Business Challenge story

主管課独自のシステム管理における運用コストやセキュリティー面の課題への対応

豊島区ではこれまで、住民情報を管理する基幹系のホスト・コンピューターと各主管課が管理するサーバー上で、印鑑登録・自動交付機、人事給与、図書館検索、介護保険、戸籍、公害補償などのシステムを構築・運営してきました。これらのシステムは稼働のピーク時が異なるため、リソースの有効活用が望まれながら横断的な利用ができず、コスト面での無駄が指摘されていました。またセキュリティーやガバナンスの面でもさまざまな問題が露呈していました。これに加えて、組織上の大きな問題が重なった、と政策経営部情報管理課 情報管理課長 高橋邦夫氏は話します。「各主管課ではIT推進のリーダーが中心になってシステムを構築してきました。ところが現在、行政のスリム化に伴い3,500人の職員を2,000人に削減するという思い切ったプランが出ています。こうした動きの中にあって、今後システム構築担当者を育てる余地はあるだろうかという問題提示が主管課からありました。われわれが提示しているセキュリティーやコストの問題とも一致して、システムの統合管理という方向に向かいました」

Transformation

サーバー仮想化技術「LPAR」で複数システムを1台のPower Systemsに統合。 システムの稼働ピーク時間が異なる点を生かし、リソースを有効活用

統合の対象となったシステムは、印鑑登録・自動交付機、人事給与、図書館検索、介護保険、戸籍、公害補償の各システムです。第1次、第2次のフェーズに分けて統合を進め、第1次では印鑑登録・自動交付機、人事給与、介護保険システムを統合サーバーに移行しました。2005年9月に移行を開始し、2006年2月にシステム稼働を開始しました。この統合サーバーがPower Systemsです。Power Systems上でIBM独自のLPAR(ロジカル・パーティショニング:論理区画分割)を構成し、1台のマシンに印鑑登録・自動交付機、人事給与、介護保険の各システムを収めました。各区画は、異なるオペレーティング・システム上の独立したシステムとして作動しながら、プロセッサー・リソースを共有しているため、あるシステムがピークを迎えたときには、アイドリング状態にある区画のCPU処理能力を流用することができます。このLPAR構成により、懸案だったリソースの有効活用が可能となりました。これまで各課に分散配置されていたサーバーは不要になり、コストの大幅削減も実現しました。また、今後は戸籍と公害補償システムの統合にも取り組んでいく予定です。

「統合化のコスト・メリットが、はっきり出るLPARを高く評価しました。仮想化に関してはホスト・コンピューターの時代からVM(バーチャル・マシン:仮想マシン)の技術をIBMから提供してもらっていたので、その信頼性の高さは身を持って知っていました」(高橋氏)。 統合の手順について、政策経営部情報管理課 情報担当係長 黒田正智氏は次のように話しています。「情報管理課、各主管課の担当、IBMの三者での現状把握から始まり、統合方針、スケジュール、さらには構築のフェーズについても検討を進め、統合へのシナリオを固めるのに約1年かけました」

LPARの評価に加え、IBMを選択した理由として、高橋氏は次の点を挙げています。「統合前から、各主管課ではIBMのAS/400を使用していました。後継機種である IBM i搭載のPower Systemsを統合プラットフォームに選択することで、統合に伴う移行が容易で、かつ今までの運用スキル・資産を継承できるという点を高く評価いたしました。また、IBMの総合的な提案力も大きな理由です。単にサーバーやディスクに特化した提案ではなく、システムの全体最適化の視点からの提案があったことがIBM採用の決め手になりました。またシステム導入後の月例会議への参加など、きめ細かいサポートを高く評価しています」

Benefits

年間1,000万円規模のコスト削減を実現、セキュリティー・レベルも格段に向上。運用アウトソース契約によりガバナンスも強化

さらに豊島区ではSO(ストラテジック・アウトソーシング)契約をIBMと結ぶことにより、従来からのホスト・コンピューターに加え、統合サーバーについても運用から保守までをIBMに一括してアウトソースし、よりガバナンスを効かせたシステム運用を実現しています。 

「かつては各主管課にサーバーを設置していましたが、情報管理課では稼働状況を把握できず、セキュリティーに関しても不安な状況が続いていました。統合サーバーが情報管理課管轄のマシンルームに設置され、1カ所に集約されことで、管理の目が行き届くようになり、セキュリティー・レベルも格段に向上しました」(黒田氏)。

高橋氏は、統合の評価が本当に明らかになるのは次期リプレース時、と前置きしながらも、次のように話します。「バックアップに関しても、IBMのアウトソーシング部隊がテープの在庫などを一括管理してくれているので、状況が把握しやすくなりました。マシンルームへも生体認証でしか入れないことに加え、オペレーターが監視していますのでセキュリティーのレベルは間違いなく向上しています。こうしたことが年間1,000万円程度のコスト削減を実現し、さらに、これまでコストに跳ね返っていた職員の作業量を低減することにつながったと思います」

 

将来の展望

これからの公共サービスの在り方へ、IBMの提案にも期待

主管業務システムの統合を第一歩に、豊島区ではさらなる情報化を推進しています。それが各業務課の連携を図るシステム連携基盤の構築です。また、近い将来の計画として庁舎移転があり、こうしたことを視野に入れながら、高橋氏は次のように構想を話します。「住民サービスの向上として、電子申請システムはさらに改善しなければなりません。1回の手続きですべてが済むワンストップ・サービスも、ぜひ実現したい。ここにもIBMの力添えが必要になってきます。自治体のサービスは今の公共部門だけにとどまるとは考えていません。その意味でもIBMには国内外を問わず幅広い先進事例を通じて、今後、公共サービスはどうあるべきか、どうすれば豊島区はそれに近づくことができるか。そういったことも提案してもらいたいと考えています」

 

お客様情報

豊島区は、平和の希求、人権の尊重、住民自治の実現を基本理念に掲げ、さまざまな人々と共に生き、共に責任を担う協働・協創のまちづくりを推進しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

IBM Power Systems

ソフトウェア

IBM i

 

Solution Category

  • Systems Hardware