この記事は、2016年12月2日、IBM製造業エグゼクティブセミナーにて、IBM GBS事業 IoTサービス ビジネス開発 エグゼクティブ スティ-ブン・ペルンの講演録です。

自動運転のOlli実用化が示唆する未来の都市型モビリティの姿

2016年6月、米国のローカルモーターズの自動運転電動ミニバス「Olli」がワシントンDC内の公道を走った。12人乗りのOlliには運転席はない。30個以上のセンサーが搭載され、自動運転が実現されている。またIBM Watsonを活用して乗客とコミュニケーションし、目的地まで運んでくれる。Olliはどのように作られ、どんな技術が使われているのか。そしてどんな自動車の未来を示しているのだろうか。

Olliに特徴的なのは、その作られ方だ。Olliを完成させるために使われたのが、3Dプリンターだ。タイヤとガラス以外の部品の設計には3Dプリンターが多用されたという。しかもこれらの部品はデータをインターネット上で共有することで、複数の場所で作られている。この独自の分散型ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング・ネットワークによって製造期間が短縮され、製造コストが削減された。左のビデオで、ローカルモータース社のジェイ・ロジャース氏がそれをコメントしている。

Olliは2016年6月16日に、ローカルモーターズの本社があるメリーランド州ナショナルハーバーで発表され、4カ月にわたる実地評価が行われている。この期間中には、Olliのコグニティブな能力が評価された。この間、Olliのソフトウェアは毎月更新され、機能やセンサーの実地試験も行われた。ラスベガスやマイアミ・デイド郡での利用も発表されている。

同社の取り組みは、今後自動車業界に起きるであろう変革を示唆している。IBMでは175社のグローバルな自動車関連企業の幹部にインタービューして、2015年1月に「Automotive 2025(US)」をまとめた。そこでは既存の業界体制を崩す主な要因が3つ挙げられている。「消費者との共創」、「非伝統的な企業の参入」、そして「他業種との協業」である。 
同社の戦略には、このすべての要素が入っている。

Olliが提示しているのは、これからの都市型モビリティソリューションの革新的なコンセプトである。Olliは自動化を実現しているだけでなく、乗客と自然言語で対話し、認知機能によって人を認識して理解する。「美味しいシーフードレストランを探して欲しい」と語りかければ、インターネットのレストランサイトから候補を探し出してくれて、頼めばそこに自動運転で連れて行ってくれる。

Olliは、人や荷物を運び、食べ物を届け、さらに多くの用途に活用できる。これはIBM Watsonが乗客との自然言語での会話を担当して、コグニティブIoT技術による乗車体験を実現している。自動車用のWatson IoTと自動運転システムが連携することで、乗客の言っていることを理解して、行き先を自動運転システムに伝えることができる。

IBM WatsonとIoTがもたらすコグニティブな乗車体験

IBM Watsonが乗客との自然言語での会話を担当して、コグニティブIoT技術による乗車体験を実現している。自動車用のWatson IoTと自動運転システムが連携することで、乗客の言っていることを理解して、行き先を自動運転システムに伝えることができる。

Olliと乗客とのコミュニケーションを実現しているのが、Olliに実装されたセンサーである。GPSはもちろん、前後につけられたライダーが周囲を認識し、ステレオカメラが標識を認識し、車内カメラが内部を認識する。どんな乗客が乗っているかも理解できる。さらに社内外向けの温度や湿度のセンサー、車輪の速度やサスペンションの回転数、走行距離けのセンサーも付けられている。

オリーのコグニティブな乗車体験の核心はIBM WatsonとIoT

機能面だけでなくサービス面でも自動車業界の変革を支援していく

IBMが多種多様な方法で支援

IBMはOlliに対してIBM Watsonの機能を提供しているが、IBMが自動車業界に向けて支援しているのはそれだけではない。機能面では、自動車や他のデバイスとのクラオドベースのコミュニケーションを可能にするIoTプラットフォームとしてIBM Watson IoTプラットフォームがある。自動車とクラウドのコミュニケーションに特化したプラットフォームで、自動車向けIoTを構築し“つながるクルマ”を実現する。また自動車の使用に影響を与える天候の重大な変化を伝えてくれるWeather APIも提供している。

こうした、自動車作業におけるIBM Watsonを活用した新しい顧客サービスは、業界の新事業の展開直結し、自動車産業を根底から変化させていく可能性を秘めている。

IBM Watsonが備える独自技術で、構造化されていないテキスト・音声・映像情報の取り扱いが可能。
Watson Developer Cloudが、刺激的なコグニティブ・ソリューションを実現するための多種多様なAPIのライブラリーを日々拡大しながら提供。

IBMのWatson IoTプラットフォームによって、自動車や他のデバイスとのクラウドベースのコミュニケーションが可能。
自動車とクラウドのコミュニケーションに特化したプラットフォームで自動車向けIoTを構築。
IBMのWeather APIは、自動車の使用に影響する天候の重大な変化を把握できる独特なAPI。

IBMのIBM Cloud Garageがデザイン・シンキング、リーンスタートアップ、アジャイル開発、エクストリームプログラミングを組み合わせて、企業の革新的アプリケーションの迅速な構築を支援。

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