今日のハイブリッドクラウド世界における神話と真実

29 Mar 2023

IBMのハイブリッドクラウド環境における IBM zSystems の重要な役割とは

IT業界の関係者が「メインフレームからの脱却」について話したり、永続的なIBM zSystemsプラットフォームがビジネスにとって差別化された価値を提供し続けるのかどうか疑問視されていることがあります。パブリッククラウド、エッジ・ソリューション、分散型テクノロジーはすべて、ハイブリッドクラウド環境の一部として重要な役割を果たします。しかし一方で、IBM zSystemsも、ビジネス・クリティカルなワークロードに必要なパフォーマンス、レジリエンス、セキュリティー、持続可能性、および効率性を提供するため、多くの大規模エンタープライズIT環境に不可欠であり、IBMの自社環境にも間違いなく必要不可欠となっています。

このブログでは、いくつかのメインフレームにおける神話を払拭し、IBMのハイブリッドクラウド環境において、IBM zSystemsが現在および将来にわたって果たす重要な役割を明らかにします。

神話1:メインフレームは、もはやIBM自身のエンタープライズITポートフォリオや戦略の中核ではない

真実:IBM zSystemsプラットフォームは、ハイブリッドクラウド戦略において中心的な役割を担っており、IBMは今日、このプラットフォームの大規模なユーザーとなっています。これは、IBMがzSystemsを製造・販売しているからというだけでなく、業務に最適なプラットフォームであるからです。IBMは、IBM zSystems上にある少なくとも1つのコンポーネントで600近くのアプリケーションを実行しており、その中には財務的に重要なアプリケーションの65%以上が含まれています。重要な見積もり、財務、人事アプリケーションは、z/OS、z/VM、Linux on zSystemsで稼働しています。これには、IBMの統合基幹業務システム(iERP)ソリューション、グローバル・クレジット・システム、会計情報ウェアハウス、グローバル・ロジスティクス・システム、共通元帳システムなどが含まれます。

神話2:メインフレームは高価である

真実:IBM zSystems上で動作するアプリケーションの総所有コスト(TCO)は、プラットフォームの高稼働率、長寿命、上位互換性を考えると、他のプラットフォームに移行するよりも低減することができます。テクノロジー・ビジネス・マネジメント(TBM)アプローチを用いて、IBMは、zSystems上で動作するアプリケーションが、最新の運用環境において、より低いTCO、より優れたパフォーマンス、より優れたセキュリティーを実現できることを積極的に示しています。また、多くのお客様が経験しているように、IBM zSystems上の既存のキャパシティーを使用することで、パブリッククラウドの費用を削減することもできます。さらに、「インテリジェント・ワークロード・プレースメント」と組み合わせて、コンテナ化されたアプリケーションのワークロードをアーキテクチャー間で移動させ、パフォーマンス、持続可能性、コストを最適化するのです。これこそ、最新の効率的なハイブリッドクラウドの真髄です。

神話3:最新のアプリケーションはメインフレームでは動かない

真実:最新のアプリケーションは、IBM zSystems上で安全に、コスト効率よく、エネルギー効率よく実行されます。IBM zSystems上の Red Hat OpenShiftとRed Hat Enterprise Linuxは、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)パイプラインInfrastructure as Codeとともに、アジャイル開発者のスキルセットを活用する魅力的で最新の環境となっています。

神話4:「クラウド」が目的地なら、メインフレームからアプリケーションを移すべき

真実:いいえ。ハイブリッドクラウド環境の一部として、アプリケーション・ワークロードは、持続可能性、パフォーマンス、俊敏性、信頼性、コストなどのバランスを考慮した運用要件に最適な場所に配置する必要があります。Infrastructure as Code、アプリケーションのダウンタイムがない透過的なオペレーティング・システムのパッチ、セキュリティーの強化、信頼性の向上、環境への影響の低減は、IBM zSystemsが優れている部分のほんの一部です。これにIBM zSystems上のアプリケーションのCI/CDパイプラインを加えると、他のクラウド・アーキテクチャーで行われていることとよく似ているのです。

神話5:メインフレームを使うには、専門的で時代遅れのスキルが必要だ

真実:最新のツールは、一部のビジネス・アプリケーションでまだ使用されているレガシー・テクノロジーをサポートするための専門スキルの必要性を低減します。実際、Python、YAML、Java、Kubernetes、Ansibleといった最新のテクノロジーやツールは、すべてIBM zSystems 上で動作します。共通の開発アプローチでIBM zSystemsのパワーを十分に活用できるようにするために、私たちのチーム(および業界)全体でこれらのスキルが必要とされています。これらの最新のスキルと、プラットフォームの業界をリードする機能を組み合わせることで、最新のハイブリッドクラウド運用環境の主要なコンポーネントに期待されるすべての利点を得ることができます。

神話6:メインフレームは古い

真実:2023年のフェラーリを古いと思いますか?そうは思わないでしょう。IBMメインフレームの特徴は上位互換性ですが、最新世代のIBM z16とLinux環境専用のIBM LinuxONE 4には、想像できるあらゆる最新イノベーションが詰め込まれています。これには、オンチップAIプロセッサー(IBM Telumプロセッサー)、広範な暗号化、耐量子暗号が含まれます。今日のIBM zSystemsは、銀行、保険会社、航空会社の予約システム、小売業者などから信頼されるパフォーマンス、可用性、セキュリティーを備えており、その実績あるトランザクション処理能力とレジリエンスが世界中の人々に支持されています。

IBM zSystms についてもっと深く知る

明確にお伝えしますと、IBM zSystems は、IBM のハイブリッドクラウド環境における中核であり、今後もそうあり続けるでしょう。IBM zSystems は、市場が必要とする最新の差別化された機能を、競争力のあるTCOと独自品質のサービスとともに提供し、お客様と IBM にとって強い価値となります。

IBM zSystems についてもっと知りたい方は、こちらのページをご覧ください。Myths and Truths in Today's Hybrid Cloud World (written by Kathryn Guarini, IBM Chief Information Officer)

本記事は「Myths and Truths in Today’s Hybrid Cloud World (written by Kathryn Guarini, IBM Chief Information Officer)」を抄訳したものです。

寄稿者

Kathryn Guarini

IBM Chief Information Officer