設備の予防保全・技術伝承の第一歩を支援する、保全現場のデジタル化ソリューション

08 May 2023

石油化学や製薬、製造などの業界にとって、事業の基盤となる設備の保全、作業員の技術伝承への対応は必須課題となっています。作業員の確保・定着が過去と比較して困難になってきている、またそのような状況でも、適切な予防保全が行われなければ、生産遅延、事業機会の損失につながってしまうことも考えられ、保全業務自体の「質」を担保することも難しい、そんな悩みを抱えているといったお声をよく耳にします。本ブログでは、現場と経営を繋ぐ、保全現場のデジタル化ソリューションをご紹介いたします。

    製造現場における設備保全の必要性

    昨今、設備老朽化に伴う予防保全の重要性の高まりや技能伝承、現場作業員の確保・定着化が過去よりも難しくなっていることによる省人化等が課題となり、現場では早急な改革が求められています。
    適切な予防保全が行われていなければ、稼働中に突然設備が停止して生産に悪影響を及ぼす恐れがあります。生産に遅延が発生すれば、納期遅延を招き、企業の売上低下につながるだけでなく、企業としての信頼を大きく損ねることも考えられます。
    加えて、作業員の不足により、設備保全の計画立案や作業をより少ない人数で実施しなければならず、設備保全の現場業務を下支えするシステムに求められる要求が高まっており、まずは現場に溢れる情報をデジタル化し活用していくことが必要となります。
    企業としてはデジタル・トランスフォーメーションの推進が求められている今、現場だけで効率化を完結するだけではなく、部門横断的に企業として成果を出すことも求められています。

    現場部門の作業管理に閉じたツールの選定では、企業としてのデジタル・トランスフォーメーションを推進するための要求を満たすことが出来ず、部分最適に留まらない、部門横断的なソリューションが求められます。
    特に、現場の定期的な保全作業内容やタイミングの妥当性、設備故障に対する保全のコストが見えづらく、オペレーションが現場依存となっている場合があります。
    そういった情報を統合・見える化し、現場と経営を繋ぐ仕組みがEXA Base Kitです。EXA Base Kitは日本のお客様の保全管理業務アセットテンプレートを用意しており、保全管理業務システムを3~4ヶ月という短期間で作り上げることができます。
    クイックスタートで構築したシステムは、将来的に保全業務における予備部品の在庫管理や保全KPIの実現等、拡張することも可能です。

    ユースケース

    以下の様々な業界におけるお客様でご活用いただくことが可能です。

    • 石油化学業のお客様
      • 保全業務のデジタル化や情報の一元管理
      • 保全業務および工事の中長期・短期計画の管理
      • 資材倉庫における予備部品の入出庫管理
    • 製薬業のお客様
      • 校正管理業務の承認ワークフロー電子化
      • データ・インテグリティを遵守した現場の保全業務データ管理
    • 製造業のお客様
      • MTTR・MTBF改善を促す予防保全支援
      • 設備稼働停止対応時の実績管理と保全分析プラットフォームとしての活用

    期待される効果

    EXA Base Kitをご導入頂くことで以下の効果が期待されます。

    • 設備寿命と稼働率の最大化
      • 稼働率阻害要因リスクの低減
      • 製品やサービス品質の確保
    • 保全コストの最適化
      • 維持管理費用の低減
      • 在庫所要量の低減
    • 保全作業の標準化と可視化
      • 保全作業の効率化
      • 保全技術/技能の伝承支援
      • 戦略的人材育成の支援
    • 定量効果の例(開示可能な事例より一部紹介)
      • 設備ダウンタイムの40%削減
      • MTTR(平均修復時間)20%短縮

    設備保全短期導入ソリューション:EXA Base Kit詳細

    EXA Base Kitは、グローバルで高い評価を得ている企業向け設備・資産管理ソリューション IBM Maximo Asset Management©(以下IBM Maximo)をコアとし、エクサ独自の付加価値をプラスした短期導入ソリューションです。

    EXA Base Kitは、現場の設備保全では必須要素となる、設備台帳・作業管理の基本業務を支える機能に絞って、豊富な導入実績で培った知見をアセット化したものを活用し、短期での導入を可能とします。特に、日本企業の管理項目・業務に適した画面や機能を提供します。

    EXA Base Kitを導入いただくことで、作業の発生から調達までの設備資産管理における汎用的な課題や業務要求への対応、作業の予実や調達行為のトレンドを可視化することが可能となり、設備保全管理業務システム化をスムースに進められます。

    他システムとの連携が可能で、柔軟性を持ったソリューションであり、将来的に設備装置の稼働情報を軸とした保全管理の実現など、より高度な仕組みを目指すためには、様々な仕組みと繋ぎ合わせることが可能です。

    EXA Base Kitは日本のお客様の保全管理システム導入プロジェクトで経験したものをアセット化し、設備台帳画面やKPIダッシュボードや保全計画の星取表などを標準で装備しております。クイックに現場のデジタル化をスタートしつつ、将来的なEAMの実現を可能にします。

    Step1:設備・作業情報のデジタル化・業務のシステム化

    • Maximo Base Kit
      設備保全管理業務のシステム化をクイックにスタート

    Step2:予知保全PDCAサイクルの実現

    • Maximo Application Suite(Manage機能)
      設備保全管理業務を支える基幹システム

    Step3:予知保全保全業務AIアシスト

    • Maximo Application Suite(フルパッケージ)
      蓄積されたデータを活用し、現場の DXを推進

     

    IBM製品紹介ページ


     

    設備保全短期導入ソリューション Maximo Base Kit

    作業の発生から調達までの設備資産管理における汎用的な課題や業務要求への対応、作業の予実や調達行為のトレンドを可視化することが可能となり、設備保全管理業務システム化をスムースに進められます。

    EXA Base Kitでは、下記機能を提供します。

    • 資産管理(ロケーション、機器台帳など)
    • 作業管理(故障報告、点検記録、保全計画、作業標準など)
    • 資材・調達管理(部品・在庫管理、購買要求・見積・発注)
    • 依頼管理(サービス要求)

    上記以外にエクサが豊富な導入実績から得た知見を基に開発した以下の機能も標準でご提供します。

    • 独自の帳票
    • データ登録ツール
    • ダッシュボード
    • 保全カレンダー

    ご相談ください

    エクサは2007年よりIBM Maximoのビジネスをスタートしており、システム化の上流支援からシステム構築・運用保守まで、延べ40社以上のプロジェクトを経験し、国内トップクラスの導入実績を有しております。
    設備保全パッケージ開発向けに最適化した専用の開発方法論(Maximo Delivery Process)をベースに導入実績を積み、最適なお客様へのシステム導入から長期間にわたる設備保全システムの運用保守展開を一貫性ある形でご支援することが出来ます。
    またSIベンダーとしてのIT技術・知識だけではなく、JFEグループとしてのDNAで製造現場担当者様・調達担当者様の業務・文化を理解し、ITと現場を融合させることで、一番現場で必要とされるシステムを構築最大限ご協力していくことが可能です。
    まずはお気軽にご相談ください。

    寄稿者

    山口 裕也

    株式会社エクサ

    エンタープライズ営業本部 DXビジネス推進営業部 シニア・セールス・スペシャリスト