日系金融機関にも押し寄せる、インド活用の波

2025年5月30日

経済大国インド。

もうインド抜きにはグローバルビジネスは成り立たない世界が迫っています。

GDP世界第4位*1、経済成長率6%以上*1、そしてなにより世界最大の人口14億人*1を有するインド。世界中のグローバル企業がインドに拠点を設け、サプライチェーン、人事・経理・法務などのバックオフィス業務、研究開発、システム開発・運用など、グローバルビジネスを支える業務を一手に担い、コスト削減・プロセス標準化/効率化・グローバルガバナンスを図っています。言語、コスト、市場規模、労働供給力、さまざまな側面からインドに勝る国・市場が見当たらず、今まさにグローバル企業がインドの活用を推し進めている、いや、推し進めないと競争に勝てない世界が迫っています。

近年、IBMは日系金融機関によるインド活用のご支援にも取り組んでおります。

2025年現在、IBMはインドに10万人以上の社員を有し、デリー、バンガロール、ムンバイ、プネ、チェンナイなど数多くの拠点から世界中のグローバル企業をご支援しています。日系金融機関によるインド活用も進んでおり、IBMはグローバルの経験/知見/ITテクノロジーを活用して、日系金融機関のグローバルビジネスを支えております。

日系金融機関でのインド活用におけるIBMの支援事例を紹介いたします。

インドIT開発拠点立ち上げ

某日系金融機関にて、インドIT開発拠点の立ち上げに向けた、アプローチ、戦略、人材採用/育成、オペレーション、ガバナンスなどの構築をご支援致しました。初期の構築のみならず、現在もIBMインド拠点より人材を供給し、拠点維持/拡大に向けたシステム開発・運用・メンテナンスをご支援しております。

コンプライアンス業務のBPOサービス

某日系金融機関にて、アジア各国のKYC(本人確認)業務のBPO(Business Process Outsourcing)(BPO)をIBMインド拠点より提供しております。インドへのアウトソーシングによるコスト削減のみならず、各国のKYC業務プロセスを標準化/統一化し、アジア全域によるガバナンスを強化し、最終的には日系金融機関自身のインド拠点への還元/移管を目指しています。また、AML(マネー・ロンダリング対策アンチ・マネー・ロンダリング)など、その他コンプライアンス業務への展開も今後予定しております。

インドGIFT Cityへの支店開設

某日系金融機関にて、インドのスマートシティーである Gift City(Gujarat International Finance Tec-City)への支店開設をご支援致しました。日系金融機関の既存インド拠点の業務・システムを流用/活用し、迅速な手続き・支店開設を実現。今後、外貨建て融資、10年間の法人税免除、融資の利息/株式等譲渡益への免税など、インド経済特区のメリットを活用しながら、更なるインド国内でのビジネス拡大を目指しています。

*1 2025年4月時点

寄稿者

Yutaro Furuno

Regional Business Development Executive

IBM

Yuriko Sugihara

Senior Consultant

IBM