販売管理システムを知名度で選んではいないか?

「もちろん、有名なERPソフトを使って統合業務管理をするのもいいでしょう。でも、かけた費⽤を回収できなきゃ意味がありませんし、年商10億円以下の企業には敷居も⾦額も⾼いですよね。」

そう語るのは、43年前から⼤阪に拠点を構え、「ふくろう販売管理システム」を提供しているアステム株式会社の柴⽥充啓社⻑だ。今回、新バージョン「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」を10⽉1⽇発表された、アステム株式会社のお⼆⼈に話を伺った。

「中⼩企業の経営者には、企業活動の根幹を担う販売関連業務の管理にしっかり⽬を向けていただきたいんです。多くの⽅が、知名度で販売管理システムを選んでしまっているんじゃないでしょうか?

ふくろうは『下町のERP』を標榜し、⻑年ご利⽤いただいてきたお客様たちに育てていただいた販売管理システムです。これまで中⼩企業を中⼼に300社以上のお客様に導⼊いただいています。」柴⽥社⻑からの熱いメッセージが続く。

電⼦取引データの保存完全義務化の本当の意味

「昨年eBookとして出版した拙著『販売管理システムで解決できる「電帳法とインボイス制度」にも詳しく書きましたが、2024年1

⽉1⽇に、改正電⼦帳簿保存法(電帳法)により電⼦取引のデータ保存が完全義務化されました。

柴田充啓&柴田昌俊

(写真左)柴⽥ 充啓(しばた みつひろ) |アステム株式会社 代表取締役・税理⼠

(写真右)柴⽥ 昌俊(しばた まさとし) | アステム株式会社 取締役 兼 営業部 部⻑

これにより、⾒積書、納品書、請求書、領収書など、電⼦取引でやり取りした取引情報は、電⼦データのまま保存しなければならなくなりました。また、保存にあたり電⼦取引のエビデンスが求められます。

販売管理システムに求められる要件が、これまでとは⼤きく変わったということです。」

この新たな法制度が意味するところを、まだ⼗分理解していない経営者が多いと柴⽥社⻑は⾔う。

柴田充啓&柴田昌俊2

「こうしたデジタル化やDX対応は、局所的な対応はむしろ問題を発⽣させてしまったり、ややこしい事態を招いてしまったりしかねません。

つまり、会計システムだけの問題でなく、販売管理システムとの連携が肝要になったということです。

なぜなら、会計システムと販売管理システム間のデータ齟齬を当局から指摘されれば、その誤りを追求・訂正する必要があるからです。これが適切に⾏えなければ、罰則が待っています。

そうした事態の発⽣を防ぐために、⼿作業で抜け漏れなく両システムを常に同期させることがどれだけ難しいか。それは⾔うまでもないでしょう。」

ふくろう販売管理システムは「JIIMA認証」取得済み

限られた⼈員と作業量の中で、⼿数を増やすことなく、いつでも監査に耐えうる状態を保っておくこと——これが販売管理システムと会計システムを連携させておくことの最⼤の意味でありメリットだ。

だが監査の観点でもう⼀つ、⼤事なポイントがあるという。

「公益社団法⼈⽇本⽂書情報マネジメント協会が提供している『JIIMA認証』です。電帳法の法的要件を満たしたソフトやソフトウェアサービスだけに与えられる認証で、このソフトを適切に使⽤していれば、法令に準拠した処理業務を⾏えます。

ふくろう販売管理システムは、JIIMA認証を取得している数少ない販売管理システムです。」

今回の新バージョン「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」について、開発プロジェクトをリードした柴⽥部⻑ に聞いた。

「販売管理システム選定の際、お客様に本当に気にしていただきたいのは、⾃社が必要としている機能を⾃社が求めている形で提供しているかどうかです。

⼀例ですが、各社管理帳票のレイアウトは、⾃社にとって最も使いやすい出⼒フォームがありますよね。これまではそれらの帳票を弊社で⼀から作成しておりましたが今回、IBM Cognos Analytics on

Cloud組み込んだことで、管理帳票のレイアウト作成をかなり素早く、簡単に⾏えるようになりました。これは多くのお客様に喜んでいただけるものとなっています。

しかし⼀⽅で、データをExcelに落として、⾃由にピボットテーブルで集計できる機能も⼤切というお客様も、同じくらいたくさんいらっしゃいます。ですから、この機能も従来通り存在しています。

⼤切なのは、お客様が求めている選択肢を提供することですから。」

AIによる売上予測機能にも選択肢を

Cognos Analyticsの分析・予測機能についてはどうだろうか。柴⽥部⻑は⾔う。

「売上予測機能については、従来のふくろう販売管理システムにも有償オプションとして⽤意されていました。ただ今回のCognosの組み込みにより、簡易的なAI予測が可能になりました。

将来的には、IBM watsonx.aiのAIモデル構築⾃動化機能であるAutoAIを活⽤することにより、精度の⾼い予測モデルも提供することもできるようになる⾒込みです。

今回の「BIダッシュボード」による簡易な予測と、対象の商品毎に条件を指定して作成する精緻な予測、お客様が求める精度によって使い分けて頂けます。こちらも選択肢を増やすことができました。」

開発プロジェクトの進捗についても伺った。

「開発をスタートしたのが今年の3⽉末頃ですから、想像よりも早い半年弱での完了となりました。実際には今後の展開も踏まえた watsonxによる⽣成AI組み込みまで睨んだ開発だったことを考えると、かなりのスピード感で順調に進んだと⾔えると思います。

鍵となったのは、IBMのカスタマー・サクセス・マネージャー (CSM) の辻 ⿇⾐⼦さんと、Cognos製品のスペシャリストである⾓⽥ 厚志さんの⼿厚いサポートでした。」

「マイクロソフトのクラウド・プラットフォームにIBMのSaaS BI製品の組み込みということで『難しいんじゃないか…』と思っていたところもあったのですが、まったくの杞憂でした。

導⼊決定前に⾏っていただいたデモでも、出来合いのデモを⾒せるのではなく、私たちが提供したデータを使い、こちらのリクエストを反映しながら⼀緒に⼀から解析を⾏っていただけました。実際にどのように進むのか、どんなことが起きうるのか、そしてどのあたりが要注意なのかなどを体験しながら学べたので、⼤変ありがたかったですね。

辻さんと⾓⽥さんには、現在も定期的に技術定例会を開催していただいており、弊社社員のシステム構築や分析スキルの向上にも⼤変寄与いただいています。」

「眠っているデータの活⽤」が企業の成⻑の鍵を握る

今後、「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」はどのように進化していくのだろうか。アステム株式会社の今後の計画と併せてお⼆⼈に聞いた。

「ふくろう販売管理システムには、オンプレミス版とクラウド版があり、それぞれで卸売・⼩売業向け、レンタル業向け、鋼材業向け、⾷品卸業向けなど、6つの業種別パッケージを現在提供しています。

これらはすべてふくろう販売がベースとなっていまして、今後、お客様のニーズに合わせて、ヒアリングを重ねながら別業種向けも開発していくことになるでしょう。そこはきめ細やかに対応していきます。」

 

社⻑に続き、部⻑が機能⾯の未来について語った。

「直近のCognosのバージョンアップにより、⾃然⾔語インプットでのダッシュボード作成機能が実装されると聞いているので、⾮常に期待しています。

その次には⽇本語対応や⾳声⼊⼒対応も⾏われると思いますが、多くのお客様が期待して待っているので私も楽しみです。」

 

最後に、柴⽥社⻑に中⼩企業の経営者に向けてメッセージをもらった。

「今年度はこの後、全国5カ所で開催される『UOSフェア2024』の他、いくつかの展⽰会にも出展予定です。

『眠っているデータの活⽤』が企業の成⻑を⼤きく左右します。ぜひ、多くの⽅にご来場いただき、ご⾃⾝の⽬でふくろう販売管理システムの魅⼒を確かめていただきたいですね。」

1981年創業。中⼩企業の⽣産性を⾼めるためのITツールを提供ベンダーとして活動。税理⼠等の専⾨家による丁寧なサポートで知られている。なお、製品名の「ふくろう」は、「森の賢者」「先⾒の明」や「知恵の神」とも呼ばれ、縁起のよい動物としても知られているところから。

八木橋 パチ

日本アイ・ビー・エム株式会社、Partner Ecosystem、コラボレーション・エナジャイザー