Business Challenge story

公務員向け人事評価制度システム「ススムくん」をDB2対応に

「ススムくん」は、ケー・デー・シーが独自に開発した、公務員の人事評価制度に対応するWeb型人事評価システムです。同社事業統括部 技術統括部長の天神良久氏は、「個人評価という仕組みがなかった公務員にとって、人事評価そのものがネガティブな印象を与えるものです。そのネガティブな印象を与えないよう、人事評価制度が“ススム”ように、自分の人事評価が“ススム”ように、そして目標に向かって“ススム”ようにと、前向きなメッセージを込めて“ススムくん”と命名しました」と説明しています。

Web型人事評価システムの「ススムくん」はWebブラウザから利用できるため、さまざまな部門や遠隔地から入力作業や評価・管理といった使い方が可能です。さまざまな運用を想定し、100以上の機能が用意されています。「業績評価と能力評価の2面評価型」「能力評価主体型」「業績評価主体型」の3つの評価制度に対応しているので、評価方法が異なる職種であっても一括管理できます。このほか、職員の目標・評価に関する全データを蓄積することで、各種分析にも対応しています。 「年二回の業績評価と年一回の能力評価が国家公務員の人事評価制度で定められていますが、これらの評価項目を単年度評価として管理できます。評価方法も、絶対評価のほか相対評価も行えるようになっています。また、この単年度評価で蓄積された基礎データをもとに、特定のテーマで抽出する機能も用意しています。この機能を使うことで、成績のいい職員を抽出したり、苦手分野を持つ職員をグルーピングし教育をするといった使い方が可能です」と天神氏が説明するように、公正な評価が行えるだけでなく、人材育成にも利用できるのが特長となっています。

「国家公務員の人事評価制度は、2009年度に法制化されましたが、議論自体は2006年度あたりから始まっていました。人事評価という制度に慣れていない官公庁から、使い勝手のいいシステムを必ず求められるだろうという経営判断もあり、この時期にパッケージソフトの開発を検討しました。同時期に川崎市の人事評価システム開発を受注しましたので、この受託開発を通して培ったノウハウをもとにしてパッケージソフトに仕上げました」(天神氏)と、戦略的なパッケージソフトであると説明しています。

開発当初、「ススムくん」が採用したデータベースはOracle Databaseでした。「もともと川崎市の人事評価システムを開発する際にOracle Databaseを使用したことがきっかけになっています。ただし、データベースは情報を納める箱としてしか使っていませんので、データベースソフトはどんなものであってもかまいません」(天神氏)と説明するように、入札条件によってカスタマイズすることも考慮されていました。実際、日本IBMと共同で入札した案件をきっかけに開発されたのが、「ススムくん」DB2対応版でした。

Transformation

DB2Oracle互換機能により最小限の作業で移行完了

「ススムくん」DB2対応版の開発を担当した事業統括部 情報技術課システム開発係 主任の森下正志氏は、「DB2はほとんど経験がなかったので、すべてDB2にあわせて修正が必要になるのではないかと思っていました。はじめてのことなので、正直不安はありました」と語るように、開発経験の乏しいDB2を使うことに不安を抱いていたと素直に語っています。 「しかし、日本IBMの担当者に話を伺ったところ、最新バージョンであるDB2 9.7にはOracle互換機能が用意されており、その機能を使用すれば修正は最小限に済むと説明を受けました」(森下氏)と、Oracle互換機能を紹介されたと語っています。 DB2 9.7で搭載されたOracle互換機能は、Oracle独自のプログラミング言語「PL/SQL」をサポートするほか、ビルトイン関数・ビルトインパッケージなど、Oracle Database固有の機能や動作をサポートしています。これを利用することで、Oracle Database向けに作られたプログラムを修正することなくDB2に対応させることが可能になっています。

とはいえ、互換性をうたっていても、実際に使ってみると期待した機能が実装されていないことも多いため、森下氏も当初はあまり期待していなかったと語っています。その不安を解消するのに役立ったのが、IBMが提供しているソフトウェアのアセスメントサービスでした。

