Business Challenge story

車両と修理に関するデータを収集しサービス改善に活用

高級車メーカーであるBMWの狙いは、革新的で独創性のあるデザインと品質を通して顧客を獲得することです。そのためには、常に製品とサービスを評価し、顧客の意見を取り入れることが欠かせません。BMWでは、特定の分析を行うために、車両のエラー・メモリーと顧客やディーラーから届くフィードバックを通して、車両と修理に関するデータを幅広く収集しています。得られた所見は製品やサービスの改善に活用され、その結果、評価、分析、改善に関わる一連の継続的なプロセスが確立されています。

Transformation

効果的に分析されたデータは企業の「生命線」に

データは企業の「活力の源」であるとよくいわれています。BMWグループのようにグローバル規模で事業を展開する企業では、情報は日々ギガバイト単位で生成され、ストレージ空間を埋めていきます。このような膨大な量のデータを管理するのは容易なことではありません。データはデータベースに格納されますが、生データのままでは、特に意味を持ちません。しかし、適切な分析ツールを使うことにより、データは企業の「活力の源」から、必要不可欠な「生命線」へと素早くその姿を変えます。品質管理部門のスタッフは、標準ツールを使って特定の車両のエラー発生頻度などを分析し、状況を集計表にまとめることができます。自動車の保証期間内に発生する障害の数は重要な品質指標の1つです。この数値を低減させることは、障害を取り除くコストの削減と品質の向上につながり、結果的に顧客満足度を高めることができます。

ただし、これまでのビジネス・インテリジェンス (BI) の方法では、一部の車両部品の故障を特定し、評価する程度の単純な分析しかできません。データの増大により、手作業で異常値を除外したり、潜在的な傾向をすべて特定したりすることは、ますます難しくなってきています。さらに、標準的なツールではデータは個別に検討することしかできず、データ間につながりを持たせることはできません。3,000 万通りを超える組み合わせがある中で、従来型のBIツールでは、傾向や相関関係の特定を行うには限界があります。

BMWグループは、IBM SPSSデータ・マイニングおよびテキスト・マイニング・ソフトウェアを導入した結果、今では迅速かつ効率的に分析を行い、分析結果を組み合わせるだけでなく、使い勝手の面でも優れたソリューションを手にいれました。このソリューションは短時間で数千のクエリーを処理する能力を備えているため、大量のデータに対して特定の分析を複数回実行することが可能です。新しい相関関係や傾向の特定には、パターン認識のほか、統計処理や数学処理が行われます。

Benefits

社内プラットフォームで時間を短縮

サービス指向アーキテクチャー (SOA) ベースの汎用的な分析プラットフォームを構築したことで、これらのデータ・マイニング・サービスを同社の他の部門にも展開できることになりました。現在、BMW全体でAVAQS (Advanced Quality System) と呼ばれるIBM SPSSデータ・マイニング・ソフトウェアにアクセスできるようになっています。このアプローチの主な利点は、複雑な分析フローを他のアプリケーション内に透過的に組み込める点です。この結果、SPSSに直接アクセスできなくても、またその使い方を知らなくても分析結果を利用できるため、幅広いユーザーによるデータの活用が可能です。プロセスは数日のうちにスピードアップでき、ユーザーが新しいアプリケーション環境を学ぶ必要もありません。

現在約1,000人の社員がAVAQSプラットフォームを利用して、アドホック分析を含むさまざまなタスクに対応しています。BMWは複雑な、あるいは通常とは異なる分析要件に対処するために分析サービス・チームも設立しています。このチームの専門家が特定の分析をあらかじめ定義・作成しておくことにより、ユーザーはAVAQSから必要に応じて分析情報にアクセスできるようになっています。

 

将来の展望

データ・マイニング・プロセスの適用範囲

このプラットフォーム上で実行できる分析の例は多数挙げることができます。例えば、修理サービスはどの自動車メーカーにとっても重要な分野です。なぜなら、顧客が修理工場に足を運ぶたびに満足度が低下するからです。自動車メーカーにとっては、何度も修理が発生した場合、サービスの改善点を見つけることが非常に重要になります。修理サービスと顧客管理のプロセスに加えて、車両診断も世界中の修理工場で働くスタッフにとって非常に重要な要素です。この場合、コンピューターの活用が極めて効果的です。繰り返し発生している修理に関するデータ、つまり、顧客が修理工場を訪れる理由のなかで、最も高い頻度で発生している修理内容に関する情報の分析はBMWに新しい洞察を提供し、それを研究や製造の分野で活かすことができます。この分析は、繰り返し発生する修理の割合を大幅に改善するのに役立ちます。

もう一つのデータ・マイニング・プロセスの応用例として、燃費データの分析があります。この情報は運転席の計器で収集され、車両のドライバー自身が確認することができます。内部テスト用や実動前の車両の場合、このデータを記録・保存することで、将来他の国で燃費に関する分析を行う際に活用できます。

IBM SPSSの分析ソフトウェアは、BMWの部品の生産拠点であるランツフート工場でも改善に役立っています。鋳造工程では、品質管理のために、熱素子から個々のコンポーネントに関する情報が提供されます。マトリックス・コードは、鋳造した個々のコンポーネントの生産状況を追跡するために、後の段階で使うことも可能です。その結果得られる膨大な量の生産および品質に関するデータとパラメーターは、AVAQSで分析されます。分析から得られた所見は、統計モデルの作成や推論をするために利用されます。これにより、製造工程でのエラーを素早く特定し、適切な改善策を実施することが可能になります。隠れた情報を明らかにするこのプロセスは、改善点を特定し、製品品質を向上させるのに役立ちます。

 

テクノロジープラットフォーム

IBM ビジネス・アナリティクスについて

IBMのビジネス・アナリティクス・ソフトウェアは、業績改善に取り組む意思決定者に対し、実践的な洞察を提供します。IBMは、ビジネス・インテリジェンス、予測分析と高度な分析、財務パフォーマンスと戦略の管理、ガバナンス、リスクおよびコンプライアンス (GRC)、そしてアナリティック・アプリケーションからなる包括的なポートフォリオを用意しています。

IBMソフトウェアは、ビジネスの傾向やパターンあるいは異常の発見、仮説に基づくシナリオの比較、潜在的な脅威や機会の予測、重要なビジネス・リスクの特定および管理、さらには経営資源に関する計画、予算および予測を実現します。IBMの世界中のお客様は、この充実したアナリティクスを使うことで、業績への理解を深める一方、成果への予測を高め、目標への確かな道筋をつけることができます。

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ソフトウェア

  • IBM SPSS Modeler

ソリューション

  • SPSS Modeler
  • Auto: Manufacturing Productivity

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud