Business Challenge story

機会損失、信用失墜を避けるためにはWebサイトの品質管理が必要

Webによるサービス提供は、Webサイトの品質がきちんと管理されることで、初めてお客様の役に立つものになります。Webサイトの品質が低いと、お客様からの信用は得られません。リンクをクリックしても目的のWebページが表示されなかったり、画像や動画が多数埋め込まれていたため表示に時間がかかったりすると、素早く的確に情報が伝わらず、お客様との取引の機会が失われてしまいます。また、表示内容に誤りがあったときには、損害賠償が発生する恐れもあります。さらに、いったん失われたお客様の信用は、長い時間と多くの努力をかけなければ取り戻せません。このため、Webサイトの品質は高く保ち続ける必要があります。

みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などの銀行持株会社であるみずほFGも、グループ各社のWebサイトの品質を統一して高く保つことは、グループのブランド力の強化にとって重要な要素だと考えています。しかし、グループ全体のWebサイトを企画している、みずほFG コーポレート・コミュニケーション部 Web企画チームの村尾英嗣次長は、実際のWebページでの品質管理の難しさを次のように話します。「対象となるWebページ数がグループ全体で約20,000ページもあります。きちんとチェックして制作しても、サービス内容の変更などで1年間に3割以上のWebページが新しいものにかわります。人手に頼ってチェックしている限り、漏れが出てしまいます。Webサイトの品質に関する問題にきちんと対応していかなければならないという意識が常にあります」

Transformation

基準が守られていることを確認するために品質管理ツールを導入

みずほFGは、大量のWebページの品質を統一して管理するために、基準を定める必要があると考えました。基準がなければ、どこまでチェックするのか、またどのようなルールでチェックするかが分かりません。みずほFGは、『Webコンテンツ制作ガイドライン』と『Webユーザビリティ/アクセシビリティガイドライン』の2つの基準を設けています。Webコンテンツ制作ガイドラインは、Webサイトの具体的な制作基準で、制作実務を依頼する外部の制作会社と共に作成しています。これに対してWebユーザビリティ/アクセシビリティガイドラインは、Webサイトユーザビリティ/アクセシビリティに関するグループ全体でのルールを示しています。みずほFGでは、Webユーザビリティ/アクセシビリティガイドラインを基に、お客様が快適に利用いただけるようにWebサイトが運営されています。

また、基準を定めただけでは品質は確保できません。基準が守られていることを確認する体制が必要です。しかし、グループ各社の膨大なWebページ量をすべて人手に頼ってチェックすることはできません。そこで、みずほFGは、Webサイトの品質管理ツールを導入することにしました。「品質管理ツールを導入すれば、かなりの部分を自動的にチェックでき、人手に頼る部分を減らせると考えました。ツールの導入によって、時間をかけずに広範囲をチェックできることは、大きなメリットです」と話す村尾氏は、品質管理ツールとしてIBM Rational Policy Testerを採用した理由を次のように続けます。「カバーできる範囲やチェックの精度を考えたとき、IBM Rational Policy Tester以外のツールはありませんでした」

Benefits

成果を体感できる工夫、1週間単位の改修体制によってエラー件数を大幅に削減

みずほFG コーポレート・コミュニケーション部 Web企画チームで調査役を務める春田英利子氏は、IBM Rational Policy Testerの効果を次のように話します。「単純なリンク切れはソースコードを見るだけで改修できますが、JavaScriptを使ったような複雑なものは処理内の呼び出しでリンク切れが生じていることがあります。IBM Rational Policy Testerは、このような複雑なエラーも報告してくれて、とても性能がよいです」

みずほFGは、IBM Rational Policy Testerから報告されたすべてのエラーを一度に改修するのではなく、いくつかのブロックに分けて順に対応していきました。「ブロックは、お客様に迷惑がかかるかどうかという重要度と、成果が上がりやすいかどうかという2つの点で選びました。対処することでエラーが減り成果が上がっていくときの感覚は、ゲームで点数が上がっていくときと同じようにうれしいものです」(村尾氏)。

また、みずほFGは、発見された問題のステータスを IBM Rational Policy Tester を使って管理しています。IBM Rational Policy Tester では、新たに見つかった問題が「オープン」と言うステータスで表示されます。すでに修正依頼を行なったものや、修正が完了した問題を対応するステータスでマークしておけば、新たに見つかったエラーがすぐに分かります。さらに、ステータスの表示・非表示機能を利用して、優先度の高いもののみを表示するようにもしています。このような工夫によって、「不必要なプレッシャーを感じず、成果が上がっていることを実感しながら運用しています」と春田氏は話します。

