ボストンで開催された本年度のIBM Thinkコンファレンスでは、DevOpsの意思決定者が集まり、2026年のITにおける厳しい現実に向き合いました。彼らにとってAIは単なる一つの分野ではなく、まさに本業です。
過去10年間で、DevOpsは進化し、これまで以上にきめ細かく詳細なオブザーバビリティーのプロセスが組み込まれるようになりました。これらのツールが収集するデータの豊富さと量を考慮すると、データ全体を理解し、データから得られる洞察に基づいて行動するための強力な自動化ソリューションが必要となります。
しかし、AI搭載のオブザーバビリティー・ツールはそのプロセスを加速する一方で、複雑さ、コスト、運用リスクも増大させます。
Thinkにて、 IBMのDevOpsリーダーらは、ますます複雑化する環境において混乱を打破し、行動を調整するための新しいツールを紹介しました。
IBMのCEO(最高経営責任者)であるArvind Krishna氏は、「基盤が正しくなければモデルに意味はない」と火曜日の基調講演で述べました。進化し続けるAI搭載のDevOpsパイプラインは、このIT基盤を強固に保つためのものです。重要ポイントは以下のとおりです。
IBMのソフトウェア担当シニア・バイス・プレジデントであるDinesh Nirmal氏は、「生成AIのおかげで、今後5年間に10億の新しいアプリケーションが企業に導入されるだろう」と火曜日の基調講演で述べ、「コンテナ化されたあらゆるアプリケーションは、数十億ものエージェントによって管理される、数百から数千規模のマイクロサービスで構成されるようになるだろう」と付け加えました。
「それらのエージェントを管理するための制御プレーンをどのように設定するのか?エージェント間の通信はどのようなもので、誰がエージェントにアクセスできるのか?エージェントはどのような種類のデータにアクセスするのか?」
同日、IBMのオートメーション担当するリーダーらは、エージェント型ITシステムを監視・制御するための新しいモデルについて議論しました。その議論において焦点となったのは、信号の規模と速度が人間の応答を上回っているという単純な真実です。IBM Concertプラットフォームは、アプリケーション、インフラストラクチャー、ネットワーク、およびセキュリティにわたって共通の運用基盤を提供し、膨大な量のデータを継続的に更新される情報源に変換して、アプリケーション、インフラストラクチャー、およびそれらの関係に適用します。
Concertは、IBM Instana、Turbonomic、CloudPak for AIOpsなど、IBMの一連の機能を統合し、既存のツールの代わりに使用するのではなく、既存のツールと連携させることで、目まぐるしく複雑化するAI搭載のビジネス環境に対する俯瞰的な視点を提供します。
今週発表された別のDevOpsツール、Infragraph搭載のHCP Terraformは、リアルタイムでのデータの可視化を通じてConcertをさらに強力します。
Infragraphは、ハイブリッドクラウド環境におけるインフラストラクチャー、アプリケーション、データ、セキュリティーに関する情報を企業に提供するリアルタイムのグラフ・データベースです。ConcertとInfragraph搭載のHCP Terraformを併用すると、Concertによるインサイトは、インフラストラクチャーの現状およびコンポーネント間の関係性を反映する、継続的に更新されたリソース・グラフに基づくものになります。
「オペレーションを大規模に行うこと、それが重要なのです」と火曜日の講演で連携する2つのツールを実演しながら、Nirmal氏は語りました。「Infragraphを使用してそれを可視化し、そのデータをConcertに取り込み、理解し、決定し、行動に移すことができます。」
もちろん、複雑さが増すにつれて、セキュリティーに求められる水準も高まります。さらに、IBM Concertチームは、エージェント型IT環境におけるエクスポージャーを継続的に特定することを目的とした新製品も発表しました。IBM Concert ProtectとSecure Coderにより、IBMは、継続的なエクスポージャー管理を開発者のワークフローに直接拡張し、すべての環境にわたりエクスポージャーを検出し、リスク・スコアリングで脅威を評価し、自動化されたワークフローでそれらの脅威を修復し、そのデータから学習してプラットフォーム自体を改善するという単純なプロセスを実現します。
また、IBMのエキスパートは、エージェント型AIを活用したフルスタックのオブザーバビリティー・ツールであるInstana(現在はConcert ObserveとしてConcertに統合されている)が、複雑さとスケールという新たな課題にどのようにして取り組むことができるかを実証しました。Instanaの製品管理ディレクターであるJacob Yackenovich氏は、IBM InstanaがAIコンポーネントの自動検出とハイブリッド・スタック全体の可視性を実現しており、これは組織が事後対応型のトラブルシューティングから管理されたAI駆動型オペレーションへと移行するプロセスにおいて役立つことを、火曜日に発表しました。
ただし、オブザーバビリティーは非常に重要であるものの、エージェント・システムでは、その複雑さをリアルタイムで追跡するために、より広範な監視およびオペレーションが必要になります。水曜日の午後、InstanaのYackenovich氏とMarriott社とHonda社のリーダーらは、プロビジョニングのためのAnsibleやネットワーク・オペレーションの自動化のためのConcertといったツールとInstanaのプラットフォームを組み合わせることで、開発者がいかに「オートメーションの統合基盤」を構築できるかついて議論しました。
連携して機能するDevOpsツールの基盤を構築することで、ITチームは単一のポリシー主導型システムを通じ、ハイブリッド環境全体で決定論的、イベント駆動型、およびエージェント型ワークフローを調整し、適切なタイミングと適切なアクセスによるAIシステムの動作を実現できます。
2026年、スタックを席巻するAIシステムとエージェントの勢いに対応するために、連携・統合された包括的なDevOpsプロセスを企業は必要としています。今年のThinkでは、その緊急性が何よりも明確でした。また、その課題に対処するために設計されたいくつかのIBMツールも紹介されました。
「企業への人間によるアクセス1件につき、120件の非人間アクセスが発生するだろう」と、ソフトウェア担当シニア・バイス・プレジデントのNirmal氏は火曜日に述べました。
「どうやって特権アクセスを付与するのか?どのようなIAM(IDおよびアクセス管理)戦略を採用するのか。どのようにポリシー管理を行うのか。これが、AI運用モデルが必要な理由であり、今後5年間で企業が直面するであろう課題です。」
「AIオペレーティング・モデルなくして、この世界で生き残ることはできません」
AIとオートメーションの力を活用することで、問題がアプリケーションスタック全体でプロアクティブに解決します。
クラウドとオンプレミスの環境全体で一貫したポリシー主導のワークフローにより、インフラストラクチャーのプロビジョニングと管理を自動化します。
DevOpsソフトウェアとツールを使用して、複数のデバイスや環境でクラウドネイティブ・アプリを構築、デプロイ、管理します。