Business Challenge story

SaaSとして提供するモバイルソリューションBizTouchシリーズのクラウド環境をセキュリティー面から見直し

1998年に創業した福岡情報ビジネスセンターは、「高い志を持ち、技術と信頼でネットワークを築く企業として社会に必要とされることを目指す」という経営理念を掲げながら「SI Service事業」「Logistics Solution事業」「クラウドサービス事業」など、多角的にITビジネスを展開しています。

福岡情報ビジネスセンターの強みは各エンジニアが有する高いスキルにあると同社代表取締役 武藤 元美氏は説明します。 「物流専門、製造業専門、バックオフィス専門、タブレット専門、在庫管理専門など、エンジニアが技術のみならずさまざまな業務に精通していることがわたしたちの強みです。部分的なサービスやソリューションでなくお客様の全社システムのグランド・デザインを策定・構築します。そのため各種研修や勉強会を実施するなど、お客様の経営企画自体に参画できるエンジニアとしての力を付けるための取り組みを続け、知恵のある本物の仕事をするIT界の宮大工を目指しています」 福岡情報ビジネスセンターでは、クラウド事業にも積極的に取り組んでいますが、その1つが「Powerクラウドセンター」の運営です。

「1988年にIBM AS/400が発表され、その後数々の進化を遂げ、現在ではIBM i搭載のIBM Power Systems(以下、Power Systems)として高い評価を得ています。しかし、数年前から日本でのPower Systemsのユーザーが減っているという話を聞きました。その大きな要因としてはPower Systemsの主な言語であるReport Program Generator(以下 RPG)を扱うことができるエンジニアが減少していることが挙げられます。つまり、お客様のPower Systemsへの評価は変わらないのに、仕方なく他機種に変更するというケースが目立つのです。そうした状況を勘案し、Power Systemsのプライベート・クラウド・サービスと弊社のRPG技術者のサービスを提供することで、Power Systemsを使い続けたいというお客様の受け皿となる事業を開始しました。そうしたいきさつで立ち上げたPowerクラウドセンターですが、もちろんPower Systemsユーザーのお客様に限定しているのではなく、Linuxを搭載したPowerLinuxを基盤として圧倒的なテクノロジーの優位性を持ちながらもコスト・パフォーマンスに優れたパブリック・クラウドとしてさまざまなお客様にサービス提供しています」(武藤氏)。

さらに福岡情報ビジネスセンターがクラウドを活用して提供するサービスとしてモバイルソリューションBizTouchシリーズが挙げられます。BizTouchシリーズは、スマートフォンやタブレット向けにSaaSとして提供しているもので、保険業、損保業、金融業、保全業、中古車査定などの業種における調査点検作業をモバイルで支援する「BizTouch-Checker」、モバイル環境での電子カタログを実現する「BizTouch-Catalog」、ルート・セールスなどでの営業支援ツール「BizTouch-SFA」、医療機関や保健機関などにおける営業支援モバイル・カルテ「BizTouch-Medical」をはじめとしてさまざまな業務向けのサービスが充実しています。

「BizTouchシリーズは、スマートフォンが初めて登場した時期に開発を開始したもので、当初はお客様のシステム上で稼働する形式で提供していました。その後、社外のモバイル環境から社内システムにアクセスすることを不安に感じるという意見が寄せられたため、クラウド環境で稼働しSaaSとしてお客様に提供する形態に変更したのです」(武藤氏)。

当初福岡情報ビジネスセンターがBizTouchシリーズの提供に利用していたパブリック・クラウド・サービスでは、サーバーやアプリケーションのメンテナンスを行うためには、インターネット経由でSSH接続する方法に限定されていました。そこでセキュリティー面での強化を図るため福岡情報ビジネスセンターでは別のパブリック・クラウド・サービスの利用を検討し始めました。

Transformation

セキュリティー強化を実現し、高速回線を無料で利用できるSoftLayerを採用

福岡情報ビジネスセンターでは、新たなクラウド環境を検討するため、複数のクラウド・サービスや自社内にクラウド環境を構築する方法などを比較検討しました。そのタイミングでIBMが新たに提供することになったSoftLayerを知ったと武藤氏は言います。

「SoftLayerは、SSL-VPNを使用してダイレクトにプライベートVLANに接続できるため、課題であったセキュリティー強化を実現できる上、10Gbpsという高速回線を無料で使用できます。自社内でクラウド環境を構築する場合、高速回線に大きなコストが掛かってしまうので、この点は非常に魅力的です。小規模の企業であってもグローバル・ビジネスを展開している昨今の状況を踏まえると、それを支援するためにはクラウド環境にも高速ネットワークが求められてきますので、SoftLayerの高速回線は大きな評価ポイントとなりました。またSoftLayer はIBMのパブリック・クラウド・サービスなので、Powerクラウドセンターとの親和性が高く、将来的に両者を組み合わせたサービス展開を検討することも可能になります」

SoftLayer は、IBMが2013年9月から提供を開始した新たなパブリック・クラウド・サービスで、仮想サーバーと物理サーバーを組み合わせて利用できることが大きな特長で、ビッグデータ処理をはじめとするハイパフォーマンス・コンピューティング環境として活用することが可能です。さらにプライベート・クラウドとのハイブリッド環境も柔軟に実現でき、さまざまなビジネス・ニーズに対応できます。

「最初にSoftLayerの話を聞いた際、『IBMは本気でクラウド・ビジネスに取り組み始めた』と感じました。SoftLayerは実績豊富なサービスですが、IBMブランドとしては新しい試みになります。わたしたちも新しいものにチャレンジし、お客様に新たな価値をお届けすることが大切だと考えますので、先頭に立ってSoftLayerを採用することを決めました」(武藤氏)。 2013年末にはSoftLayerの採用を前提に1カ月間のトライアルを開始しました。

Benefits

パフォーマンスの向上、セキュリティーの強化、コスト削減が同時に実現

トライアルの結果、採用に問題がないことが分かった福岡情報ビジネスセンターは本契約を申し込み、まずはBizTouch-CatalogのSoftLayer上での稼働を開始しました。さらにそのタイミングでBizTouch-Checkerの受注があったため、早速SoftLayerからのサービス提供に踏み切りました。

「現在、既存のお客様は旧クラウド環境、新規で受注したお客様はSoftLayerという形で併用していますが、既存のお客様の了解が得られ次第、順次SoftLayerに切り替えていくことを予定しています」(武藤氏)。

SoftLayerを採用した成果について、武藤氏はパフォーマンスの向上を挙げます。

「ハイパフォーマンス・コンピューティング環境と高速回線により、アプリケーションの処理速度が向上していますので、お客様はよりストレスなくBizTouchシリーズのサービスを利用できるようになるでしょう。また課題であったセキュリティー面でも強化され、セキュアなサーバー・メンテナンス環境が無料で構築できるようになりました。さらにSoftLayerではサーバーのモニタリング機能が標準で装備されていて、無料で活用できるのでシステム運用のコスト削減にもつながっています」

福岡情報ビジネスセンターでは、米国サンノゼのデータセンターを採用しています。日本から遠く離れた立地ですが、高速回線を利用できることから、国内のデータセンターとほぼ同等のパフォーマンスを実現しています。また、2014年内には日本のデータセンターからのサービス提供開始が予定されています。

 

将来の展望

プライベート・クラウドとパブリック・クラウドを組み合わせたハイブリッド・クラウドで、より付加価値の高いサービス提供を模索

今後はSoftLayer で展開するBizTouchシリーズのサービスをより専門性を備えたものに深掘りしていきたいと武藤氏は語ります。

「現在BizTouchシリーズはさまざまな業務に対応できるように汎用的な仕様になっています。これを今後は建築業向け、医療機関向け、自動車メーカー向けというように、業界に特化した専門性の高いサービスを提供していきたいと考えています。そうすることで、よりお客様のニーズに沿ったサービスを提供できるようになるでしょう。そしてより多くのお客様向けにSoftLayerからサービスを提供することにつながります」 さらに現在Powerクラウドセンターから提供しているサービスについても、SoftLayerへの移行を検討していると武藤氏は言います。

「現在PowerクラウドセンターでSupply Chain Management(SCM)システムやElectronic Data Interchange(Web EDI)システムなどを構築していますが、これらもSoftLayerに移し、運用負荷の軽減を図っていくことを検討しています」

現在、福岡情報ビジネスセンターでは社内に設置したプライベート・クラウドであるPowerクラウドセンターとパブリック・クラウドのSoftLayerの両者を活用しています。今後はこの両者を組み合わせることで、より付加価値の高いサービス提供を目指しています。

「IBMのサービスで統一されたプライベート・クラウドとパブリック・クラウドのハイブリッド環境で活用できるということは大きな魅力です。そしてその価値を最大限に引き出すためには高い技術力が求められますので、社内のエンジニアが有するスキルを存分に発揮して、新たなサービス提供を模索していきたいと考えています。昨今クラウドを前提としたサービスがスタンダードになってきていますので、わたしたちとしてもクラウド上でのサービス展開へのビジネス・モデルの転換を急ぎたいと思います。そのためにもSoftLayerという安心安全なインフラを活用できることは、わたしたちにとっても、エンドユーザーのお客様にとっても画期的なことだといえるでしょう」(武藤氏)。

福岡情報ビジネスセンターは、今後も高い技術力を生かしながら、さまざまなサービス提供を通じてお客様のビジネスを強力にサポートしていくでしょう。

 

お客様情報

1998年に創業した福岡情報ビジネスセンターは、「高い志を持ち、技術と信頼でネットワークを築く企業として社会に必要とされることを目指す」という経営理念を掲げながら「SI Service事業」「Logistics Solution事業」「クラウドサービス事業」など、多角的にITビジネスを展開しています。

 

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