Business Challenge story

社内の課題を解決するために社外の力を活用

公衆無線LANサービスは、スマートフォンやタブレット端末の普及とともに急増し、利用者の利便性を向上させています。また、飲食店などの経営者にとっては、顧客を店舗に呼び込むための大きなセールスポイントの1つになっています。Wi2は、鉄道駅や飲食店などを中心に国内最大規模数の公衆無線LANスポットを提供しています。また、最近増え続けている訪日外国人に対して無償で公衆無線LANサービスを提供するとともに、国内に幅広く展開したアクセスポイントからの情報を元にその利用動向を把握し、マーケティング情報として企業に提供するサービスも始めています。 このように質と量の両面からサービスの提供範囲を拡大し続けているWi2にも、取り組まなければならないいくつかの課題がありました。Wi2で技術部門を統括する取締役CTO 技術運用本部長 小松直人氏は次のように話します。「これまでは業務を進める上でスピードを重視してきました。その結果、本来必要であるドキュメントの整備や業務プロセスの標準化への対応がどうしても遅れてしまうことがありました。この課題を解決するために1年ほど前から社内スタッフだけで試行錯誤を続けてきて、ある程度の効果はあったのですが、飛躍的な効果でなく社内スタッフのオーバーヘッドにもなっていました」。 技術運用本部 開発検証環境チーム アシスタントマネージャー 矢崎昌弘氏は、ドキュメント整備や業務プロセスの標準化を早急に進めるべきと感じた具体例を次のように話します。「サーバーなどのサービスインフラで障害が発生したときに、復旧するための手順は決まっていたのですが、障害の影響範囲を把握するスピード感が十分ではありませんでした。また、アプリケーションに関しても、ドキュメントの整備不足により工数を費やしてしまうということが多々ありました」。 Wi2は、こうした課題を解決するために、社内スタッフのみで検討を続けるのでなく、社外からの協力を得て進めていこうと考えました。「Wi2社内だけで課題解決のための方法を考えても、それはWi2特有のものにしかなりません。Wi2が課題だと思っていることを、他の企業はどのように考え、どのように解決しているのかをいろいろと調べ、世の中で一般的に使われているフレームワークに社内のやり方を載せれば効果的に解決できるのではないかと考えました」(小松氏)。

Transformation

業務プロセスを理解した上でのIBMの提案を高く評価

Wi2は、自らの課題を解決するために、いくつかのベンダーに相談しました。しかし、Wi2が満足できる回答を提示するベンダーは見つかりませんでした。「相談したベンダーは、製品やツールを持っていて、それらを使えばこのような効果がありますと説明してくれました。しかし、製品やツールを導入しても、導入後は自分たちで何とかしてくださいと言われてしまうと、結局これまで自分たちだけで取り組んできたこととほとんど変わらないものになってしまいます。本来あるべき姿がどのようなもので、そのために何をしなければならないかといった、コンサルテーションに近い部分も含めて、Wi2と一緒に取り組んでくれるベンダーが必要でした」(小松氏)。 このようなとき、Wi2は、DevOpsに大きな投資を行っているIBMにも同様の相談をしてみました。そして、IBMが示す真摯に取り組む姿勢とスピード感ある対応を高く評価し、現状把握と課題発見をIBMと進めることにしました。技術運用本部 副本部長の相馬賢司氏は次のように話します。「Wi2のシステムや問題点を数回の打ち合わせで理解され、非常に短い時間で提案された点がすばらしいと感じました」。また、提案の内容が見やすくわかりやすい点も評価しています。「これまでの開発のプロセスや手順は、明確なルールが定まっていない状況でした。そのため説明資料を十分な形で用意できなかったのですが、われわれの課題や要望をくみとり、現状や今後向かうべき方向をきれいにまとめ、わかりやすく図式化してくれました」と矢崎氏は話します。さらに「業務プロセスの改善に関しても、これまで以上のレベルに引き上げるための方法が、営業、設計、開発、検証といったWi2の組織に合わせてきちんと示されていて、非常に見やすくわかりやすくなっていました」(矢崎氏)。 Wi2は、IBMからの提案をもとにIBM Rational Team ConcertとIBM UrbanCode Deployをツールとして導入し、ドキュメント整備や業務プロセスに関する課題に取り組んでいくことにしました。「最初にツールを選んだわけでなく、業務プロセスを整備したいと考えていました。IBMは、この部分を理解して業務の分析に重点的に取り組み、きちんと視覚化してくれました。これによって、あらためてWi2での業務プロセスの現状を認識でき、課題も浮き彫りにできました。業務フローや業務プロセスを確認した上でツールを選ばなければ、ツールの能力を引き出せません。そして、選んだツールを使うために業務フローや業務プロセスを整備し、ツールを使うことで業務自体をこれまでより楽にこなせるようになると考えました」(相馬氏)。

