Business Challenge story

次の10年を担うインフラ構築にどのような技術を採用するか

スマートバリューでは、5~6年前からラック型サーバーを使って物理サーバーをレンタルするホスティング・サービスを企業や自治体向けに提供してきました。しかし物理サーバーを登載したラックの数を増やしながらホスティング・サービスを提供し続けるのは、設置スペースや管理コストなどさまざまな面から限界に近づいていました。

スマートバリュー DCソリューション事業部 Division Manager 玉置 充氏は、次のように話します。「高性能なサーバー上に仮想サーバーを登載し、利用者の要求に応じて柔軟にリソースを振り分けられるクラウド型のサービスが増えており、お客様からもクラウド・サービスに対する問い合わせや要望が増えていました」。

今後、国内市場において2012年~2017年の5年間で、インターネット関連のトラフィック量が現在の3倍程度に、またモバイル関連のトラフィックも現在の15倍程度に増えると予測されており、こうした環境の変化にも迅速かつ柔軟に対応できるインフラの確保が求められていました。

玉置氏は、「仮想化などの技術は、早い時期から取り入れていたので技術的な問題はありませんでした。ただ新しいハードウェアを導入すると、最低でも5年間、長くて10年間は使い続けなければなりません。そこで、どのような構成のハードウェアをどのタイミングで導入するか検討を重ねていました」と話します。

「2012年3月~5月ごろ、IBM BladeCenter(以下、BladeCenter)を導入し、仮想化技術を登載して、おまかせIaaSのインフラを構築することを検討していました。しかしBladeCenterは、2002年に発表されたサーバー製品であり、10年前のアーキテクチャーを導入して、次の10年を担うインフラを構築することに若干の抵抗がありました」(玉置氏)。

そこでIBMの担当者に相談したところ、ちょうど2012年4月に発表されたばかりのIBM Flex System(以下、Flex System)とIBM Storwize V7000(以下、Storwize V7000)によるインフラ構築が提案されました。玉置氏は、「Flex Systemは、今後10年を担うIBMのITインフラ基盤になるという話を聞き、すぐに検討を開始しました」と当時を振り返ります。

検討の結果を玉置氏は、「Flex Systemは仮想化を想定した設計思想で、集約率も高く、メモリーも従来の3倍にあたる768GBまで登載できます。またStorwize V7000は、リアルタイム圧縮やEasy Tier機能、シン・プロビジョニングなどの技術を評価しました。これらの背景から、Flex SystemとStorwize V7000の組み合わせがベストの選択だと判断しました」と話しています。

Transformation

おまかせIaaSのインフラ基盤にFlex SystemStorwize V7000を採用

スマートバリューでは、2012年8月にFlex SystemとStorwize V7000を組み合わせたインフラ構築の提案をIBMから受け、すぐに検討を開始し数週間で採用を決定しました。その後、10月から導入作業を開始し、11月~12月で検証および運用テストを実施して、2013年2月にサービスイン。3月からは、おまかせIaaSのサービス提供を開始しています。

検証では、Flex System上の300台の仮想サーバーからStorwize V7000に一斉にアクセスして、ディスクI/Oに負荷をかけ、問題なく動作することを確認しています。玉置氏は、「FC(ファイバー・チャネル)がボトルネックになっていましたが、300台のサーバーが大量データを一斉に書き込むという、実際にはあり得ない想定のテストなので実使用において影響はありません」と話します。

おまかせIaaSは、IBM Flex System x240コンピュート・ノード(以下、x240)およびIBM Flex System x220コンピュート・ノード(以下、x220)が2台ずつ登載されたFlex SystemとStorwize V7000をFC接続し、10Gbpsのイーサネットで接続されたL2スイッチであるIBM BNT バーチャル・ファブリック 10Gb G8124 ラック・スイッチ(以下、System Networking ラック・スイッチ: 高機能イーサネット・スイッチ)を介して、インターネット経由でサービスを提供。すべての機器はHA構成になっています。 

x240には、フリーのLinuxディストリビューションのCentOSが登載され、ハイパーバイザーとしてKernel-based Virtual Machine(KVM)を利用して、50台の仮想サーバーを稼働させています。またx220は仮想サーバーの管理用サーバーとして利用されています。さらにクラウド・サービス基盤の管理ツールとして、オープンソースのIaaSクラウド・ソフトウェアのCloudStackが採用されています。

スマートバリュー DCソリューション事業部 インフラサービスグループ Group Leader 紙岡 寛行氏は、次のように話します。「当初は100台程度の仮想サーバーが動けば良いと思っていましたが、検証の結果を踏まえてもFlex Systemであれば数百台の仮想サーバーを動かせるのではないかと思います。必要に応じてハードウェアを増強していく計画です」。

ハードウェアの増強について紙岡氏は、「Flex Systemは専用のシャーシに必要なノード(サーバー)を差し込むだけで作業が完了します。配線作業が不要なので、オペレーションミスも少なくなります。またサーバーの筐体のサイズが次世代規格のメモリーに合わせて作られているという話を聞き、これなら10年先まで使い続けられると感じました」と話します。

