AIにより進化する業務プロセスマネジメント

スーツを着た男性が、データとグラフィックに囲まれた未来的なインターフェースを操作しています。

世間では未だに業務を自動化するとヒトの仕事が奪われるという意見が絶えません。しかしながら結論から申し上げますと、業務は出来るだけ自動化するに越したことはありません。それはなぜでしょう?業務を自動化するメリットは次のようなものがあります。

1. 業務の効率化とスピード向上
自動化により、人手による繰り返し作業や単純作業をソフトウェアが代行することで、処理速度が格段に向上します。これにより、業務全体のリードタイムが短縮されます。

2. ヒューマンエラーの削減
ヒトの作業ではどうしてもミスが発生しますが、自動化されたプロセスは一貫性があり、ミスのリスクを大幅に減らすことが出来ます。

3. コスト削減
初期投資は必要ですが、長期的には人件費やミスによる手戻りのコストを削減でき、トータルコストダウンが期待できます。

4. ヒトの価値ある業務へのシフト
自動化により単純作業から解放されたヒトは、より創造的・戦略的な業務に集中することができ、それは組織全体の価値向上につながります。

5. スケーラビリティの向上
業務量が増加しても、自動化されたプロセスはそれに柔軟に対応できるため、組織の成長に対応しやすくなります。
そして最後に、

6. プロセスの可視化・標準化
です。自動化を行う過程で業務フローの見直しが行われ、非効率な部分の特定やプロセスの標準化が進むのですが、自動化の方法自体は、その業務の現在のやり方によって大きく変わってきます。
 大別すると業務はシステムで行っているものと、ヒトがマニュアル作業で行っているもがあります。前者は所謂システム、例えば統合基幹業務システム(ERP)、製造実行システム(MES)、顧客関係管理システム(CRM)などが司る業務、後者はeメールや表計算、ワープロ、プレゼンテーションソフトなどを使って行う業務が典型的な例です。

内製化による自動化が領域できる業務領域

システムが司っている業務を自動化する第一歩は現状の可視化です。まずは現状の業務の姿を明らかにすることによって、自動化出来る業務がわかるようになります。それにはプロセスマイニングが強力な武器となります。プロセスマイニングは、システムに蓄積されたログデータを基に業務プロセスを再現し、業務プロセスのパターンを提示したり、業務プロセス上の繰り返しや冗長な処理、非効率を特定したりしますので、自動化の余地を明確に把握することが出来るようになります。それらを、自動処理プログラムやRPAなどの適用、複数のシステムを跨る処理のAPI連携による統合などによって自動化していくのです。更に、IBM Process Miningに代表される最新のプロセスマイニングツールを使うと、特定した業務の冗長や逸脱を改善するためのアクションをソフトウェアが提示し、それを自動的に実行するようなことも出来るようになります。

 次の自動化のターゲットはヒトが電話やeメール、オフィスソフトウェアなどを使って行っている業務です。こちらの自動化は、システムが司っている業務の自動化よりも一段ハードルは高いですが、昨今のAIエージェントの台頭により実現可能となりました。顧客からの問い合わせ対応業務を例にとると、従来のチャットボットによる半自動化の状態では、予め設定したFAQを参照した回答を返すだけでしたが、自立型のAIエージェントが組み込まれたAIチャットボットは、定型的な回答を返すだけではなく、これまで蓄積された知識ベースからよりパーソナライズされた回答を行い、更に問題を検出し解決方法を提案したり、必要に応じてエスカレーションを行うことも可能です。また、自立型AIエージェントは、社内に数多く存在する業務マニュアルのステップを読み込み、自律的にシステムやソフトウェアを操作し、業務を自動遂行することも出来ます。

 このようにシステムが司る業務やヒトが中心となって行っている業務を自動化し、効率化を行ったあとは、そのあるべき業務の姿を常に維持できるように管理していくことが重要となります。業務プロセスはビジネスの変化に伴い刻々と変わるので、それをモニタリングしながら、常に最適な状態に保つことが必要となってきます。そのためには、自動化された後の業務のあるべき姿をIBM Blueworks LiveのようなBPMN(Business Process Model and Notation)ツールに定義し、その実行を常時モニタリングし、ビジネスプロセスの変化に応じて常に改善していくことが重要となります。

業務効率化の流れと対応するIBM製品

最後に、これまで業務プロセスを自動化するメリットと自動化の具体的な方法を述べてきましたが、業務の自動化によってヒトは仕事を奪われるのではなく、ヒトにしか出来ない業務にシフトすることが出来るようになるのだという視点が重要だと考えています。ヒトにしかできない業務とは、例えば、顧客との関係構築、新規事業の企画、チームマネジメント、イノベーションの創出などです。また業務の自動化を導入・管理・改善していくこともヒトの仕事です。自動化を通じてヒトは定型業務から解放され、真のヒトの思考力、コミュニケーション力が必要となる仕事にシフトすることが可能となります。

弊社プロティビティは、このような業務自動化の導入と、自動化された業務のモニタリングと改善に取り組むお客様を、最新のデジタルソリューションとのコラボレーションでご支援しております。是非、皆様も業務の自動化に取り組んで、企業のビジネスパフォーマンスの向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。

著者

佐渡友 裕之氏

プロティビティLLC マネージングディレクタ APAC Digital ソリューション責任者 Japan BPI およびDigital ソリューション責任者

橋川 征悟

日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタルセールス事業部 ソフトウェアデジタル第一営業部