第4回 TBMのツールの活用 ― ITコスト管理を支えるシステムの重要性

FinOpsとTBMの概念を示す、相互に接続されたクラウドサービスのアイコン
林 英成

パートナー・セールス・マネージャ,Apptio事業部, テクノロジー事業本部,日本アイ・ビー・エム株式会社

横谷 信太郎

ソリューション・コンサルタント,Apptio事業部, テクノロジー事業本部,日本アイ・ビー・エム株式会社

日本アイ・ビー・エム株式会社

大矢 征仁

ソリューション・コンサルタント,Apptio事業部, テクノロジー事業本部,日本アイ・ビー・エム株式会社

FinOps/TBM実現はExcelでも可能?

FinOps/TBMは方法論ですが、その羅針盤に従ってシステムを実現できるのであればツールは何をご選択いただいても基本的には問題ありません。
ただし、採用するツールによってFinOps/TBM実現への道筋や速度が変わってくるため、どういった観点で選択するのが最適なのか解説いたします。

TBMを実現するシステムに求められる要件と課題

TBMでは具体的に以下4つの要件が、定義されています。

1)他システムからのデータ取り込み・変換・ロードをする機能

他システムから自動でデータを取り込むと共にデータが変更されれば、その変更内容が正しく反映される必要があります。

2)TBMモデルの構築・管理・運用をサポートする機能

TBMモデルは投入されたデータの分類や配賦ロジックに従ってデータの配賦を行なうことが可能である必要があります。

3)データをステークホルダーに分かりやすく提供する機能

ITファイナンスの高度化はIT部門だけに限ったことではなく、経営やビジネス部門、財務部門のステークホルダーの方々にも分かりやすく説明やレポートできる機能が必要です。

4)データをセキュアな状態に維持する機能

給与、会計、社員データなどの秘匿性が高いデータは堅牢に管理する必要があります。

TBMシステム

ExcelやBIツールによるTBM実現における課題

多くの企業がExcelを使用してITやクラウドのコストを管理していますが、先程の要件を満たすことができればTBMの実現は可能となります。ただ、実際には以下のような課題があり、充分な検討が必要となります。

  • Excelファイルは複数人での同時編集が難しく、最新の情報を共有するのが困難になる。
  • 他システムとの連携において手作業での入力や更新・変換が必要なため、時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高まる。
  • 複雑なマクロなどを組んでしまうと、事業継承性や保守性が極端に下がる。
  • コスト配賦モデルの実装において、要素ごとに異なる複数のドライバをアロケーションできる機能を持たないと、意思決定につながる可視化は実現できない。

FinOps実現におけるシステム要件と課題

FinOpsでもTBMと同様にシステムに求められる要件が記載されており、ExcelやBIツールなどでも頑張れば実現することは可能ですが、やはり課題が多くあります。

  • Excelファイルが巨大化したり、バージョン管理が煩雑になったりする。

  • RIやSPなどの適用実績の有無を確認しようとすると、データを探すロジックをつくるのが大変となる。

  • アノマリーディテクションなど、迅速な意思決定が必要になるケースにおいて、データの収集だけでも時間が取られタイムリーな分析が難しくなる。

  • 属人的になったり、人的コストが度外視されがちとなる。

  • マルチクラウド環境では、粒度を揃えるのが難しく、俯瞰した管理ができない。

Apptioのご提供するソリューション

Apptioは、上記で記載した、TBMおよびFinOpsのソリューションをSaasで提供しています。

既に方法論に沿ったソリューションが実装されていますので、組織におけるTBMやFinOpsを迅速に実現することを強力に支援いたします。


1. IBM Apptio:テクノロジー財務管理(TBM)を支援するソリューション

2. IBM Cloudability:クラウドコストの管理と最適化を支援するソリューション

Apptioソリューションを使用することによるメリット

様々なメリットがございますが、その中の一例をご紹介します。

  • ベストプラクティスの標準組み込み

既に方法論が取り込まれており、アップデートも随時されますので、本来の業務以外に割かれる時間が大幅に削減されます。また、グローバル標準のコストモデルのため他社とのベンチマーク機能などもご利用可能となります。

  • Time to Value(TTV)の短縮

実際に効果が出たと実感いただけるまでの期間を大幅に短縮します。(※ApptioにおいてはGlobalで3ヶ月程度を目標としています。)

  • アクションにつながる標準レポート

最適化のアクションにつながるインサイトを示すレポートが標準で用意されていますので、何をすればよいかの判断が迅速にできるようになります。

まとめ:最適化のアクションにつながる事が大切

現実的には、既存ツールへの方法論の反映、メンテナンス性、運用性、リアルタイム性など様々な要素を考慮すると、専用に作成されたソリューションをご利用いただくことで、最大の目的である最適化のアクションに迅速につながると考えております。

次回は、実際にFinOps/TBMを活用されている事例をご紹介致します。

関連リンク