Business Challenge story

全店に配備することで利用シーンを拡大し使われるテレビ会議システムへ

北海道全域に支店網を張り巡らせている北洋銀行では、支店間や支店と本部間の距離の問題がありました。遠い拠点なら電車で数時間も移動にかかるため、それに伴う交通費や人件費は莫大な額となります。そこで同社は、2006年12月にテレビ会議システムを導入し、ブロック間の会議などに利用してきました。しかし、以前のテレビ会議システムは、本部および主要な店舗30拠点程度にしか配備されておらず、テレビ会議が行われる頻度は月に1回程度で、活用レベルの向上が課題となっていました。システム部 システム企画課 課長の平林誠司氏は次のように説明します。

「従来のシステムは、いわゆるPCベースのテレビ会議システムで、ITに詳しくない行員にとっては扱いやすいものではありませんでした。接続のたびに画像や音声の確認が必要で、会議の30分前から準備しなければなりませんでした。そのため、積極的に利用しようという機運が起こらなかったようです」。

画質や音質にも課題を抱えていたと言います。「導入当時の技術では画質や音質も充分でなかったため、双方向でコミュニケーションを取ろうとしても音声にタイムラグが生じてしまい、話を聞くだけの一方通行に近い状態になることもありました。その結果、相手とのコミュニケーションがうまく取れないまま会議が終わってしまうこともあれば、声を聞き取ることに注力してしまい、肝心の会議に充分に集中できないこともありました」(平林氏)。

こうした状況の中、ハードウェアの更新期限を迎えたことから、テレビ会議システムの更改について、廃止も視野に入れて徹底的に議論。その結果、道内に広がる全拠点に導入を拡大し、より意義のあるテレビ会議システムにしようということになりました。 「テレビ会議システムは、使われなければ意味がありません。そこで、更改するならストレスのかからない、誰もが使えるシステムにしようと決意しました」(平林氏)。

Transformation

セットアップが簡単で、誰でもすぐに使える専用端末型のテレビ会議システムをすべての拠点に配備

新テレビ会議システムの導入に際し北洋銀行は、PC型と専用端末型の2つのタイプを比較。その結果、画質・音質、操作性の面から専用端末型が有利であると判断し、3社の専用端末型テレビ会議システムの中から、IBMが提案した「Cisco TelePresence」を採用しました。選定の決め手をシステム部 システム企画課 主任調査役の藤縄雅規氏は「お茶の間のテレビのように、スイッチを押すだけで使えるわかりやすさがポイントとなりました。また、映像や音声に遅延がなく、リアルタイムに近い状態で会話ができる臨場感も他社を圧倒していました」と説明します。

一方で、テレビ会議システムの導入効果を最大化するために、本部のユーザー部門を巻き込んで活用シーンを徹底的に洗い出したことも見逃せません。「テレビ会議の利用用途を拾い上げていくと、導入拠点数が多ければ多いほど高い投資効果が得られることがわかりました」と平林氏は語ります。 導入プロジェクトは2012年10月からスタートし、 テスト期間を経て2013年4月から各拠点への展開に着手。2013年6月末までに本部から支店まですべての導入を終えました。テレビ会議端末は、利用部門の規模や用途に応じて3つのタイプを用意し、大規模拠点には大画面のテレビ会議端末、小規模拠点には小回りの利く小型端末を配備しています。

回線に関しては、それまで利用してきたテレビ会議専用の回線から、既存のネットワーク回線へと乗り換えました。「要件定義の段階で既存のネットワークを流用しても十分な画質、音声が確保できることが確認できたからです。IBMとともに負荷テストを実施したうえで、帯域と画質のバランスのよい、最適な帯域を決めていきました」とシステム部 システム開発課 調査役の佐藤譲氏は振り返ります。

サーバー機器の導入時は事前に洗い出した利用シーンを考慮して、呼び出し先の登録方法や、接続手順などを細かく検討し、操作端末の画面レイアウトを決定。テレビ会議端末の初期設定は、事前にシステム部内で一斉に行い、キッティングマニュアルを作成したうえで支店に端末を送っています。「端末を箱から出してケーブルをつなぐだけなので、ITの知識を持たない支店のスタッフだけでも家電感覚で設置することができました」(佐藤氏)。

