Business Challenge story

ビジネス・スピードの確保に向け仮想化テクノロジーによる解決策に着目

「当社では、急な新規業務の開発ニーズが頻繁に発生します。その都度一からシステムを構築していては、リードタイムが長くなり、ビジネス・スピードを確保できません。これからのKDDIエボルバを考えても、早い段階で手を打ちたいと考えていました」と切り出したのは、同社情報システム本部長の三澤洋氏です。

実際、現場の担当者の間でも危機感が高まっていました。同社情報システム本部 システム第3部 副部長 兼 システム管理グループリーダーの茂木一也氏は、その具体的な課題について次のように説明します。

「個別に業務システムを構築していくと、どうしても無駄な投資が発生してしまいます。また、このままサーバー台数が増え続ければ、運用管理の手間もコストも膨らむ一方です。データセンターの電源容量の枯渇も懸念されており、根本的な解決策が必要なのは明らかでした」

そこで着目したのが仮想化テクノロジーです。「今こそ必要なのは、変化を捉えて先手を打てる仕組み。仮想化市場のピークと噂される2012年まで待っていては、それまでの先行投資分が無駄になってしまう。早くやればやるほどコストメリットが大きくなり、技術やノウハウも蓄積できます」と三澤氏。IT投資を最適化し、企業全体でシステムの柔軟性を高めていくためにも、早い段階で仮想化による統合プラットフォームの実現に狙いを定めたのです。今後は、ここに顧客向け業務および社内向け業務を集約し、個別最適からの脱却を図ろうという考えです。

Transformation

仮想化環境における堅牢性を重視し迷わずIBM Power Systemsの採用を決定

2008年12月、仮想化をキーにハードウェアの選定を開始した同社は、IBMのセミナーを通じて仮想化テクノロジーの成熟度を実感。その後他社比較を行う中でIBM Power Systemsを高く評価したのは、次の理由からです。

「これまでの経験からIBM製品に対する絶対的な安心感があったことも事実ですが、IBMはハードウェア・アーキテクチャーに近いところで仮想化を考えている点でも信頼性が高い。物理レイヤーのレベルで論理区画(LPAR)を設定できるのはIBM製品だけです。この点がなぜ重要かというと、あらゆる業務を同一プラットフォーム上で動かす場合に、セキュリティーが担保されるということです。もちろん、コストパフォーマンスの面でも十分な期待がありましたし、提案内容の充実度や質問への的確かつ迅速な対応も決め手になりました。人としての真摯な対応は、その後のやりとりでも共通していましたね」(三澤氏)

こうして今後のビジネス基盤となる統合プラットフォームに、POWERプロセッサー搭載のIBM Power Systemsの採用が決定。IBM Power Systemsは、IBM AIX、IBM i、Linuxを自由に選択できるだけでなく、それらを同一のハードウェア上で利用できるのが大きな特徴です。同社のようなLinuxベースのシステム環境にはx86系サーバーを選択するケースが多い中、迷わずIBM Power Systems を選択したのは、Powerアーキテクチャーが提供する先進の仮想化機能「PowerVM」と、仮想化環境における堅牢性への期待に他なりません。耐障害性に優れた信頼性の高いハードウェアでリソースを効率的に利用できれば、最適なコストバランスを実現しつつ、Linuxの価値を最大限に引き出せると考えたのです。

Benefits

導入効果

先進的な仮想化機能をフル活用して信頼性に優れた変化に強い仕組みを実現

実際のシステム構築は日本情報通信株式会社が担当し、2009年12月には第一弾となる業務がサービスイン。完成したシステムは、アプリケーション・サーバーとデータベース・サーバーにIBM Power 570を各2台、ステージング・サーバーとバックアップ・サーバーにIBM Power 520を各1台で構成。2台のデータベース・サーバーは、実績あるクラスター・ソリューションIBM PowerHA SystemMirror for AIX(HACMP)を使ってHAクラスタ構成を組み、可用性を高めています。また、CPUの処理能力を0.01単位(最小0.1以上)でLPARに割り当てることができるマイクロパーティショニングをはじめ、仮想I/O機能を提供するバーチャルI/Oサーバー(VIOS)、x86 Linuxアプリケーションの実行をサポートするPowerVM Lx86など、IBM Power Systemsの機能をフル活用している点も見逃せません。

サービスイン後はシステム担当者も驚くほどの安定感を発揮しており、「まったくの新規業務が動いているとは思えないほど何の問題もなく、4,000ユーザーが本当に使っているのか不安になるほど。パフォーマンスはもちろん、改めて信頼性の高さを実感しています。POWERプロセッサーの高い省電力機能のおかげでエネルギーコストの削減も期待できます」と茂木氏。三澤氏も、「急激な処理量の増加にも、サーバーを買い直すことなく迅速に対応できます。とにかく変化に強いのでリードタイムが短い。環境構築を一からやり直す場合とでは、数ヵ月単位で違ってくるでしょう。単純にCPUやメモリーの増強なら1日で完了します。詳細な費用分析はこれからですが、確実に費用対効果が見込めます」と強調します。

さらにIBM Power Systemsは、テスト効率の向上にも大きく貢献しました。

「ある業務でCPUネックが明らかになったとき、他の業務に割り当てた区画の一部を0.1単位で動かし、瞬時にCPU能力を増強することができます。負荷試験などでは、先にCPUネックを取り除くことで、クリーンな状態で性能検証が行えるわけです。何より必要な環境をすぐに用意できるのは大きなメリットですし、いざとなれば開発機を本番機として使えるのも強み。ちなみに開発機はIBM Power 520 1台を8区画に切り、AIXとLinux の混在環境で利用していますが、実に安定していますよ」(三澤氏)

 

将来の展望

ダイナミックな開発環境を手にして次々と新たな将来構想の具現化に着手

同社では、引き続き第二弾となるシステム開発が進行中です。「我々のやりたいことが先にあり、そこにダイナミックにシステムを合わせていける。この柔軟性が最大の魅力」と茂木氏。さらに「開発中のシステムはFlashでユーザー・インターフェースを作っているのですが、0.3CPUでもストレスを感じません。POWERプロセッサーのパワーで快適な利用環境を実現できそうです」と語るとおり、システム担当者とユーザーの双方にとって価値あるプラットフォームが完成しつつあります。

早くも同社の視線の先には、次々と新たな将来構想が見え始めています。「今後さらに大規模な計画が動き出すと、最新のPOWER7搭載サーバーを検討する機会もあるかもしれません。その場合も、PowerVMが提供するLive Partition Mobility(LPM)機能を使って筺体間移行が行えるため、業務によってはPOWER6環境をそのまま使い続けるという選択が可能です」(三澤氏)

「Challenge to Change」のスローガンを掲げ、変化に挑戦し続けるKDDIエボルバ。効率的な業務運営、高品質なサービスの提供にとどまらず、常にお客様にとってユニークな存在であろうとする同社を、IBM Power Systemsがダイナミックに支えようとしています。

 

お客様情報

グローバル企業であるKDDIグループの一員として、コールセンター運営を中心に、人材ビジネス、特定信書便事業、保険代理店業、旅行代理店業などさまざまな事業を展開しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

ソフトウェア

  • Red Hat Enterprise Linux
  • IBM PowerVM Virtualization
  • IBM PowerHA SystemMirror for AIX

Solution Category

  • Other