Benefits

ドキュメント整備、状況把握、ノウハウ蓄積といった効果を期待

IBM Rational Team Concertの導入によって、ドキュメント管理に関する課題が大きく改善できると期待されています。「IBM Rational Team Concertを導入することで、開発の時期やそのときのアプリケーションのバージョンとそれらに関係するドキュメントが一元的に管理できるようになり、 効率のアップにもつながると期待しています」(矢崎氏)。さらに、タスク管理や工数管理に関しても、見積もり精度と実績把握の両面で大きな改善が望めると 考えています。「チームが現在どのような状況で稼働し、作業がどれだけ進んでいるかを、一目見てわかることが、とても重要だと思っています。そのために も、きちんと作業時間を管理していくことが、サービスの設計や開発にどのくらいの工数がかかるかを正確に見積もるために不可欠な要素です。今後は進捗状況 や実績をより詳しく把握できるようになり、お互いに前向きなコミュニケーションができると思います。開発プロセスにおいて、この効果は大変大きなものにな ります。またエンジニアは自分が置かれている状況を見ることができ、営業担当者は受注した案件がリリースまでのどのフェーズにあるかを知ることができま す」(小松氏)。 また、Wi2は、IBM UrbanCode Deployの導入によって、サービスのリリースがスピードアップするだけでなく、社内の知識やノウハウを共有するしくみもできていくと考えています。 「リリースのために必要な作業を自動化するしくみの中には、それまで人が介在していた手続きが入っていくはずです。そこには、それまでに失敗したり苦労し たりした部分がすべて網羅されるため、このしくみを使えば新たに担当する人でも間違いなくサービスをリリースできます。このように知識やノウハウを蓄積す る方法が変わることが、今回の取り組みでの大きなポイントの1つだと思っています」(小松氏)。

 

将来の展望

課題解決の方法を、スピード感を持って社内に展開

Wi2は、IBMと検討を進め、業務プロセスの現状把握と課題を明確にした上で、IBM製品を使って課題の解決を図っていますが、現状は課題解決のための 糸口を見つけた段階です。小松氏は次のように話します。「これからは、今回のしくみを社内にしっかりと根付かせることに注力します。まずは、自然に使える ようになることが取り組むべきフェーズになります」。矢崎氏も「今は開発環境での確認を終えたところまでしか進んでいません。今後、確認した結果を検証環 境や商用環境に結びつけていきます。ただし、それぞれの環境は構成などが異なるため、いろいろな課題がさらに出てくるかもしれません。それらを速やかに解 決して、設計、開発、検証、リリースの一連の流れをスピードアップし効率化するよう、取り組んでいきたい」と話します。 Wi2は、今回の改善のためのアプローチで社内スタッフとともに検討を進めたIBMに、業務プロセスへの一層の理解とさらなる提案を期待しています。

 

お客様情報

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、公衆無線LANの通信インフラを構築し、快適で安心安全な通信サービスを提供しています。同社は、スマートフォン やタブレットなどの無線LAN対応機器の多様化と爆発的な普及によって欠くことができないものとなった公衆無線LANスポットを、主要鉄道駅やカフェ・ ファストフード店などを中心に国内最大規模数で提供しています。また2020年に向け、企業・自治体など約20の参画パートナーとともに「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトを立ち上げるなど、インバウンドビジネスの活性化に向けた先進的な取り組みを進めています。

 

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