Business Challenge story

システム管理を効率よく運用情報を活用したい

グローバルに業務を展開している三菱東京UFJ銀行において銀行業務とシステムの重要性について、システム部 ITサービス室長 兼 多摩ビジネスセンター所長 池上 康英氏は次のように語ります。

「銀行の業務というのは、止まってしまうと社会的な問題につながります。絶対に止められないという意識で日々運用を行っています。その業務を支える運用基盤として、ハードウェアの管理、運用監視を提供し、さらに各種業務データを多様な切り口でまとめ、資料として顧客や社内の各拠点に提供することもしています」

三菱東京UFJ銀行では、以前からTivoliソフトウェア製品を活用してきましたが、合併によるシステム統合に加え、さまざまなシステムや製品が組み込まれ、監視対象のシステムが増加していました。運用ボリュームが増大し、複雑化したシステムをどう監視していくのかが課題となっていました。

「オペレーターの増員だけではなく、運用力を上げるための抜本的な対策が必要と考えていました。ある程度の自動化は進めていましたが、システムごとの運用実績や障害トラブル情報、臨時の運用結果、また定型オペレーションの時限管理など、オペレーターによる手作業となっているものが少なくない点が問題だと感じていました」(システム部 ITサービス室 上席調査役 阿部 博文氏)

さらに、テーマとなったのが情報の活用です。多くの運用情報が、それぞれ個別のフォーマットやアプリケーションで管理され、システム的に一元化されていませんでした。そのため情報が十分に活用されていない状況にありました。

Transformation

コンサルティングによりシステム評価と課題を把握。IBM Tivoli Service Request Managerでインシデント管理、運行管理(オペレーション実施管理)を自動化

通常業務では問題なくとも、急な障害対応や臨時運用の増加時には、オペレーターが不足するのではないかとの懸念もあり、システム部では解決策を模索していました。J-SOX法や内部統制など、銀行を取り巻く外部環境も変化する中で、システム運用管理の品質向上は必須でした。業界標準としてのITIL等も視野に入れ、IBMによるコンサルティングを実施し、当時の運用プロセスと運用系システム全体を評価したところ、ツール化、自動化の必要性が優先度の高い課題の一つとして挙げられました。

「2006年の秋ごろからIBMにコンサルティングを依頼しました。われわれのシステムの弱点をクリアにした上で、プロジェクトを立ち上げ、2007年の春ごろから、具体的なシステム化のための基礎検討を行いました」(システム部 ITサービス室 調査役 依田 泰則氏)

検討の結果、次世代のサービス管理を目指し、その第一歩となる運用の自動化を実現するため、IBM Tivoli Service Request Managerの導入が決まりました。選定の理由について、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社(MUIT) 運用管理部 運用管理課 主任 田中 慎太郎氏は次のように語ります。

「本番環境で稼働中の複数の監視システムに容易に接続できることが、大きなポイントでした。メインフレームもあり、こちらとの接続も必要でした。この点でIBM Tivoli Service Request Managerは、他の製品に比べて大きくリードしていました」

また、パッケージ製品であるため、カスタマイズが容易で特別な開発言語も要らないため開発工数が激減、保守も容易になりました。さらに、合併による運用管理費の増加を抑え、現状の運用保守費用をできるだけ維持することで大幅な削減効果が見込めること、社内標準に則った完全なWeb対応である点も、高く評価されました。加えてITILで必要とされている構成管理データベースの機能を持ったIBM Tivoli Change and Configuration Management Databaseとの親和性や、今後導入を予定している製品等がTivoliソフトウェアのラインナップに揃っている点も、選定理由に挙げられています。

導入に際してのIBM のサポート体制についても、高い評価を得ています。銀行業務における運用を熟知し、体制面やプロジェクトの進め方にも精通したエンジニアが担当し、現場で運用に携わるオペレーターの声もヒアリングしながら導入が進められました。

Benefits

ペーパーレス化と可視化を実現し、インシデント管理・運用管理の業務効率が向上

現在サービスインしているのは、インシデント管理の自動化部分です。システムが上げるエラーを自動起票し、対応や対象システムの担当チームへのフォローなどを管理しています。また、オペレーターが日々行う定常処理の時限管理、実施計画の生成、実行完了の確認等も、運行管理システムの自動起票によるオペレーションへと移行しました。通常処理以外のイレギュラーな処理についても、実行計画への組み込みと結果の確認などを、ワークフローとして管理できるシステムとなりました。

自動起票のシステム化により、ペーパーレス化が実現。現場で使われる紙を大幅に削減し、運用効率も向上したと、システム部 ITサービス室 上席調査役 唐澤 浩樹氏は語ります。

「インシデントを自動的に起票し、システム的に収集する取り扱いが可能になったことで、効率が上がったのはもちろんですが、今後、ここで収集したデータを分析するときにも効果があるのではないかと考えています」

各種依頼や時限業務の進捗確認も、IBM Tivoli Service Request Managerでの運用となったことで可視化を実現しました。これまで、依頼元と紙ベースでやりとりされていた処理の進捗が、依頼側からもシステムを通じて閲覧可能になり、インシシデント処理のスタートとエンドが明確になり、全体像がつかみやすくなりました。

「運用負担が軽減されたことで、今後新たなシステム導入の際にも、オペレーターへの負担を抑えながら受け入れできる状況が整ったと思います」(唐澤氏)。

 

将来の展望

インシデント対応全体の自動化を目指し、運用管理システム全体をマネジメント

インシデント管理の自動化において、今後は対応後のクローズまで含めていきたいと、依田氏は言います。「最終的に対策をどうしたか、掛かったコストはどれくらいか、またお客様への影響はどうなのか、そうした部分までがインシデントプロセスですので、今後、この部分についても今回導入したサービスの提供を考えています」

今回のシステム化で積み重ねたデータを分析し、あらかじめ障害に対して能動的な備えを行い、予防的な視点でのシステム管理を目指しています。

「一部で手作業による部分もまだ残っていますが、改善を考えています。運用管理システム全体をよりよくマネジメントしていけるよう、今後もTivoliソフトウェア製品を活用していきたいと思っています」(システム部 ITサービス室 運用管理グループ 次長 佐々木 三男氏)

日本の企業におけるシステム運用も、これまでの運用から経営やビジネスに直結する次世代の運用へと、改革が進んでいます。三菱東京UFJ銀行のシステム運用、運用管理も、今回の導入で新たなステージへと進んでいます。そのシステムを、IBMとTivoliソフトウェア製品が支えていきます。

 

お客様情報

国内外に800余りの拠点を持つ、日本屈指のメガバンク。株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、グローバルに業務を展開。

 

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  • IBM Global Technology Services