信頼と透明性に関するIBMの原則

信頼と透明性を持って事業を行うことで、お客様や社会からの信頼を獲得
AI、データ、洞察を表すアイコンに囲まれた公共庁舎のイラスト

1世紀以上にわたり、IBMは責任を持ってお客様の最も貴重なデータを管理することで、信頼を獲得してきました。そして、責任と明確な目的を持って強力な新技術を世に送り出すことで、社会からの信頼に応えるよう努めています。

IBMが遵守を続ける基本原則は、信頼と透明性の約束に基づき、お客様のデータと洞察の取り扱いの指針となるものです。これらの原則は、IBM Watsonをより高度なwatsonxに発展させたときのように、責任を持って新しいテクノロジーを開発、導入する際の指針にもなります。

IBMは、すべてのテクノロジー企業が、同様の原則を採用して顧客のデータと洞察を保護し、人工知能(AI)やその他の変革的なイノベーションを責任と透明性を持って使用するよう勧めます。ここでは、IBMの信頼と透明性の原則をロードマップとして提示します。例えば次のようなものがあります。

AIの目的は人間の知性の補強

IBMは、AIはすべての人の業務を改善すべきであり、AI時代がもたらす恩恵は一部の特別な人だけでなく、多くの人に届くべきだと考えています。

データと洞察はその作成者に帰属

お客様のデータやインサイトは、お客様だけのものです。IBMは、政府が掲げるデータ・ポリシーは公平、公正であるべきで、公開性を最重要視すべきだと考えています。

新しいテクノロジーの透明性と説明可能性

テクノロジー企業は、AIシステムをトレーニングするのは誰なのか、トレーニングでどのようなデータを使用したか、そして、最も重要なこととして、AIシステムのアルゴリズムの推奨事項に何が含まれていたかを明確にする必要があります。

人間の知能のためのAI
電球の中にある脳の象徴と照明のついた回路基板

IBMが開発、適用するAIと認知システムの目的は、人間の知能を補強することであり、置換することではありません。IBMのテクノロジーは、現在も将来も、人間の能力や可能性を強化し、拡張するように設計されます。IBMは、これらのテクノロジーと連携して働くために必要なスキルを世界中の労働力が習得するための取り組みに投資しています。

人間と機械の時代に向けたスキルへの投資

  • IBMは、オートメーションへの課税やイノベーションへの罰則が、将来の労働力への投資に代わる効果的な代替策になるとは考えていません。

  • IBMは政策立案者と協力して、特定の学位のみに焦点を当てるのではなく、需要のあるスキルを重視するよう教育システムのモダナイズに取り組んでいます。

  • より多くの学生や労働者が、高賃金のサービス産業の仕事など、現代的な職業に就けるよう準備を進めれば、より多くの人々がテクノロジー主導の経済成長のメリットを受ける機会を得ることにつながります。

  • IBMは、政府機関に対して以下のことを推奨しています。
    • 需要の高いスキルや能力に合わせて、教育内容を適切に調整すること。
    • 従業員の再教育に対する企業の投資を支援すること。
    • キャリアアップに向けてスキルに投資するよう個人に奨励すること。

データと洞察はその作成者に帰属

IBMのお客様のデータやインサイトは、お客様だけのものです。IBM Cloud上で、またはIBMのAIから生成されたお客様のデータとインサイトは、お客様の所有物です。

お客様は、IBMのソリューションやサービスのメリットを享受するために、データに対する権利やそのデータから得られるインサイトを放棄する必要はありません。

  • IBMとお客様との契約には透明性があります。IBMは、お客様が使用に同意しない限りお客様のデータを使用せず、使用する場合も契約に明記された特定の目的に限定しています。
  • IBMは、データを保護するために、業界をリードするセキュリティー慣行を採用しています。これには、暗号化、アクセス制御手法、独自の同意管理モジュールの使用などがあり、許可されたユーザーにアクセスを制限し、適用される権限に従ってデータを匿名化することができます。

 

IBMは、データ駆動型社会の基本である、お客様のデータのプライバシー保護に全力で取り組んでいます。

データ・プライバシーの推進方法

  • プライバシーに対する単一のアプローチはありませんが、IBMは事業を展開しているすべての国または地域のデータ・プライバシー法を遵守しています。
  • IBMは、クラウド・サービス・プロバイダー向けの欧州連合(EU)データ保護行動規範の策定と採用において、いくつかの製品で早くから主導的な役割を果たしました。IBMは、米国-EUプライバシー・シールドとAPEC越境プライバシー・ルールに基づく認証を取得しました。また、すべてのIBM製品とサービスで一般データ保護規則(GDPR)を遵守するため、包括的なコンプライアンス・フレームワークを確立しました。
  • IBMは、プライバシーとデータ保護を強化するための強力で革新的な手段を提唱し、プライバシーを強化するテクノロジーへの投資を継続します。
  • IBMは、国境を越えたデータの流れを強化および促進するために、プライバシー体制の相互承認を促進する国際協力を支援しています。

