PCIe2 1.8 GB キャッシュ RAID SAS 3 ポート 6 Gb アダプター (FC 5913、CCIN 57B5)

フィーチャー・コード (FC) 5913 アダプターの仕様およびオペレーティング・システム要件について説明します。

概説

PCI Express (PCIe) 第 2 世代、1.8 GB キャッシュ RAID SAS 3 ポート 6 Gb アダプターは、ハイパフォーマンス機能を提供する大容量キャッシュ PCIe2 SAS アダプターで、mini SAS HD (高密度) コネクターによるシリアル接続 SCSI (SAS) ディスクおよび SAS ソリッド・ステート・ドライブの接続をサポートします。 フィーチャー・コード (FC) 5913 には 1.8 GB の書き込みキャッシュがあります。 このアダプターはペアで取り付ける必要があり、2 つのアダプターをデュアル・コントローラー・モード (デュアル・ストレージ IOA 構成) で使用して、高可用性、マルチイニシエーター RAID 構成で使用する必要があります。2 つの FC 5913 アダプターは、アダプター間のミラー保護書き込みキャッシュ・データおよびミラー保護 RAID パリティー・フットプリントにより、さらにパフォーマンスを向上させ、アダプターの予備を提供します。 FC 5913 のペア化が中断されると、 書き込みキャッシュは使用不可になります。 キャパシター付きの内蔵フラッシュ・メモリーは、電源障害の場合に書き込みキャッシュを保護します。以前の大容量キャッシュ・アダプターで使用されていたバッテリーは必要ありません。

キャッシュ・データのミラーリングおよびパリティー・アップデート・フットプリントのために 2 ペアのフィーチャー 5913 アダプター間で最高の処理能力を提供するには、最大デバイス数量アタッチメントが必要となるまで、3 番目のアダプター・ポートにデフォルトで SAS アダプター間 (AA) ケーブルが必要です。 3 つのコネクターがすべて SAS ドライブに接続されている場合、アダプター・ペア間の通信は、I/O ドロワーおよびケーブル接続を介した SAS ファブリックによって行われます。

FC 5913 は、シングル幅、フルハイトのショート アダプターです。

すべての FC 5913 は、このサーバーと、SAS RAID アダプターとペアになっているもう 1 つのサーバーに別の 6 Gbps SAS RAID アダプター (FC 5913) を必要とし、オンボード・キャッシュが機能するようにします。 FC 5913 アダプターを示す 図 1 を参照してください。

AIX® または Linux オペレーティング・システムを実行するシステムは、5913 フィーチャーを両方とも同じシステムまたは区画に備える構成と、2 つの別個のシステムまたは区画に備える構成のいずれかをサポートします。 IBM® i オペレーティング・システムを実行するシステムでは、異なるサーバーまたは異なる区画でのアダプターのペア化はサポートされないので、5913 フィーチャーは両方とも、同じシステムおよび区画に取り付ける必要があります。

