業務をデータから自動可視化 ~業務の「ボリュームとプロセス」で「改善点」が見える~

2022年現在、様々な企業でDXの取り組みが加速していく中、「業務改革・改善」がなかなか進まない課題をお持ちのお客様も多くいらっしゃいます。今回は、業務タスク・プロセスの見える化から改善・改革をスタートし、効果測定までの一体型になったソリューションをご紹介します。お客様の業務改善活動のお役に立てれば幸いです。

    業務改善の課題

    業務改善・改革の前には、以下の4つの課題(問題)があります。

    1. ヒアリングやアンケート調査による可視化作業の負担(業務把握の品質問題)
    2. 調査内容の不備等による業務量調査の長期化(業務量調査の時間コスト問題)
    3. ヒアリング(人)による業務抽出の漏れ(改善施策の品質問題)
    4. 調査結果からの改善が現場に浸透しない(業務改善後の費用対効果測定問題)

    上記の4つの課題を解決して業務改善を短期間に実現したお客様の事例を次にご紹介します。

    タスク・プロセス分析活用事例

    業種:地方公共団体    領域(タスク):予算管理業務
    対象人数:10名      分析期間:6か月

    1.課題

    当お客様は、以下の課題を抱えていらっしゃいました。

    1. コストと時間の面で致命的な業務タスクを特定したいが、ヒアリングでは時間がかかり過ぎる。
    2. 各業務の成果物が重要な印刷物になっており、「印刷物による承認」を見える化し改善したい。
    3. メールによる成果物の相互チェック・承認が多いこと(場所に関わらず次業務への繋ぎもメールで実施する傾向)はわかっているが、事実をデータで把握したい(施策判断の材料がない)。
    4. 元の電子データの活用が少なく、紙・PDFから管理Excel等へのデータ転記が多いタスクだけを抽出し改善したい。

    2.課題取り組みのステップ

    上記課題に対して、次のようなステップに基づく取り組みを実施した結果、PCの操作ログやシステムログといった客観的なデータを分析し、効果的な業務改善を実現しました。

    • 課題の可視化(データからの自動可視化)

    • レポート作成による解決策の検討
      例)「予算管理業務」のアクティブ時間(ファイル操作時間)が一番長いファイルを自動的に抽出し、「タスク・プロセスの観点」と「タスク・ボリュームの観点」を可視化

    • 解決策の優先順位付け
      「改善の容易性」「投資コスト」「タスクの共通性」の観点から業務改善の優先度を分析し、お客様とのワークショップを実施する中で、課題仮説を明確な改善内容に昇華ささせ、改善策の優先順位付けを行いました。

    3.業務改善後の効果

    システムログやPC操作ログといった客観的データに基づく業務課題の可視化により、短期間で業務改善検討や実現後の効果を社内で共有でき、以下のような業務改善効果が出ました。

    • 業務改善時間3480時間/年= 36%の工数改善、5人体制から3人体制へ見直し
    • システム導入によりデータ転記や印刷作業を削減
    • 承認行為や単純作業に自動化(RPA)を導入、工数削減と共に本業へのリソース集中を実現
    • 改善内容をワークショップにて情報を共有することにより、「ITリテラシー向上」に成功

    ハートコア株式会社が提供するタスク・プロセス分析の特徴とメリットとは

    当ソリューションは、IBMビジネス・パートナーであるハートコア株式会社がご提供します。

    特長1
    タスクマイニング(PC操作ログの自動収集・分析)とプロセスマイニング(サーバー・システムログの自動収集・分析)の両方を活用し、データに基づくプロセス可視化を実現、作業負荷をかけずに業務課題の数値化を実現します。

    紙とヒアリングよる業務改善と比較したタスクプロセス分析のメリット例

    1. 業務量調査の時間軸の短縮化(約90%以上減)
    2. データによる業務タスク可視化の正確性(PC業務タスク時間100%把握)
    3. データによる改善内容の抽出速度(自動化が可能)
    4. データによる改善後の効果測定(ヒアリング形式の場合は効果測定が難しく再調査が必要)

    特長2
    プロセスマイニング専門家が参加するワークショップを実施し、現実に即した課題解決案を策定します。

    分析結果を基にワークショップを開催し、分析した改善策案の妥当性を確認し、改善する内容を確定します。

    【ワークショップ内容】

    1. 分析まとめの振り返り
    2. 各改善案を導くに至った仮説・課題の確認(関連タスクグループの分析結果)
    3. 各改善案の具体的なツール、手法等の事例共有
    4. ディスカッション(業務の状況を踏まえた各改善案の実現可能性、期待効果等の検討)
    5. 改善案の優先順位付け、KPIやスケジュールの検討

    特長3
    分析対象業務を絞って、小規模・少額から開始することも可能
    対象業務を限定した形で業務改善の取り組み(タスク・プロセス分析、ワークショップ)をご提供することで、小規模な投資から業務改善効果を実感いただけます。その後他業務への展開、全社的な業務改善に向けて、継続的にご支援させていただくことが可能です。

    まずはご相談を

    お客様にとって業務タスクの課題は多く存在すると思われますが、ハートコア株式会社が提供する「タスク・プロセスの自動可視化」は、PC操作を行っている業務タスクに絞って可視化する手法であり、かつ業務タスク・データとプロセスマイニング分析を掛け合わせた画期的なソリューションです。DX推進にITツールの利用による業務改善・改革は必須要件ですが、現場にITツールが定着することは中々難しいことでもあります。PC操作の定量データからタスク・プロセスを可視化し、業務改善点に気付き、ITツールの定着化、最終的な業務改善に繋げることに挑戦する会社を応援します。貴社のDX推進に向けて、まずはお気軽にご相談ください。

    寄稿者

    三宅 立悟

    ハートコア株式会社

    DX事業部シニアコンサルタント

    橋川 征悟

    日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタルセールス事業部 ソフトウェアデジタル第一営業部