「ススムくんのアセスメントをIBM側でしていただいたところ、改良しなければいけない部分が明確に示され、当初想定していた作業は不要だということがわかりました。DB2の経験がないSEがアセスメントを受けることなく問題点を洗い出すには大変な作業が必要です。正直想像したくないくらいです。それがアセスメントを受けたことで、どこを直さなければいけないかを簡単に把握できました。Oracle DatabaseとDB2で、機能の違いを理解できたことはSEにとっても技術的なメリットにつながりました」(森下氏)

アセスメントだけでなく、日本IBMからさまざまな技術サポートが提供されたこともスムーズな開発につながったと森下氏は語っています。結果として、当初想定していた大幅な修正作業はなく、最小限の作業で「ススムくん」DB2対応版の開発は完了しました。

Benefits

DB2採用でシステム全体のコスト削減を実現

日本IBMとの共同案件をきっかけに採用したDB2ですが、導入によりシステム全体のコスト低減にも有効であることがわかりました。 「コストメリットについて事前に説明は受けていたのですが、その時点ではピンときていませんでした。しかし、5年間運用するという前提で見積もってみると、ランニングコストは他社製品よりもDB2のほうが低く抑えられることがわかったのです。イニシャルコストに目がいきがちですが、DB2を採用することでインフラコストを大幅に削減できました。提案先である官公庁もコスト削減を重視していますので、DB2を採用したことでコストメリットを強調できるのはうれしいことです」(天神氏)

中規模以上のシステムで利用する場合、他社は基本ライセンスを低く抑えていてもオプションをつけていくと割高になりがちですが、DB2は他社製品と同程度の価格で基本ライセンスが提供されているほか、メンテナンスフィーが他社製品よりも安く設定されています。そのため、中規模以上のシステムが使われる5年という期間で比較すると、DB2の価格優位性が出るのです。

また、選択肢が増えたこともケー・デー・シーにとって大きなメリットになりました。 「官公庁の入札案件では、ソフトウェアとハードウェアは別々になっていることがほとんどです。その際、特定のハードウェアに依存するソフトウェアを用いたシステムを提案すると、結果としてハードウェアの選択肢を絞ることになります。今回、Oracle DatabaseのほかにDB2をサポートしたことで、官公庁に対して入札範囲を広げられるメリットを提供することができました」(天神氏)

移行のお問い合わせ先(DBCOST@jp.ibm.com)

Oracle(オラクル)からDB2への移行支援サービスオフィス

 

将来の展望

コストメリットを強調し、官公庁の人事評価システム構築に寄与

ケー・デー・シーでは今後、中規模以上のシステムではDB2対応版を中心に提案すると話しています。「最終的には、採用する官公庁のご判断になりますが、コストメリットの高いDB2を前面に出していく予定です。他社製品と比べても、データベースとしての安定性ではなんの問題もありません。官公庁もコスト意識は高まっていますので、DB2を利用するメリットは理解していただけると思います」(天神氏)

現状の人事評価制度は国家公務員を対象としたものですが、今後は地方自治体や独立行政法人も対象範囲に含められると天神氏は語っています。 「多くの自治体は、Excelなどを使って人事評価を手作業で実施しているのが現状です。実際、システム運用している自治体の割合は3.5%と低く、500名以上の職員を抱えている自治体に絞ってみても8%程度です。システム化を検討する自治体は今後確実に増えるとみています。今回のDB2対応版により、選択肢を増やすことができましたし、なによりコストメリットを高めることができました。このDB2対応版を生かして、官公庁の人事評価システムでの採用を目指します」

 

お客様情報

総合建設コンサルタント企業である株式会社協和コンサルタンツの情報処理子会社として、1995年に創立。官公庁向けに「情報処理サービス」「建設サービス」「人材サービス」の3事業を中心に展開。自治体の人事評価制度普及をビジネス・チャンスととらえ、2007年に公務員向けWeb型人事評価システム「ススムくん」をリリースするなど、官公庁向けの業務ITシステムに力を 入れている。

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ソリューション

DB2 for Linux, UNIX and Windows family

Solution Category

  • IBM Cloud
  • IBM Hybrid Cloud
  • Systems Hardware