コンプライアンス監視とは
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コンプライアンス監視とは

コンプライアンス監視とは、社内ポリシーや特定の業界標準などの規制要件を組織が遵守しているかどうかを継続的に評価することです。その目標は、組織が規制を一貫して遵守できるようにし、コンプライアンス違反の領域が生じるのを回避することです。

コンプライアンス監視は多くの場合、組織のコンプライアンス管理システムや包括的なサイバーセキュリティー体制の中で重要な部分と見なされています。コンプライアンス要件に違反すると、罰金、事業中断、さらにはデータ侵害のリスクの増大など、重大な結果を招く可能性があるためです。

現在では、米国と英国のほとんどの規制当局が何らかの形でコンプライアンス監視を義務付けています。例えば英国金融行為規制機構(ibm.com外部へのリンク)は、金融市場に携わる企業としての承認を得るためにはコンプライアンス監視計画を策定する必要があると定めています。

今のところ、コンプライアンス監視に関して決定的な基準はなく、各組織が独自のコンプライアンス監視プログラムを導入する責任を負っています。監視を内部で行う組織の場合は、独自の社内ポリシーとツールを使用して、その組織自体が責任を持ってコンプライアンスのリスクを監視します。一方で、監視のプロセスをサード・パーティーのプロバイダーにアウトソーシングする組織もあります。

多くの組織が認識しているように、ダッシュボード、コンプライアンス・ソフトウェア、高度なオートメーションを取り入れたマネージド・セキュリティー・ソリューションやプラットフォームを使用すると、コンプライアンス管理のプロセスを効率化し、監視を強化できるほか、修復を迅速化できます。

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コンプライアンス監視の重要性

コンプライアンス監視の重要性を理解するために、規制を巡る現在の状況を考えてみましょう。世界中で、政府、通商当局、業界標準化団体、さらには個別企業がコンプライアンス要件を策定しています。複雑に入り組んだこれらの要件は、それぞれの管轄区域や業界で事業を営むあらゆる企業に適用されます。企業の所在地は問いません。

コンプライアンス要件に違反すると、多額の罰金や法的問題につながる可能性が大いにあります。例えば2023年5月、アイルランドのデータ保護当局は、カリフォルニアに本社を置くMeta社のGDPR違反(ibm.com外部へのリンク)に対して、13億米ドルの罰金を科しました。

また、上級管理職やその他の個人はそれぞれの規制責任を負っています。例えば、企業の不正行為を防止することを目的とした米国の法律であるサーベンス・オクスリー法(SOX法)は、不正確な財務報告を承認した経営幹部に最高100万米ドルの罰金と最高10年の懲役を科すと規定しています。

要するに、コンプライアンスは複雑です。その複雑さゆえに、企業は日常業務の中でコンプライアンス要件に誤って違反する可能性があります。新しい地域に進出するときにコンプライアンス要件の微妙な違いを十分に理解していない場合や、データ・プライバシー・ポリシーを顧客に開示するよう義務付けるデータ保護法の改正を見落とす場合が考えられます。

コンプライアンス監視は、組織がこれらのリスクに対処し、規制状況の変化を常に把握しておくのに役立ちます。時間と費用を節約し、違反をリアルタイムで発見して、大きな問題に発展するのを防ぐことができます。また、組織の効率も向上し、規制報告の複雑なプロセスを合理化できます。

セキュリティーの観点でも、コンプライアンス監視はリスク管理の強化や組織の透明性向上につながります。データ・プライバシーやデータ侵害の可能性に対する顧客の懸念が高まる中、こうしたメリットはますます重要になっています。規制遵守を維持することで、組織は自らを守るだけでなく、利害関係者からの信頼と信用を獲得できます。

 

コンプライアンス監視計画の作成方法

効果的なコンプライアンス監視のためには、さまざまな利害関係者、ポリシー、ビジネス・プロセスを対象とする包括的なアプローチが必要です。

コンプライアンス監視計画を作成する際に考慮すべき一般的な手順は次のとおりです。

コンプライアンスのリスク・アセスメントの実施

コンプライアンスのリスク・アセスメントは、コンプライアンス違反が起こり得る領域を組織が特定し、それぞれに関連するリスクを評価するのに役立ちます。

組織は各リスクに優先順位を付け、最も重大な脅威となる領域にリソースを割り当てることができます。例えば、医療業界のHIPAAや金融サービス業界のPCIなど、業界ごとに独自の基準があります。

コンプライアンス・ポリシーの策定

コンプライアンスのリスクや問題を特定したら、次のステップはコンプライアンス・ポリシーの確立です。このポリシーではコンプライアンスの手順を明確に定め、社内の全員に適切に伝達する必要があります。

効果的なコンプライアンス監視のためにはコンプライアンス・ポリシーが重要であることを頭に入れておいてください。コンプライアンス・ポリシーでは、コンプライアンスや正当な行動に関する組織のルールを定めます。一方、コンプライアンス監視では、そのルールが一貫して遵守されているかどうかをチェックします。

従業員のトレーニング

コンプライアンスはコンプライアンス・チームだけの責任ではないことを忘れてはいけません。効果的なコンプライアンス監視のためには、組織全体のさまざまな部門と個人が関与する必要があります。

従業員のトレーニングは、組織のコンプライアンスを維持するうえで従業員が果たす役割を一人ひとりが理解するのに役立ちます。トレーニングは定期的に実施し、関連するすべての従業員が参加する必要があります。その対象には経営陣も含まれます。経営陣は、組織全体の方向性を定め、規制遵守の文化を醸成する最終的な責任があるからです。

監視とテストの戦略の確立

組織は定期的にテストを実施して、コンプライアンス監視プログラムが脆弱性の発見や迅速な修復に効果的であることを確認する必要があります。

SIEMのようなコンプライアンス管理ソフトウェアなど、テクノロジーを活用したソリューションは、継続的な監視を行うことでテスト・プロセスの自動化に役立ちます。SIEMはデータをリアルタイムで継続的に収集・分析し、コンプライアンス違反の領域を探ります。

是正措置と修復計画の実施

組織はコンプライアンス違反の領域を特定した場合、直ちに是正措置を講じ、修復計画を実施して問題の解決と再発防止を図る必要があります。

是正措置としては、社内ポリシーの改正、従業員トレーニングの改善、社内ワークフローの再検討、より優れたコンプライアンス・ソリューションへの投資などが挙げられます。

またコンプライアンス・チームは、今後他のチームが是正措置を一貫して効果的に実施できるよう、是正措置を追跡して文書化することも検討する必要があります。

最新情報を入手

コンプライアンス・ポリシーとコンプライアンス監視計画は、規制の改正や事業運営の変化、技術の進歩を反映できるよう、定期的な見直しと更新が必要です。

コンプライアンスは常に変化する目標です。コンプライアンスのリスクや規制要件の変化に対応するために、最新の堅牢なコンプライアンス監視プログラムを俊敏に取り入れていく必要があります。

内部監査

組織によっては、リスク・アセスメントに加えて内部監査を行うことを選択する場合もあります。コンプライアンス・オフィサーやコンプライアンス・チームが実施することが多いコンプライアンス監査とは違って、内部監査は通常、外部企業または組織の内部監査部門が実施し、完全に独立しています。

内部監査はこの独立性のおかげで、特に大規模な組織に一層の厳格さ、そしてさらなる抑制と均衡をもたらすことができるのです。また、内部監査はコンプライアンス活動の履歴としても機能します。場合によっては、規制当局の監査で提示して、説明責任を果たすこともできます。

