マスター管理のあり方に関するフィージビリティー・スタディーを行った際、IBMは私たちの要望を理解して、将来のあるべき姿について、さまざまな知見に基づいた提案をしてくれました

—ライオン株式会社 統合システム部 副主席部員 後藤 一意 氏,

Business Challenge story

商品マスターを独立させ、マスター管理システムの構築を決定

2007年、ライオンは基幹システムのオープン化に取り組むことを決め、会計、情報系、マスター関係、販売物流、その他の5つに分けて、新たなシステムを構築することにしました。マスター情報の中でも製商品原材料マスターを最初に再構築し、オールライオンの基本情報をあらゆるシステムでシームレスに利用・活用できるインフラを目指しました。

従来システムでのマスター登録はすべてバッチ処理なので、入力したデータは翌日にならないと反映されませんでした。必須入力項目は50~60個ほどあり、入力ミスをしても、翌日にならないと分からず、印刷などのために商品のJANコードだけが至急必要だという場合でも、他の項目のエラーによって、JANコードが取得できないことがありました。商品マスターの役割について、統合システム部の皆川 泉氏は「商品ラベルやパッケージの印刷はコードがないとできません。

マスターに必要な情報を登録して、JANコードと社内コードを割り当てることからすべてが始まります。緊急時には、手で計算してJANコードを登録し、それが二度と付番されないように、プログラム処理を行うという大変面倒な作業をしていました」と話します。

Transformation

MDM導入、2012年にはバージョンアップして、機能を整備

そこでライオンはマスター管理システムの選定に入り、パッケージ導入やスクラッチでの開発などを比較した結果、最終的にIBMのマスター・データ管理パッケージ、IBM InfoSphere Master Data Management (MDM)を導入することにしました。MDMを選んだ理由について、統合システム部の副主席部員 後藤一意氏は「導入製品を決める前に、ユーザー部門と共にマスター管理のあり方に関するフィージビリティー・スタディーを行った際、IBMは私たちの要望を理解して、将来のあるべき姿について、さまざまな知見に基づいた提案をしてくれました。そのことで、マスター管理に関するストーリーを作ることができましたし、グローバルでの実績や価格がリーズナブルだったことから、MDMに決めました」と説明します。

2009年6月、新しい商品マスター管理システムが稼働を開始しました。その結果、JANコードは必要な情報を登録すれば、即時に取得できるようになりました。

特販事業本部 通販事業部 企画開発室 主任部員の矢ケ崎 繁氏は「市販商品は1つのJANコードを付けると、最後まで同じコードです。ところが通販商品は1品目について、商品マスターは100種類くらいあります。同じ商品でも、定期顧客やWeb会員価格、他の商品とのセットというように販売企画ごとに別コードにするからです。企画から商品供給まで長いリードタイムが必要な市販商品と違い、通販商品は販売企画を立てると、最短で翌日からすぐに販売を開始することが可能です。MDM導入によって、新規登録の確認も直ちにできるようになり、とても短時間で通販商品の受注が開始できるなど、ビジネスのスピードが大変速くなりました」と話します。

2012年10月には、商品マスター管理システムのパフォーマンスを向上させ、さらに安定した状態で使用するためにMDMのバージョンアップを行いました。

近年、社内の各部門や取引先からより細かな商品情報の提供を要請されることも増えてきていました。MDMの新バージョンからは画像もスムーズに登録でき、登録文字量も1項目につき、2,000文字が可能となったため、そうしたニーズに応えることができます。バージョンアップ後の状況について、ヘルス&ホームケア事業本部 事業統括部 事業計画室の瀧澤 絵利子氏は「レスポンスがよくなりましたし、画像をはじめ多くの情報を入力できるようになりました。修正も含めて登録依頼が1件もない日はありませんので、入力作業がスムーズにでき、それが瞬時に反映されることは仕事を効率的に行うという意味でもとても助かります」 と評価しています。

2007年のMDM導入から、IBMのパートナーとして導入や開発の作業を担当しているのが、オフィス・工場・店舗などで使われる消耗品や保守、補修部品などの間接材(MRO)を電子商取引で提供する株式会社アルファパーチェス(以下、アルファパーチェス)のコンサルティング部門です。同部門は2014年1月に独立してATC株式会社(以下、ATC)になっています。

