Business Challenge story

統一されたプラットフォームですべての業務を進める

三菱重工パーキングでは、全国で数多くの立体駐車場事業を手がけるためにPCなどによるデータ管理が以前より行われていました。しかし、そこで使われているシステムは、引合、受注、調達、工事といった特定の業務を効率化したり、直接関係する部署とのやりとりをスムーズにしたりすることを前提に構築されたものでした。三菱重工パーキングで社内システム全般の管理を担当する取締役の永井正文氏は、次のように話します。「それぞれのシステムは、その都度考えて構築していますし、すべてきちんと機能しています。しかし、システム管理の観点からは、本当にこのようなシステム構築のやり方で世の中の流れに付いていけるのかと疑問に思っていました」。このような疑問を感じていたときに永井氏は、JBSソリューションズ株式会社(以下、JBSソリューションズ)が講演したセミナーで、ビジネス・プロセス・マネージメント(以下、BPM)の存在を知りました。「個々の業務でなく会社全体でのプロセスを見てシステムと対比しながら効率を上げていくという考え方は大変興味深いものでした」(永井氏)。

現行サーバーの更新を2014年に迎える三菱重工パーキングは、社内システムを見直してBPMによってより効率の良いものに変えようと考えました。「BPMという新しい手法に賭けてみようという気持ちがありましたし、社内にもそのような視点での取り組みが大切との意見がありました。現在稼働しているシステムをプロセス視点で再構築し、統一したプラットフォーム上に3年間で移していき、将来は社内にサーバーインフラを持たずWeb化して業務を進められるようにしようと考えました」(永井氏)。

Transformation

業務プロセス全体を「見える化」し、開発基盤としてIBM Business Process Managerを選定

三菱重工パーキングは、BPMの専門知識を持つJBSソリューションズと共に6カ月間かけて、業務プロセスとシステムをすべて洗い出しました。「会社全体のプロセスを描くための場を週3日の頻度で設け、各セクションの関係者と共に業務のプロセスがどのようになっているかを洗い出してシステムと対比しました。洗い出したプロセスのフロー図を眺めると、『会社の業務はこうだ』といったものが見えるようになりました。見える化したことで、つながっていない部分や付加価値の低いことを行っている部分などが分かってきました」(永井氏)。

三菱重工パーキングはこのように立体駐車場に関する業務を横断するプロセスを見える化し、JBSソリューションズが提案するBPMコンセプトが自社のシステムに適応可能かどうかを検討しました。その結果、e-Openの開発基盤としてIBM Business Process Managerが最適だと判断しました。

選定理由は、段階的に既存システムの機能を移行していくため、その間に陳腐化してしまわない製品ベンダーのプラットフォームであること。また、コスト、機能、実績に優れていること。電子データ交換(EDI)やERPパッケージなど既存のシステム一つ一つを確実につなぎ、それらをきちんと見えるようにする連携技術が標準で提供されていること。さらに、業務の視点とプロセスの視点、どこでどういった作業が滞留し、その原因が何であるかが理解しやすい業務ユーザー視点のポータル機能も用意されていること。反復型開発方法が可能で、プロセス設計時や画面設計時に短時間でユーザー要件を反映できること。これらの要求をすべて満足できる製品がIBM Business Process Managerでした。

Benefits

業務プロセスに合った形で対応し、ワンストップで作業を処理

3カ月単位で改善の成果を実感

2012年3月に3年計画の1年目を終えたe-Openプロジェクトでは、顧客との商談や引合といった立体駐車場に関する最上流の情報を扱う部分が稼働し始めています。「最終的にアフターサービスにまでつながるものにするため、最も上流の部分を最初にきちんとする必要がありました。実際の利用ユーザーの意見も相当取り入れ、現在は順調に稼働しています」(永井氏)。それまで三菱重工パーキングでは、お客様から伺った話の内容、そのときに要求された資料、お客様ごとに作成した見積りや図面などが、メールを使って担当者間でやりとりされていました。これでは、はた目には何をやっているのかが分かりませんし、個々のメールを開いてみなければ状況を確認できません。現在、このようなやりとりは、システム上で行われ、その履歴管理が可能です。お客様からの引合に関する業務は人の行動に依存しているため、これまでシステム化できませんでした。しかし、お客様に必ず提出する見積りや図面などの成果物といったイベントの進捗に着目し「引合台帳」として実装することで、その可視化に成功しました。これによって、どのような案件があり、個々の案件へのどの対応が残っているかが見え、進捗度合が一目で分かるようになりました。「業務の担当者には、無駄な作業をしてほしくありません。人に伝える、置き場所を移す、物を探すなど、付加価値の少ない作業が社内にあります。そのようなものを極小にし、ワンストップですべてが片付き、ストレスなくアクセスできるシステムが理想です。さらに、業務プロセスに合った形でしか対応できないようにすることで、仕事のやり方が自然に身に付き、意識せずに効率の良い仕事ができるようにしたいと考えています」(永井氏)。