コンプライアンス監視の課題

コンプライアンス監視は、人手による工程と自動化されたシステムの両方を使用する動的なプロセスであり、多くの場合は監査とアセスメントが含まれます。

効果的なコンプライアンス監視システムの導入には多くのメリットがある一方で、課題が伴う場合があります。

その例としては、以下があります。

  • リソースの不足:コンプライアンス監視は非常に多くの金銭的、人的、技術的リソースを必要とします。規模の小さい企業ではコンプライアンス監視に十分なリソースを割り当てるのが難しい場合があるので、規制要件へのコンプライアンスを維持することは簡単ではありません。

  • 規制の複雑さ:規制への遵守を続ける中で混乱が生じ、手に負えなくなることがあります。コンプライアンス監視では、企業は多くの場合、複数の地域の複雑な要件と基準を理解し、遵守する必要があります。これは特に、規制が異なる複数の環境で事業を展開する多国籍企業で必要です。

  • 手作業のプロセス:コンプライアンス監視は時間がかかる場合があります。従来のコンプライアンス管理プロセスは手作業に大きく依存しているため複雑になり、エラーや誤りが増えます。その結果、コンプライアンス要件の見落とし、規制違反、事業中断につながります。

  • 説明責任の欠如:コンプライアンス監視は個人レベルでも組織レベルでも高度な説明責任が求められます。従業員はコンプライアンスの重要性を理解し、自らの行動に責任を持つ必要があります。リーダーはコンプライアンスを重視し、コンプライアンス・ポリシーに絶えず言及する必要があります。

  • 統合の複雑さ:効果的なコンプライアンス監視プログラムを実施するには、コンプライアンス管理ソフトウェア、データ分析ソフトウェア、レポート・ツール、データウェアハウスなど、複数のビジネス・システムからデータを組み合わせなければなりません。これらのテクノロジーを完全に統合することは簡単ではなく、データの精度や重複、コンプライアンス・ギャップの問題が生じる可能性があります。

社内、サード・パーティー、ハイブリッドのコンプライアンス・ソリューションを比較

コンプライアンス・ソリューションの形態としては、社内、サード・パーティー、ハイブリッドのアプローチが特に一般的です。

社内

社内でのコンプライアンス監視、すなわち内部監視では、組織はコンプライアンスの取り組みに高度な制御とカスタマイズを適用できます。自社のビジネス・ニーズに合わせてカスタマイズしたシステムを開発し、データ・セキュリティーを直接制御できます。

コンプライアンス監視システムの構築には初期費用がかかるものの、導入後の継続費用は抑えられる可能性があります。とはいえ、組織は内部監視と専門知識の構築に投資する必要があり、多大なリソースを投入することになり得ます。

サード・パーティー

サード・パーティーのコンプライアンス監視ソリューションでは、組織は外部の専門知識を活用できます。こうしたプロバイダーは、規制や業界標準の変化を常に把握し、最新のコンプライアンス・レポートを頻繁に提供しています。

サード・パーティーのコンプライアンス・ソリューションは拡張性にも優れていることが多く、さまざまな規模の企業に適しています。こうしたプロバイダーは多くの場合、ダッシュボードと継続的監視を通じて、組織がコンプライアンスの状況をリアルタイムで把握できるようにしています。組織はこのようなリアルタイムの可視化を通じて、コンプライアンス違反を迅速に特定して対処できることから、説明責任を果たす能力が高まります。

加えて、コンプライアンス監視をアウトソーシングすることで社内のリソースが解放され、組織はコア業務に集中できるようになります。

セキュリティー情報およびイベント管理(SIEM)のマネージド・サービスは、コンプライアンス管理ソフトウェアの一般的な提供形態のひとつです。このようなサービスでは、上で示したメリットの多くに加えて、企業がサイバーセキュリティーの専門家から助言を得られることがよくあります。こうした専門家は、脆弱性やコンプライアンス・リスクの監視、軽減、対応に精通しています。

ハイブリッド

組織によってはハイブリッドのアプローチを選択する場合もあります。コンプライアンス・ソフトウェアなどのサード・パーティー・ツールと社内の専門知識を組み合わせて、ニーズに合ったバランスを実現します。

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