スロットの優先順位およびインストール規則について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。

仕様

項目
説明
アダプターの FRU 番号
00J0596 (RoHS 指令に適合する設計である)
I/O バス・アーキテクチャー
PCIe2.0 x8
スロット要件
アダプターごとに PCIe x8 スロット 1 つ。
アダプターは 2 つ 1 組で使用されます。
可用性を高めるために、可能であればアダプターをそれぞれ別個のエンクロージャーに配置してください。
ケーブル
拡張ドロワーへの接続用に、HD コネクター付きの特定の X、YO、AA、または AT の SAS ケーブルが使用されます。
SAS デバイス接続には、付加されるサブシステムやデバイスのフィーチャーと共に提供される特別なケーブルが必要になります。 マルチイニシエーター構成および高可用性構成には、 特別なケーブル配線が必要です
電圧
3.3 V
フォーム・ファクター
ショート、フルハイト
最大数
サポートされるアダプターの最大数について詳しくは、PCIe アダプターのインストールの規則とスロットの優先順位 を参照し、作業中のシステムを選択してください。
実現される属性
  • FC 5887 EXP24S ドロワー内にある SAS ドライブを接続するための、3 個の mini-SAS 高密度 (HD) コネクターを提供します。最大 3 個の EXP24S を、同じ FC 5913 ペアに接続できます。
  • (接続されているエンクロージャーのタイプによって) 最大 72 のハード・ディスクまたは最大 24 の SSD、あるいはその両方の組み合わせ (エンクロージャーごとにそれぞれ固有のインストールの規則がある) をサポートします。
  • このアダプター・ペアの最上部の mini-SAS HD ポートには AA ケーブルが必要です。 FC 3689、0.6 m AT SAS ケーブルのペアを使用して、FC 5913 アダプター・ペアを SAS コネクターに接続します。FC 5887 EXP24S は、FC 5913 ペアのもう一方のポートに接続できます。
  • アダプター間のミラー保護書き込みキャッシュ・データおよびミラー保護 RAID パリティー・フットプリント用に、よりパフォーマンスの高いパスを提供するために、HD コネクター付きの AA SAS ケーブルを FC 5913 ペアに接続します。これは、EXP24S ドロワーの接続に 3 つすべてのポートが使用されていない限り必要です。
    注: ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) は上部のポート (T2) で使用できません。
  • SAS Serial SCSI Protocol (SSP) および Serial Management Protocol (SMP) のサポート。
  • ホット・スペア機能を備えた RAID 0、RAID 5、RAID 6、および RAID 10 を提供します。 オペレーティング・システムによるシステム・レベルのミラーリングもサポートされます。 必要に応じた新規デバイスでの 528 バイトへの初期フォーマットの場合を除き、JBOD 機能 (512 バイト) はサポートされません。
  • FC 5913 アダプターの単一のペアを、モード 2 で構成される FC 5887 EXP24S ドロワーの 2 つに別れた部分の両方に接続することはサポートされていません。

次の図はアダプターを示しています。

図 1. 5913 アダプター
5913 アダプターの図

オペレーティング・システムまたは区画の要件

このアダプターは、使用するシステムに応じて、以下のバージョンのオペレーティング・システムでサポートされます。
  • AIX
    • AIX 7.1 以降
    • AIX 6.1 (テクノロジー・レベル 7 以降適用)
    • AIX バージョン 5.3 (テクノロジー・レベル 12 以降適用)
  • Linux
    • Red Hat Enterprise Linux バージョン 7 以降 (Red Hat から利用可能な現行のメンテナンス・アップデートを適用)
    • Red Hat Enterprise Linux バージョン 6.1 以降
    • SUSE Linux Enterprise Server 11 (Service Pack 2) 以降 (SUSE から利用可能な現行のメンテナンス・アップデートを適用)
    • SUSE Linux Enterprise Server 10 (Service Pack 4 以降適用)
    • サポートの詳細については、LinuxAlert Web サイト を参照してください。
  • IBM i
    • IBM i バージョン 7.2 以降
    • IBM i バージョン 7.1 以降
  • VIOS
    • VIOS でのサポートには、VIOS 2.2.0.12-FP24 SP02 以降が必要です。

その他の重要なアダプター取り付けの必要条件

  • 新規または既存の FC 5887 を FC 5913 アダプターに接続する場合は、FC 5913 アダプターに接続する前に、最新の System Enclosure Services (SES) コードが FC 5887 に適用されていることを確認してください。「IBM Prerequisites」の Web サイトを参照してください。
  • 既存の以前の SAS アダプターから既存の SAS ディスク・エンクロージャーをマイグレーションする場合は、新規の FC 5913 アダプターで使用するために、自動セクター変換が行われます。マイグレーション手順については、POWER7® IBM Knowledge Center の『アダプターのアップグレード』を参照してください。



最終更新: 2017 年 7 月