Business Challenge story

何を重要な指標として見るべきか、どんなデータ分析を行うべきか

GDOでは、ゴルフに関わるあらゆる側面を網羅する、「リテールビジネス」(ゴルフ用品のインターネット販売)、「ゴルフ場ビジネス」(インターネットなどによるゴルフ場予約サービス、ゴルフ場の営業サポート)、「メディアビジネス」(オンラインメディアの運営、インターネットを中心とした広告事業、モバイルサービスの提供・運営)の3つの分野の相乗効果を狙った事業展開のことを「トライシクル(三輪車)・モデル」と呼び、2000年の会社設立以来、高い成長を継続してきました。現在、ポータル・サイトの会員数は約217万人(2012年度)で前年比113%の伸びを記録し、月間の総ページ・ビュー(Webサイトのページ閲覧回数)は1億を超える規模となっています。

GDOは、「トライシクル・モデル」が奏功して、短期間で事業を拡大することに成功しましたが、設立当初は事実(ファクト)としてのデータを集めて分析し、事業の問題点を洗い出し、改善プランを立案・実行するという、いわゆる“Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)”の4段階から成るマネージメント・サイクル(PDCAサイクル)が十分に確立されていませんでした。

そこで、現在は、同社マーケティング部の部長を務める中澤伸也氏が、「データマイニング・チーム」の立ち上げ担当として入社し、データに基づく事業のかじ取りを行える体制づくりを推進してきました。PDCAサイクルを回すためには、事業の現状を的確に把握できる数字、すなわちKey Performance Indicators(KPI)を定点観測し、それを適切なレポート(帳票)としてとりまとめ、社内の関係者と共有しなければなりません。しかし、中澤氏が入社した当時は、GDOの事業においては、そもそもどんな数字がKPIとして有効なのか、それをどのように分析し、レポートすべきかが明確ではありませんでした。

中澤氏は「KPIがすでに決まっていて、明確な分析・レポーティングの要件があれば、システム部門に依頼して出してもらえばよいわけです。しかし、新たなKPIの設定や探索的な分析などの場合には、さまざまなデータを集めて、あれこれ分析しながら、試行錯誤を繰り返す環境が必要でした。GDOの場合、2011年にその両方を整備しました」と話します。

Transformation

操作の容易さと分析プロセスの継承可能性を評価して、IBM SPSS製品導入を決定

中澤氏率いるデータマイニング・チーム(現在はマーケティング部に吸収)では、中澤氏が以前から利用していたIBM SPSS StatisticsとIBM SPSS Modelerの採用を決定しました。中澤氏は2つの製品の採用の理由として、高度な分析を行える機能性の高さに加えて、わかりやすいインターフェースによって、操作が容易であることを挙げています。したがって、データ分析を専門としていないマーケター(マーケティング理論や調査に専門的な知識を持つマーケティング戦略立案者)でも基本的な集計・分析を実行することが可能です。一方、データマイニングなど、複雑な分析を行うデータ分析の専門家であるデータ・サイエンティストも同じSPSS製品を利用しています。そのため、日常的なデータ分析はマーケターが自ら行い、高度な分析はデータ・サイエンティストに依頼するといった役割分担がSPSS製品上で可能になり、SPSS製品がマーケターとデータ・サイエンティストをつなぐ「共通言語」として機能します。

また、過去の分析プロセスが、IBM SPSS Statisticsの「Syntax」や、IBM SPSS Modelerの「ストリーム」というナレッジ(知識)として継承可能 な点も導入決定のポイントでした。現在、分析実務は、マーケティング部のPR/プロモーション・チームの光山勝之氏が行っています。データマイニング・チームの立ち上げ以来、分析実務を担当するのは、光山氏が4人目になります。これまでの前任者と同様に光山氏もGDOが蓄積してきた分析内容をナレッジとして引き継ぎ、さらに進化させていくことができるのです。

Benefits

大量のデータを迅速に収集・分析し、事業運営に反映させる仕組みの構築に成功

データマイニング・チームでは、3つの事業分野で日々生成される大量の生データを基に、さまざまな集計と分析を試みました。経営会議では、BIで出したアウトプットをベースに共有して、把握すべきKPIとその最適な集計、分析方法やレポート形式を洗練させていきました。また、現場レベルでは、生データをIBM SPSS StatisticsとIBM SPSS Modelerに取り込んで、戦術や施策レベルでの仮説立案や検証に役立てています。こうして、GDOでは、事実に基づく事業運営の検証と改善施策の立案・実行を行うマネージメント・サイクルが確立していきました。