System Networkingラック・スイッチに関して紙岡氏は、「他社製スイッチと比較しても、違和感はまったくありませんでした。Flex Systemのスイッチ・モジュールにもSystem Networkingラック・スイッチの技術が採用されているので親和性もよかったです。性能的にもまだまだ余裕があり、コスト・パフォーマンスの高いスイッチ製品だと思います」と話しています。

Benefits

Flex SystemBladeCenter5分の1程度の工数で導入が可能

Flex SystemとStorwize V7000を導入した効果について玉置氏は、「以前、提供していたホスティング・サービスからおまかせIaaSに切り替えたお客様からは、サーバーも、ディスクI/Oも、アプリケーションも、明らかに速くなったと好評です。マネージド・サービスなので、仮想サーバーを数分で追加できるのも非常に効果的です。スモール・スタートして、必要に応じて拡張していける柔軟性が高く評価されています」と話します。

またシステム管理面での効果を紙岡氏は、次のように話します。「Flex Systemは、新製品にもかかわらず、マニュアルや設定手順書が充実していたのでほとんど問題なく導入できました。特に管理画面が分かりやすく、設定で困ることはまったくありませんでした。BladeCenterと比較して、5分の1程度の工数で導入できました。導入がスムーズだったので、ネットワーク設計や検証作業に時間を割くことができました」。

一方、Storwize V7000を導入した効果に関しては、仮想化ストレージを実現するための機能が充実しており、リアルタイム圧縮機能やストレージの物理的な容量以上を仮想的に利用可能にするシン・プロビジョニング機能により、効率的な運用管理が可能になっています。紙岡氏は、「現状では、Easy Tier機能は利用していませんが、それでも期待以上の能力を発揮しています」と話します。

「一般的なストレージは、拡張していくと性能が低下してしまうのですが、Storwize V7000はSSDを使って容量を拡張することで性能も向上させることができるので、より一層効果的なサービス提供が可能になりました。これまでストレージは容量でしか評価していませんでしたが、性能面での効果がより有効でした。同等の機能を他社製ストレージで実現するのはコスト的に不可能でした」(紙岡氏)。

さらに予想外だった効果について玉置氏は、「Flex SystemとStorwize V7000を導入する前は、単に新しいものに挑戦してみようという程度でした。しかし実際に導入して使ってみると、仮想化についてよく考えられた製品だと感心しました。また技術者のこともよく考えてあるシステムで、社内のエンジニアの意識の向上にも役立っています。IBMと緊密な関係が築けたこともFlex Systemの導入効果かもしれません」と話しています。

 

将来の展望

今後リプレースするサーバー環境はすべてFlex Systemに集約

今後の展望について紙岡氏は、次のように話します。「既存のインフラをリプレースする時期が近づいているのですが、今後はリプレースするサーバー環境のすべてをFlex SystemとStorwize V7000に集約していくことを検討しています。これにより性能や信頼性、管理性の向上が期待できます」。

一方、玉置氏は、「今後、おまかせIaaSを性能面だけでなく信頼性でもお客様にメリットを訴求できるサービスにしていきたいと思っています。そのためには、例えば多拠点でディザスター・リカバリーを実現したり、グローバル展開を視野に入れたりしています。このときIBM Flex System Managerの管理機能に大いに期待しています。また今後は、スマート・デバイスの普及拡大が加速することが予測されるので、スマート・デバイス向けのDCソリューションに関する提案やサポートをIBMに期待しています」と話しています。

 

お客様の声

株式会社スマートバリュー DCソリューション事業部 Division Manager 玉置 充氏

「Flex Systemは仮想化を想定した設計思想で、集約率も高く、メモリーも従来の3倍の768GBまで登載できます。またStorwize V7000は、リアルタイム圧縮機能やEasy Tier機能、シン・プロビジョニングなどの技術を評価しました。これらの背景から、Flex SystemとStorwize V7000がベストの選択だと判断しました」

株式会社スマートバリュー DCソリューション事業部 インフラサービスグループ Group Leader 紙岡 寛行氏

「Flex Systemは、新製品にもかかわらず、マニュアルや設定手順書が充実していたので、ほとんど問題なく導入することができました。特に管理画面が分かりやすく、設定で困ることはまったくありませんでした。BladeCenterと比較して、5分の1程度の工数で導入できました」

 

お客様情報

データセンターを軸としたインターネット(クラウド)+モバイルに関連した技術・ノウハウなどをコアとしながら、既存社会に存在する課題解決のためのソリューションやサービスを提供しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM Flex System x240コンピュート・ノード
  • IBM Flex System x220コンピュート・ノード
  • IBM Storwize V7000
  • IBM BNT バーチャル・ファブリック 10Gb G8124 ラック・スイッチ

Solution Category

  • Systems Hardware