IBMは、強力なイノベーションの原動力を、お客様とそのデータ、世界の取引をサイバー脅威から保護するためのツール開発に充てています。また、セキュリティー、プライバシー、自由のバランスをとることについて、より幅広い議論も主催しています。

  • IBMとお客様との契約には透明性があります。IBMは、お客様が使用に同意しない限りお客様のデータを使用せず、使用する場合も契約に明記された特定の目的に限定しています。
  • IBMは、データを保護するために、業界をリードするセキュリティー慣行を採用しています。これには、暗号化、アクセス制御手法、独自の同意管理モジュールの使用などがあり、許可されたユーザーにアクセスを制限し、適用される権限に従ってデータを匿名化することができます。

IBMは、コンテンツやメタデータの大量収集を伴う監視プログラムの下で、お客様のデータを政府機関に提供したことはありません。

  • 一般的に、政府が企業クライアントに代わって、IBMが保有するデータへのアクセスを希望する場合、政府がそのクライアントと直接取引することが期待されます。
  • 刑事共助条約(MLAT)などの国際的に認められた法的手段を通じて要求されない限り、データを要求する政府の法的管轄区域外に保管されたクライアント・データへのアクセスを提供しません。
  • 現地の法律に従ったプロセスを経ずに企業クライアントのデータの要求を受けた場合、司法措置またはその他の手段で、要求に異議を唱えるための適切な措置を講じます。
  • 政府から企業クライアントのデータの要求を受け、そのクライアントへの通知を禁止する箝口令があった場合、司法措置またはその他の手段で、箝口令に異議を唱えるための適切な措置を講じます。
  • 私たちは、データの保護と、犯罪行為を合法的に調査する法執行機関の義務とのバランスをとるために、政府やお客様と引き続き緊密に協力していきます。
  • IBMは、法的支援に関する最新の国際協定など、政府によるデータ要求の透明性、監視、および適切な司法審査を強化するための措置を支持しています。

IBMは、国境を越えたデータの自由な移動が21世紀の商取引に不可欠であると考えています。

  • IBMは、国境を越えたデータの流れを可能にして促進し、データ・ローカリゼーション要件を制限するデジタル貿易協定を支持しています。
  • IBMは、政府ではなくお客様が、データの保管場所と処理方法を決定するべきであると考えています。データを国境内で保管または処理することを義務付けても、ハッカーやサイバー犯罪者からデータを保護することはできません。
  • IBMは、お客様がデータを保管する場所や処理する場所を柔軟に決定できるように、世界中のクラウド・データセンターに多額の投資を続けています。こうした決定は一般的に、政府からの命令ではなく、お客様の選択に基づいて行われるべきです。
透明性が高く説明可能なAI

一般の人々がAIを信頼するためには、AIの透明性が不可欠です。AIを重要な意思決定に活用しようとするのであれば、説明可能でなければなりません。

IBMは以下の点を明確にします。

  • 私たちが開発・展開する認知ソリューションにおいて、AIはいつ、どのような目的で適用されているのでしょう。

  • 認知ソリューションのインサイトを形作るデータと専門知識の主な情報源、また、それらのシステムとソリューションをトレーニングするために使用される方法。

  • バイアスを完全に排除することはできず、バイアスをなくすための私たちの取り組みは決して終わることはありませんが、私たちとAIを推進するすべての企業には、積極的に対処する義務があります。そのため、私たちは継続的にシステムをテストし、そのアウトプットが人間の価値観や期待にさらに沿ったものになるように、新しいデータセットを見つけています。

  • お客様が独自のビジネス・モデルと知的財産を所有し、AIや認知システムを使用して、お客様が構築した利点を強化できるという原則。当社はお客様と協力してデータとインサイトを保護し、お客様やパートナー、業界の仲間にも同様の慣行を採用するよう奨励します。
  • 私たちは、AIシステムがどのように結論や提案に至ったかを人々が理解できるようにする、透明性とデータ・ガバナンスの方針を支持します。
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