データベース・スキーマとは

企業の役員会議室で複数のメンティーにプロジェクトについて集中して説明している1人のメンター

データベース・スキーマとは

データベース・スキーマは、リレーショナル・データベース内でデータがどのように編成されるのかを定義します。それには、テーブル名、フィールド、データ・タイプ、およびこれらのエンティティー間の関係などの、論理制約が含まれます。

スキーマは通常、データベースのアーキテクチャーを伝えるために視覚的な表現を使用し、組織のデータ管理統制の基盤となります。データベース・スキーマ設計に関するこのプロセスは、データ・モデリングとも呼ばれています。

これらのデータ・モデルは、データベース・ユーザー、データベース管理者、プログラマーなど、さまざまな役割を果たします。例えば、データベース管理者が正規化プロセスを管理して、データの重複を回避するのに役立ちます。あるいは、アナリストがこれらのデータ構造をナビゲートし、レポート作成やその他の価値あるビジネス分析を実施できるようにすることもできます。これらの図は、データベース管理システム(DBMS)内の貴重な資料として機能し、さまざまな利害関係者間の確実な連携を可能にします。

データベース・スキーマとデータベース・インスタンスの比較

データベース・スキーマは、データが他のテーブルや他のデータ・モデルとどのように関連する可能性があるのかを説明する、データベースの「青写真」と考えられています。ただし、実際にはスキーマにデータは含まれていません。

ある時点に得られたデータベースからのデータのサンプルは、データベース・インスタンスと呼ばれます。これには、スキーマがデータ値として記述するすべてのプロパティーが含まれます。データベース・インスタンスは、データベース・スキーマとは異なり、特定の時点のスナップショットに過ぎないため、時間の経過とともに変化する可能性があります。

ニュースレターを表示しているスマホの画面

The DX Leaders

「The DX Leaders」は日本語でお届けするニュースレターです。AI活用のグローバル・トレンドや日本の市場動向を踏まえたDX、生成AIの最新情報を毎月お届けします。

データベース・スキーマのタイプ

スキーマという用語は広く使用されていますが、一般的には3つの異なるスキーマ・タイプ(概念データベース・スキーマ、論理データベース・スキーマ、物理データベース・スキーマ)を指します。

  • 概念スキーマは、システムに含まれる内容、システムが編成される方法、および関与するビジネス・ルールについて、全体像を提供します。概念モデルは通常、プロジェクトの初期要件を収集するプロセスの一環として作成されます。
  • 論理データベース・スキーマは、概念スキーマと比べて抽象性が低くなります。データベースを管理するすべてのルール(テーブル名、フィールド名、エンティティー関係、整合性制約など)の情報を使用して、スキーマ・オブジェクトを明確に定義します。ただし通常は、技術要件は含まれません。
  • 物理データベース・スキーマは、テーブル名、フィールド名、エンティティー関係などのコンテキスト情報に加えて、論理データベース・スキーマ・タイプに欠けている技術情報を提供します。つまり、ディスク・ストレージ内でこれらのデータ構造を作成するために使用される構文も含まれます。

スター・スキーマとスノーフレーク・スキーマの比較

論理スキーマと物理スキーマの両方において、データベース・テーブルにはプライマリー・キーまたは外部キーがあり、これらはテーブルに個々に入力する際の固有のIDとして機能します。これらのキーがSQLステートメントで使用され、複数のテーブルが結合することにより、情報の統一されたビューが作成されます。スキーマ図は、これらのテーブル間の関係を示す点で非常に役立ち、それによってアナリストは結合すべきキーを把握することができます。リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)のコンテキストでも一般的に参照される、さらに2つのスキーマ・タイプがあります。それはスター・スキーマとスノーフレーク・スキーマです。

概念、論理、物理の各スキーマには、それぞれの図にデータベースに関するさまざまなレベルの情報が含まれています。一方でスターとスノーフレークの各スキーマは、エンティティ―間のこれらの関係を異なる方法で表します。具体的に言うと、スター・スキーマとは、ディメンション・テーブルに囲まれた単一の一元的なファクト・テーブルで構成されるリレーショナル・データベース・スキーマのタイプです。これは、スノーフレーク・スキーマよりもシンプルであると見なされる傾向があります。

スノーフレーク・スキーマは、多数のディメンション・テーブルに接続された1つのファクト・テーブルで構成され、それらのディメンション・テーブルは、多対1の関係を通じて、他のディメンション・テーブルに接続することができます。このスキーマには、データの冗長性のレベルが低いという利点がありますが、クエリーのパフォーマンスの点からみると効果的とは言えません。

その名前が示すとおり、スター・スキーマは星のように見え、スノーフレーク・スキーマは雪片に似ています。

オフィスでミーティングをするビジネスチーム

IBMお客様事例

お客様のビジネス課題(顧客満足度の向上、営業力強化、コスト削減、業務改善、セキュリティー強化、システム運用管理の改善、グローバル展開、社会貢献など)を解決した多岐にわたる事例のご紹介です。

データベース・スキーマのメリット

ビッグデータの増大に伴い、企業における日常業務の効率性を確保するために、データベース・オブジェクトとデータベース・スキーマが非常に重要となっています。リレーショナル・モデルの編成と文書化が不十分な場合、そうしたモデルの維持は難しくなり、エンド・ユーザーと企業の双方に問題を引き起こします。

データベース・スキーマの主要なメリットとして以下の点が挙げられます。

  • アクセス権とセキュリティー:データベース・スキーマの設計は、データを個別のエンティティーに編成する際に役立ち、別のデータベース内での単一スキーマの共有をより簡単にします。管理者はまた、データベース許可を通じてアクセスを制御し、さらに多くの専有データのセキュリティーを強化できます。例えば、ある1つのスキーマに、プライバシーとセキュリティーのために暗号化したいと思う個人情報(PII)が含まれている場合などです。
  • 組織化とコミュニケーション:データベース・スキーマを文書化することで、内部の利害関係者間の組織化が強化され、コミュニケーションが向上します。共通の信頼できる情報源が提供されるため、ユーザーはテーブル間の論理的制約と集約手法を把握できるようになります。
  • 整合性:こうした組織化とコミュニケーションは、データの妥当性の確保にも役立ちます。例えば、管理者が正規化プロセスを管理してデータの重複を回避するのに役立ちます。また、スキーマのデータベース設計における制約の準拠性の監視にも役立ち、ACID特性(原子性、一貫性、独立性、耐久性)への準拠を可能にします。
関連ソリューション
データベース・ソフトウェアとソリューション

IBMのデータベース・ソリューションを活用して、ハイブリッドクラウド全体のさまざまなワークロードのニーズに対応しましょう。

データベース・ソリューションの詳細はこちら
IBM Db2を使用したクラウドネイティブ・データベース

構造化データの保管と管理に高性能で拡張性と信頼性を備えたリレーショナル・データベースであるIBM Db2をご覧ください。IBM Cloud上でSaaSとして、もしくはセルフホスティングとしてご利用いただけます。

Db2の詳細はこちら
データ分析コンサルティングサービス

IBMコンサルティングと連携することで、企業データの価値を引き出し、ビジネス上の優位性をもたらす洞察を活用した組織を構築します。

分析サービスを発見する
次のステップ

IBMのデータベース・ソリューションを活用して、ハイブリッドクラウド全体のさまざまなワークロードのニーズに対応しましょう。

データベース・ソリューションの詳細はこちら IBM Db2の詳細はこちら