中澤氏は「SPSS製品は、Microsoft AccessとExcelの利点を兼ね備えたようなソフトウェアであり、多様な分析を簡単に、かつ迅速に行うことができます。試行錯誤しながら、データ分析、レポーティングの仕組みを作り上げていく“スパイラルアップ・アプローチ”に適していました」と振り返ります。

また、GDOでは、2011年にデータ活用環境を刷新して、顧客データ、Webサイトのアクセス・ログ・データ、販売実績データを顧客IDでひも付けた「統合データ」の分析が可能になりました。この統合データの分析においてもIBM SPSS Modelerが活躍しています。

統合データの分析の主眼は、誰が、どんなルート、きっかけでGDOのポータル・サイトを訪れ、どのページをどの程度閲覧し、最終的にいつ、どんな製品を購入したかという、一連の「購買意思決定プロセス」をある程度の長期間にわたって把握し、購買行動に大きな影響を与えている要因が何かを定量的に測定することにあります。こうした分析は「アトリビューション分析」と呼ばれていますが、データが複雑かつ大量であるため、試行錯誤を繰り返す取り組みが必要になります。IBM SPSS Modelerであれば、「ストリーム」によって分析の手順が可視化されるため、試行を繰り返しながら「ストリーム」を修正して、最適な分析方法を目指すことができるのです。

分析を担当する光山氏は「まだ一般的な方法論がないアトリビューション分析においても、IBM SPSS Modeler上で分析を試行しながらストリームを修正、拡張していくことで、GDO独自のKPI測定・報告スタイルを確立しようとしています。処理スピードが速いので、効率的に分析が行える点もIBM SPSS Modelerのメリットです」と説明します。

 

将来の展望

戦術的なデータ分析に加えて、データマイニングによる優良顧客の発見と育成

顧客データ、アクセス・ログ・データ、販売実績データを顧客IDで結びつけた「統合データ」の分析により、顧客の購買意思決定プロセスが可視化できることから、GDO側が想定していなかった顧客の行動が次々と明らかになりつつあります。

中澤氏は「こうした顧客行動に関する新たなインサイト(洞察)の発見は、短期的な収益向上をもたらす施策へと展開可能なものがあります。まずは、具体的な打ち手につながること、つまり“戦術的”なデータ分析に力を入れています」と話します。

一方で、中・長期的な収益向上、すなわち“戦略的”なデータ分析について、GDOでは以前から、顧客一人ひとりの複数年の累積販売金額などを集計して、顧客の資産的価値を測定する「カスタマーエクイティー分析」を実施しているほか、近年では大学機関との産学連携を積極的に推進し、多変量解析(多くの情報を分析者の仮説に基づいて関連性を明確にする統計的方法)をはじめとするデータマイニングを活用し、例えば将来の優良顧客と見込まれる顧客を識別して、顧客育成プログラムを走らせるといった取り組みを行っています。GDOはSPSS製品を活用して、“戦術的”、“戦略的”、両方の視点からデータ分析をさらに進化させていこうとしています。

 

IBM Business Analytics について

IBMのビジネス・アナリティクス・ソフトウェアは、業績改善に取り組む意思決定者に対し、実践的な洞察を提供します。IBMは、ビジネス・インテリジェンス、予測分析と高度な分析、財務パフォーマンスと戦略の管理、ガバナンス、リスクおよびコンプライアンス(GRC)、そしてアナリティック・アプリケーションからなる包括的なポートフォリオを用意しています。IBMソフトウェアは、ビジネスの傾向やパターンあるいは異常の発見、仮説に基づくシナリオの比較、潜在的な脅威や機会の予測、重要なビジネス・リスクの特定および管理、さらには経営資源に関する計画、予算および予測を実現します。IBMの世界中のお客様は、この充実したアナリティクスを使うことで、業績への理解を深める一方、成果への予測を高め、目標への確かな道筋をつけることができます。

 

お客様情報

2000年設立。ゴルフ用品のインターネット販売を行う「リテールビジネス」、インターネット・電話・モバイルによるゴルフ場の予約サービス、ゴルフ場の営業サポートを行う「ゴルフ場ビジネス」、オンラインメディアの運営、インターネットを中心とした広告事業、モバイルサービスの提供・運営を行う「メディアビジネス」の3つの事業を展開。

 

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ソフトウェア

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  • IBM Hybrid Cloud