Benefits

会議・研修に伴う交通費・人件費を年間で数千万円削減し投資効果を実現

新テレビ会議システムが稼働して数カ月が経った現在、本部や支店の行員から画質、音質に対する評価の声が多く届いています。「多人数の会議でも声が聞き取りやすく、誰が話しているかまではっきりわかる音質の高さが好評です。画質についても、資料を映して文字を読み取ったり、相手の表情を見ながら微妙なニュアンスを読み取ったりと、Face to Faceに近い感覚で会議ができるようになりました」と藤縄氏は語ります。

テレビ会議端末の操作性も大幅に向上。従来のように会議の30分前から準備する必要がなくなり、端末さえ空いていれば、思い立った時に会議を始めることができます。使い方は簡単で、部屋に据え付けられた専用のLANケーブルを端末に接続し、電源を入れてタッチパネルを操作するだけです。

「普通の電話やFAXと同じ感覚で利用できるので、テレビ会議へのアレルギーがなくなり、行員のモチベーションは確実に向上しました」(藤縄氏)。

テレビ会議の活用シーンも、ブロック長会議からブロック会議、営業店職員に対する新商品説明研修、投信信託・保険などの商品説明会まで拡大しています。「移動にかかる交通費と人件費の削減効果は事前に試算しただけで年間数千万円にのぼります。今後活用シーンが広がり、利用頻度が増えるほど、削減効果は高まるでしょう」と平林氏は強調します。また、経営陣もテレビ会議システムの有効性を認識しているため、活用範囲が拡大していくことで、意思決定の迅速化など、経営面での新たな効果が生まれることに期待しています。

導入を支援したIBMに対しては、提案力、プロジェクトマネジメント力、プロダクト・ソリューションスキルを高く評価。「金融系システムの開発実績と、ネットワークに関する知識も豊富で、銀行に関する業務知識もあり、実務に即した提案を受けることができました」と藤縄氏は述べ、さらに佐藤氏は「導入時は利用者の立場で主体的に取り組んでいただき、システム部だけでは気がつかないアドバイスもいただきました」と語ります。

 

将来の展望

「使われるテレビ会議システム」を維持するとともに活用シーンのさらなる拡大を検討

今後は活用シーンのさらなる拡大を検討し、投資効果を高めていく方針です。「たとえば、金融商品の販売や資金調達、証券化業務等の分野において、本部の専門行員によるお客様への説明などへの利用が考えられます。このようなシステムにおいては、要件定義の段階ですべての用途を洗い出すのではなく、利用者側の自由度を残し、システムを成長させていくような考え方も重要だと思います。システム部門では、こうしたアイデアを業務部門から積極的に出してもらうため、活用に向けたサポートを継続していきます。さらなるコミュニケーション活性化に向け、IBMの提案に期待しています」と平林氏は語ります。

また、「使われるテレビ会議システム」を長きにわたって維持していくことがこれからの課題と考えることから、半年、1年単位で行員の利用状況をモニタリングしながら、活用レベルの維持向上を図っていく計画です。さらに、東日本大震災で一般の電話回線がダウンしてもネットワークは利用できたことも考慮し、災害時の緊急連絡網を想定した運用も検討していくことを明らかにしています。北洋銀行におけるテレビ会議システムは、「みんなが使えるシステム」として進化を遂げていくことは間違いありません。

 

お客様の声

“交通費や移動にかかる人件費など、年間数千万円のコスト削減が見込める計算となりました。今後、利用シーンが増え、システムが成長して行くことも期待しています”

株式会社 北洋銀行 システム部 システム企画課 課長 平林 誠司氏

“画質、音質が高く、タイムラグもほとんどないテレビ会議システムにより、多人数での双方向コミュニケーションが圧倒的に取りやすくなりました”

株式会社 北洋銀行 システム部 システム企画課 主任調査役 藤縄 雅規氏

“開発時は、銀行業務に詳しく、金融システムの構築実績や、ネットワーク知識が豊富なIBM から的確なアドバイスをいただきました”

株式会社 北洋銀行 システム部 システム開発課 調査役 佐藤 譲氏

 

お客様情報

1917年に設立。1989年に普通銀行転換により「北洋銀行」に商号変更。1998年に北海道拓殖銀行より営業譲り受け、さらに2008年の札幌銀行との合併と、2012年の札幌北洋ホールディングスとの合併を経て現在に至る。現在は「北海道の洋々たる発展の礎となる銀行」を経営理念に、地域密着型の金融サービスを提供。札幌大通公園に面した大規模複合ビル「北洋大通センター」内に本店を構え、北海道民に親しまれる存在となっている。

 

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テレビ会議

サービス

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