ATCについて、皆川氏は「開発当初から一緒に話し合いながら開発している、とても心強いパートナーです。アルファパーチェスのマスターは約500万件と大規模で、 その管理用に常に私たちの一歩先のバージョンのMDMを使いこなしています。ATCからMDM使用法の指導を受けて、私たちもスキルを向上させることができています」と話します。

    Benefits

    バージョンアップでレスポンスと使い勝手が向上、取引先の要求に応じた商品情報提供が可能に

    MDMのバージョンアップから2年余り、マスター管理システムは順調に稼働しています。バージョンアップの効果について、後藤氏は「最初のMDMはホストの機能をオープン化して、マウスでの操作や画面切り替えなどオープン系の良いところを取り込んだところが大きなポイントでした。バージョンアップによって、機能が大幅に拡充され、微細な不具合も全て解消されました。またレスポンスもよくなり、入力ログの履歴も簡単に見られるようになるなど使い勝手も大きく向上しています」と話します。

    商品情報が拡充されたことで、取引先からキャッチコピーや商品説明文を求められた場合、要望に応じて、迅速にデータを提供できるようになりました。

    一方で、登録情報の増加によるデータの入力間違いを防ぐことが課題ですが、間違った入力をするとその項目に赤いマークが表示されますので、ミスのある項目を見つけて簡単に訂正することができます。

    新バージョンの使い勝手について、皆川氏は「商品マスター・データは、商品の改廃をはじめ、日常的にいろいろな変更作業があります。その際に一括で大量の変更が必要なことがあり、以前はプログラムを書かなければできませんでしたが、今は検索で必要な商品を選び、一括で全件修正することができるようになりました」と話します。

    マスター情報を一元管理し、商品マスターをビジネスの基盤として活用

    ライオンでは商品マスターを独立させて専任が運用してきた経験から、商品マスターがビジネスの基盤だという認識を持っています。そのため、マスター項目を1項目追加する場合でも、各部門との調整の上で、全社レベルで決めています。

    そうした中で、入力部分は整備できたと判断、今後は情報を見たい人の要求に応えて、参照部分を充実させていく考えです。例えば、画像や日本語のPOPはもちろん、中国語や韓国語などでも用意して、日本で買い物をする外国人向けに店頭ですぐに使えるようにできたら営業活動に貢献できるのではないかと考えています。また、e-コマース運営企業からは、それぞれ異なった写真や商品情報提供要求があり、それに迅速に対応できるようにしなければなりません。

    「購買部門ではパッケージ印刷のため、版下イメージを見たいとか、お客様センターでは問い合わせに応えるために、表示ラベルを見たいとか、部門によって画像データでも必要な部分が違います。それに合わせて、専用のデータを担当部門で持っていたりするなど、商品情報が社内に散在しています。そこで、それらを集約して一元管理することで、正確な商品情報の提供を図っていきたいと考えています」と後藤氏は今後の抱負を語ります。ライオンでは社内横断的に商品マスターのさらなる整備に取り組み、商品情報を集約して、ビジネス展開上の基盤として活用し、競争力の強化に役立てていく考えです。

     

    お客様の声

    マスター管理のあり方に関するフィージビリティー・スタディーを行った際、IBMは私たちの要望を理解して、将来のあるべき姿について、さまざまな知見に基づいた提案をしてくれました”

    ライオン株式会社 統合システム部 副主席部員

    後藤 一意 氏

     

    アルファパーチェスのマスターは約500万件と大規模で、その管理用に常に私たちの一歩先のバージョンのMDMを使いこなしています。ATCからMDM使用法の指導を受けて、私たちもスキルを向上させることができています”

    ライオン株式会社 統合システム部

    皆川 泉 氏

     

    “MDM導入によって、新規登録の確認も直ちにできるようになり、とても短時間で通販商品の受注が開始できるなど、ビジネスのスピードが大変速くなりました”

    ライオン株式会社 特販事業本部 通販事業部 企画開発室 主任部員

    矢ケ崎 繁 氏

     

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