PCIe3 3.2 TB NVMe フラッシュ・アダプター (FC EC56 および EC57; CCIN 58CC)
フィーチャー・コード (FC) EC56 アダプターおよび EC57 アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。
概説
FC EC56 および FC EC57 はどちらも同じアダプターで、フィーチャー・コードが異なります。FC EC56 はロー・プロファイル・アダプターであり、FC EC57 はフルハイト・アダプターです。より小さい容量のアダプターについては、FC EC54 および EC55 を参照してください。
PCIe3 3.2 TB NVMe フラッシュ・アダプターは、PCI Express (PCIe)
第 3 世代 (Gen3) の x4 アダプターです。このアダプターは、システム内の x8 または x16 PCIe Gen3 スロットで使用可能であり、Non-Volatile Memory Express (NVMe) を使用します。NVMe は、フラッシュ・メモリーを読み取り/書き込みできるハイパフォーマンス・ソフトウェア・インターフェースです。SAS または SATA SSD の場合と比較して、NVMe フラッシュ・アダプターでは、1 秒当たりの読み取り/書き込み入出力操作 (IOPS) の回数が多く、スループット (GB/秒) 容量も多くなります。NVMe フラッシュ・アダプターは読み取り集中型であり、書き込み集中度の高いワークロード向けには設計されていません。約 17,000 TB から 35,000 TB をアダプターへ書き込む時に書き込み能力が最大になるように設計されています。
そのワークロードの性質は、最大書き込み容量に大きく影響します。より順次性が高い書き込みが高い割合でランダム書き込みの代わりに使用される場合、最大書き込み容量は、範囲内の大きい方の値に近いものとなります。ランダム書き込みの割合が高い場合、最大書き込み容量は、範囲内の小さい方の値に近いものとなります。アダプターの最大書き込み容量を超えた書き込みは、一定期間継続して機能しますが、速度はかなり遅くなります。システム管理者によって事前障害分析が使用可能にされている場合、そのアダプターを取り替える時期であることが、事前障害分析メッセージにより示されます。保証期間の経過後、最大書き込み能力に達した場合、アダプターの交換は IBM® 保守ではカバーされません。このアダプターは、単一のフラッシュ・チャネルの障害から保護されます。アダプター全体を障害から保護するためには、ソフトウェア RAID を使用する必要があります。アダプターのコンテンツを保護する必要があるハイ・バリュー・アプリケーションには、OS ミラーリングを持つ追加の NVMe フラッシュ・アダプターまたはソフトウェア RAID (Redundant Array of
Independent Disks) が推奨されます。このアダプターは、PCIe Gen3 I/O ドロワーではサポートされません。フルハイト・アダプターの図については、図 1 を参照してください。
重要: NVMe フラッシュ・アダプターを取り外す前に、そのアダプター上、またはそのアダプターが含まれているアレイ上のすべてのデータがバックアップされていることを確認します。アダプターを取り替えた後で、データをリストアします。
図 1. PCIe3 3.2 TB フルハイト NVMe フラッシュ・アダプター (フルハイト)
重要: アダプターのテール・ストックから見えるマイクロ USB コネクターは機能を持っておらず、使用できません。このポートにはどのような種類のケーブルも挿入しないでください。
仕様
- 項目
- 説明
- アダプターの FRU 番号
- 00MH993 (RoHS 指令に適合する設計である)
- I/O バス・アーキテクチャー
- PCIe3 x4
- スロット要件
- アダプターごとに PCIe x8 または x16 スロット 1 つ
- サポートされるシステム
- POWER8® プロセッサー・ベースのシステム
- 8246-41A、8246-42A、8284-21A、8284-22A、8247-42L、8247-21L、および 8247-22L
- 9119-MHE および 9119-MME
- 8335-GCA
- 電圧
- 12 V
- フォーム・ファクター
- ショート、ロー・プロファイル (FC EC56)
- ショート、フルハイトのテール・ストック付き (FC EC57)
- 最大数
- サポートされるアダプターの最大数について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。
- 実現される属性
- 3.2 TB の低遅延フラッシュ・メモリー
- 不揮発性書き込みバッファー
- ホット・プラグ対応
NVMe フラッシュ・アダプターの最大書き込み能力
以下の手順を実行して、NVMe フラッシュ・アダプターの最大書き込み能力が減少していないかどうか確認してください。
- Linux コマンド行でコマンド nvme smart-log /dev/nvmeX を入力してEnter (キー) を押します。ここで、nvmeX は NVMe フラッシュ・アダプターのリソース名です。
- critical_warning (重大な警告) フィールドが 1 (ビット 0 がセット) で、percentage_used (使用率) フィールドが 90% 以上の場合、該当の NVMe フラッシュ・アダプターを取り替えます。
注: 劣化した NVMe フラッシュ・アダプターの交換は、システム保証期間中は保証されます。保証期間の期限が切れた後は、劣化した NVMeフラッシュ・アダプターの交換には費用が発生し、保守契約ではカバーされません。お客様の責任で対応していただきます。
Linux on Power サーバーの保守ツール
ファームウェアの更新、ストレージのフォーマット、およびその他の保守タスクを実行するためのユーティリティーを取得するには、以下の手順を実行してください。
- Service and productivity toolsにアクセスして、保守ツールをダウンロードする手順に従います。
- NVMe management command line interface (CLI) をインストールします。
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) の場合は、yum install nvme-cli と入力します。
- SUSE Linux Enterprise Server (SLES) の場合は、zypper install nvme-cli と入力します。
- NVMe CLI の使用法について詳しくは、README ファイルをお読みください。
オペレーティング・システムまたは区画の要件
新しいフィーチャーを取り付ける場合、必ずその新規フィーチャーのサポートに必要なソフトウェアを準備し、そのフィーチャーおよび接続デバイスについて満たす必要のある前提条件があるかどうかを判別してください。前提条件があるか確認するには、IBM Prerequisite Web サイト を参照してください。
アダプターは、 オペレーティング・システムの以下のバージョンでサポートされます。
- Linux
- Red Hat Enterprise Linux 7.2 ビッグ・エンディアン (PowerVM) 以降
- Red Hat Enterprise Linux 7.2 リトル・エンディアン以降
- Red Hat Enterprise Linux 6.8 以降
- SUSE Linux Enterprise Server 12、Service Pack 2 以降
- SUSE Linux Enterprise Server 11、Service Pack 4 以降
- Ubuntu Server 16.04 以降
- サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
- デバイス・ドライバーまたは iprutils の最新バージョンは、IBM Service and Productivity Tools Web サイト からダウンロードできます。