春田氏は、運営サービスを委託しているバーチャルコミュニケーションズ株式会社(以下、バーチャルコミュニケーションズ)によるサポートも重要だと話します。「JavaScriptを使ったような複雑なものは、何がエラーの原因かが分からない場合があります。このようなときには、バーチャルコミュニケーションズに調査をお願いしています」

村尾氏もバーチャルコミュニケーションズのサポートがWebサイトの品質向上に大きく寄与していると話します。「私たちの要望に、きめ細かく対応していただいています。単にサービスの提供を受けるだけでは、その効果が限定されたものになってしまいます。この部分はこうしたほうがよいといったチューニング作業を行ってきて、現在の状態に至っています。このようなチューニングの過程が重要でした」

バーチャルコミュニケーションズ インターネットテクノロジー部 サービスグループでマネージャーを務める上濱直樹氏は、このような手厚いサポートがなぜ必要なのかを次のように話します。「リンク切れなどのエラーがあっても、そのまま放っておいて後回しにしてしまう会社がかなりあります。エラーの原因を詳しく調べていくために多大なリソースが必要だからです。しかし、リンク切れなどのエラーは機会損失に直結するため、チェックの必要性を啓蒙し続けています。担当の方がソースコードを見てエラー原因を追究することが難しいときには、その部分を手伝うようにしています」

みずほFGは、1週間単位で繰り返す改修体制を築くことで、Webサイトの品質管理を常に高い状態に保っています。毎週火曜日に、IBM Rational Policy TesterでWebサイト内をチェックし、その結果を基に水曜日に改善策が検討されます。この改善策は、妥当性や優先度が判断された後、修正内容として指示され、翌週月曜日までにエラーの改修が完了します。「担当者が一人で対応していると、優先度を下げて放置してしまうことになると思います。ワークフローに従って週単位で処理し、メンバーから頻繁に状況が確認されることで、エラーを放置できない体制になっています」(春田氏)。

村尾氏や春田氏が所属するWeb企画チームでのこのような努力によって、導入前には2万件台であったリンク切れエラー件数は、数件程度で推移するまでに大幅削減されました。

将来の展望

アクセシビリティへの適合や海外拠点への展開を計画

みずほFGは、アクセシビリティの適合チェックにもIBM Rational Policy Testerを使っていこうと考えています。JIS X 8341-3『高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器、ソフトウェアおよびサービス−第3部: ウェブコンテンツ』が改訂されたことで、みずほFGが定めているWebユーザビリティ/アクセシビリティガイドラインの内容も改定後のJIS X8341-3 に準拠しました。「IBM Rational Policy Tester には、JIS X8341-3 と同等のW3C(World Wide Web Consortium) WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)2.0の準拠状況をチェックできるレポートがあるので、これからは、新しい基準に従ってWebサイトを構築していき、その中でIBM Rational Policy Testerによるアクセシビリティの適合チェックも活用していきます」と話す村尾氏は、品質管理の適用範囲をより多くのグループ各社に広げていこうとも考えています。「現在、IBM Rational Policy Testerを使った品質管理は主要なグループ会社に対してのみ行っています。今後は、海外拠点などの他のグループ会社にも適用しチェックの範囲を広げていきます」

みずほFGは、日々の業務で生じる問題を簡単でシンプルにコストや時間をかけず解決するソリューションとして、IBM Rational Policy Testerを高く評価し利用しています。

お客様情報

株式会社みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほ情報総研などのグループ会社の経営管理を業務としている銀行持株会社です。同社のコーポレート・コミュニケーション部は、広報、ブランドマネージメント、CSR(Corporate Social Responsibility)、Webに関する社内外とのさまざまなコミュニケーションを担当しています。

パートナー情報

バーチャルコミュニケーションズ株式会社は、サイト設計や制作などのWebインテグレーション、マーケティングツールや品質管理ツールの導入を支援するWebサービス、検索連動広告やバナー広告などのメディアプランニングの3事業によって、社内外のコミュニケーションチャネルの中心であるWebコミュニケーションサービスをグローバルに提供しています。

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