昨今、私たちが直面する気候変動の問題は日に日に大きくなっています。企業は脱炭素社会の実現へグリーントランスフォーメーション(以下GX)を求められています。特に温室効果ガス(以下GHG)排出量の削減は、CSRの観点からも企業の重要な評価要素となっており、企業は環境への影響を測定し管理するための戦略を立てる必要があります。しかしながら、GHGの量を正確に把握して戦略立案を行うためには専門的な知識とツールが必要となり、難易度が高いと感じている企業も多いのではないでしょうか。
当ブログでは、そんな悩みの解決につながる、IBM Envizi ESG Suite(以下Envizi)を活用した伊藤忠テクノソリューションズ(以下CTC)のGX支援サービスについてご紹介いたします。
そのほかにも
といった事を考慮に入れる必要があり、実施するには様々な関係者を巻き込んだ活動が必要となり、大きな労力がかかります。
特徴は大きく4つあります。
ESGのパフォーマンス向上を実現するためのデータタイプを随時追加。全てのデータの90%以上を自動的に収集可能。カスタムフィールドの追加も容易
内蔵された排出量係数は4万以上で更新も対応。登録データに応じて係数は自動選択されるため、排出量係数に関する煩雑な作業から利用ユーザーは解放 (下ダッシュボード画面イメージ参照)
収集したESGデータを様々な角度から分析する豊富な分析テンプレートを活用して、社内外の関係者と具体的な削減プログラムの検討・実行が可能
複数のESG 情報開示フレームワークに対応したレポート作成ができるとともに、ワークフローを利用した作業管理、業務のスピードアップ、ガバナンスの強化が期待
かつ、複数の国/部署にまたがったGHG排出量データを一元的に集約/管理することができるため、企業は自社の環境パフォーマンスを把握し、効果的な脱炭素化戦略を構築することができます。
Envizi導入前は、大量のドキュメントやPDFファイル等をやりくりし、ESGデータ管理プロセスを手動でやり通していましたが、他システムとの連携が不可能なレガシーシステムが、サステナビリティに関する非財務データの調整を阻んでおり、ESG報告書の作成は困難を極めていました。
2011年にEnviziを導入し、ビル資産全体のESGデータ管理を合理化し、エネルギー・温室効果ガス算定・および普及のための単一のオーストラリア国内報告ガイドラインであるNGER(National Greenhouse & Energy Reporting)スキームなどのコンプライアンス報告に対応するようになりました。
Envizi導入後、GPT社はエネルギー強度*2を15年間で52%低減することに成功しました。現地の当時の市場価格で計算すると、年間2,000万ドル近い節約に成功したことになります。
*2 一次エネルギー総供給をGDPで割った値。低い数値ほどエネルギー効率が良い事を表す。
Enviziを上記のGX支援サービスに活用することで、データの管理や連携を効率化し、脱炭素に向けた目標管理やトランジション戦略立案、GHG排出量削減の活動をさらに強力に推進することができます。
取り組みの例として、企業の生産計画におけるCO2削減のアプローチについてご紹介させていただきます。
この取り組みでは、Enviziにて収集可視化した生産活動の各工程のプロセス及びオペレーション別CO2排出量を元に、生産プロセスを再現したモデルを構築し、シミュレーションを行います。これにより、生産プロセスにおけるCO2排出量とコストを最適化することやその分析が可能になり、CO2排出量が少ない効率的な運用方法の策定に繋げることができます。
IBMと伊藤忠テクノソリューションズのGX支援サービスは、企業がGHG排出量を把握し、脱炭素化への道を確固たるものにするため強力にサポートいたします。
しかし、その価値を正しく理解するには実際にその機能を体感していただくことが最も効果的です。
Technology Showcaseで実施しているEnviziのデモでは、その機能のご紹介だけでなく、企業がどのようにこれを活用できるかを具体的にお示しします。ぜひオンライン・デモへお申し込み頂き、お客様がGXをどのように進めることができるかをご検討ください。