5] Vendor specific: 5005076069800230
- [V6] Vendor specific: 5005076069800231
- 出力から WWPN を見つけます。注: 上記の例では、アダプターの WWPN は 5005076069800230 および 5005076069800231 です。
- この WWPN を使用して、IBM FlashSystem GUI またはコマンド行インターフェースで新規ホスト (複数も可) を作成します。
アクセラレーターへのアクセスの制御
アクセラレーターへのアクセスを制御するには、以下のコマンドを使用してアカウントを使用可能にします。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- アクセラレーターへのアクセスを制御するには、以下の手順を実行します。注: デフォルトでは、IBM Data Engine for NoSQL ソフトウェア・ライブラリーをインストールすると、cxl ユーザーが作成され、cxl システムのメンバーに対するアクセラレーターのボリュームの読み取りおよび書き込みアクセスを制限するために Udev ルールが追加されます。
- アクセラレーターへの読み取りおよび書き込みを実行するにはアカウントを使用可能にし、次のコマンドを入力して cxl にそのアカウントを追加します。
sudo usermod -a -G cxl userid
- アクセラレーターへの読み取りおよび書き込みを実行するにはアカウントを使用可能にし、次のコマンドを入力して cxl にそのアカウントを追加します。
アクセラレーターの状況の表示
各アクセラレーター・アダプターの論理装置番号 (LUN) の状況を表示するには以下のコマンドを使用します。IBM DataEngine for NoSQL ソフトウェアのライブラリーには、アクセラレーターにマップされたボリュームの状況を表示するスクリプトが入っています。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- 各アクセラレーター・アダプターの LUN の状況を表示するには、次のコマンドを入力します。
sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfstatus注:
- ボリュームは、legacy モードまたは superpipe モードのいずれかになります。デフォルト・モードは「legacy」です。
- CAPI Flash block API または arkdb API で利用する場合、ボリュームは superpipe モードである必要があります。
表 1. Coherent Accelerator Interface (CXL) Flash デバイス デバイス SCSI ブロック モード LUN WWID sg9: 33:0:0:0 sdc legacy 60050768218b0818200000000400006e sg10: 33:1:0:0 sdd superpipe 60050768218b0818200000000600006f sg11: 34:0:0:0 sde superpipe 60050768218b08182000000007000070 sg12: 34:1:0:0 sdf superpipe 60050768218b0818200000000300006d 表 1 は、 2 つのアクセラレーターを示しています。それぞれ 2 つのポートを持ち、1 つのボリュームに各ポートの WWPN がマップされています。1 つのボリュームは legacy モードで、他の 3 つのボリュームは superpipe モードです。IBM FlashSystem の各ボリュームの WWID は、管理の利便性のために表示されます。 この WWID は、IBM FlashSystem GUI または CLI (ibm@power8:~$ sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfstatus) に表示される WWID に一致します。
ボリュームのモードの設定
以下のコマンドを使用してボリュームのモードを設定します。
注: このセクションのコマンドを実行するには、Linux カーネル 4.2.x 以降が必要です。サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- ボリュームのモードを設定するには、次のコマンドを入力します。
sudo /opt/ibm/capikv/bin/cxlfsetlunmode <LUN> <Mode>
- 注:
次の例に示すような出力が表示されます。
- ibm@power8:~$ /opt/ibm/capikv/bin/cxlfsetlunmode
- 60050768218b0818200000000400006e 1
- INFO: Adding LUN 60050768218b0818200000000400006e to Super IO table. SUCCESS
- LUN モードは、legacy モードでは 0、superpipe モードでは 1 になります。
- LUN を superpipe モードに設定すると、そのボリュームへのすべてのパスも superpipe モードに設定されます。
- 表 1 に示すように、各ボリュームは legacy モードまたは superpipe モードのいずれかになります。