また、e-Openプロジェクトでは、3カ月単位で成果が見えるように作業が進められています。三菱重工パーキング 総務部に所属し、同社のシステム開発に長年携わっている白炭憲正氏は、次のように話します。「過去には、仕様書の作成からシステムの完成まで2、3年かかり、その間に利用ユーザーのニーズが変わってしまうケースが数多くありました。e-Openプロジェクトでは、3カ月単位で成果を見せて次の段階に移る反復型の開発方法を採用しました。このやり方は、現場のニーズを吸収でき、とてもよいと思います。利用ユーザーも、この開発方法が便利でよいと思い始めているようです」。実際の開発では、毎週のようにレビューが行われ、要件とシステムのギャップが埋められています。「これまでは、いったん開発を委託すると、開発期間中ユーザーは一切参加できませんでした。e-Openプロジェクトでは、利用ユーザーがレビューに参加して意見を言うことができます。レビューに参加した利用ユーザーにとって違和感がなく納得のいくシステムになっています」(白炭氏)。

計画予算内に収めてプロジェクトを推進

さらに、達成すべき成果目標を3カ月単位で決めることで、計画予算内に収めてコスト超過せずにプロジェクトが進められています。ユーザーの意見を取り入れながら進めるBPMでは、ユーザーからの意見によって対応範囲が広がってしまうことがあります。また、現行の基幹システムに起因する問題を解決したいという要求が数多く出され、改修範囲が基幹システムにまで及んでしまい多大なコストアップにつながることもあります。三菱重工パーキングは、このような問題を避けるため、ユーザーからの要望を取り入れるか否か、どの時点で実現するかを、毎週チェックしながらプロジェクトを進めています。「BPMでは、全体の流れを可視化して仕事を効率化するという前提があります。このため、プロジェクト開始当初に社内の全プロセスを洗い出し、全体を把握することが大切でした。一部だけを見ただけでは、そこだけを一生懸命に対応してしまい、次に何をやるのかが分からない状況になってしまいます。全プロセスを見た上で優先順位を決めているので、いったん開発したものが無駄になることがありません」(永井氏)。

また、従来のシステムは、利用ユーザーの視点で作られ、利用者の業務を支援するだけのものでしかありませんでした。しかし、新システムでは、管理者が判断するための仕組みも用意されています。「担当者には使いやすく、管理者にはきちんと適切に仕事が進んでいることをモニタリングできる機能を取り入れました。それぞれの業務には指定納期があり、それに対する進みや遅れが一目で分かるようになっています。これを見ていくことで、プロセスごとの標準リードタイムとその遅延がどのくらいかが分かり、社内のどの部分がボトルネックであるかが見えてきます」(永井氏)。このようにITの専門家ではなく、業務ユーザーに改善の気付きや自律性を促す試みに対して永井氏は、その効果を次のように期待しています。「このような情報は、これまでアンケートやヒアリングなどの非効率的な方法で把握しようとしていました。これからは、担当者の手を煩わすことなく必要な情報がリアルタイムで取り出せるようになります」。

 

将来の展望

サプライヤーや協力会社による社外プロセスも含めた品質向上を目指す

三菱重工パーキングは、3年計画で進めるe-Openプロジェクトの1年目を終えて、プロセスのつながりが見え、業務上の利便性が上がってきたと実感し始めています。「部門間にわたってプロセスの状況を見ることができ、異変があったときにそれを察知して警告を出してくれること。これがプロセスの品質を上げるために非常に重要です。また、個々のプロセスの差異も見えるようになれば、一切のごまかしができなくなります」(永井氏)。

さらに、永井氏は、e-Openプロジェクトの可能性を次のように話します。「対象とするプロセスの範囲をどんどん社内に延ばしていっても、基本的に新たな開発は必要なく同じ環境で共有でき、そこでの状況をモニタリングできます。これは新しいコンセプトです。立体駐車場に関する業務は、社内だけで完結できるものではありません。将来はサプライヤーや保守作業を委託している協力会社など、社外のプロセスへのモニタリングにも広げられます」。

今後、三菱重工パーキングは、お客様を起点とし社内のさまざまな部門や社外関係先を経由して最終的にお客様に戻る業務プロセスのリードタイムを短縮して品質を向上させ、サプライチェーン・マネージメントをBPMで変革しよう考えています。

 

お客様情報

三菱重工パーキング株式会社は、三菱重工グループの製品事業会社として、立体駐車場の設計、製造、販売、保守に加えて、運営管理や駐車場案内システムなど、総合駐車場メーカーとして確かな物作りと価値あるサービスの提案や提供を目指しています。

 

パートナー情報

JBSソリューションズ株式会社は、2007年の会社設立以来、ソリューションやサービスの提供によるお客様の業務プロセス改革を通じて、お客様のビジネスの成功を支援しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

  • IBM Business Process Manager

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