すべてのステータスが定例会議の場で共有され、皆の目の前で承認が行われるため、あいまいだったルールが明確化され、ナレッジの有効活用も進み、システム運用管理の業務効率と品質は以前よりも大幅に向上しました

—株式会社エクシング システム統括部 部長 内藤芳信氏,

Business Challenge story

運用管理業務のベスト・プラクティスに学び、構成管理やインシデント管理を実践していく

1992年に画期的なB2B向けの通信カラオケ「JOYSOUND」をリリースし、音楽エンタテイメント業界に参入したエクシングは、それまでのパッケージ主体のカラオケの常識を打破し、新たなマーケットの拡大をリードしてきました。

その後も、着メロなど携帯電話向けサービス、歌を通じて人と人とがつながるカラオケ・ソーシャルメディア「うたスキ」サービス、さらに本格的な家庭用カラオケサービスなども手がけ、B2Cの領域でも存在感を発揮しています。 こうした同社のビジネスの革新と成長を支えているのがITシステムです。しかし、事業が拡大していく中で、次第にその運用管理に関する問題が浮上してきました。

最初の大きな節目となったのが、「UGA」ブランドで通信カラオケ事業を展開していた株式会社BMBとの合併(2010年1月)です。エクシング システム統括部の部長を務める内藤 芳信氏は、「それぞれ別会社で活動していたシステム運用管理の組織や業務を整理・統合し、新しい体制を構築する必要がありました」と話します。

それに加えて、システムの大規模化と複雑化にまつわる問題が顕在化してきました。

「事業の多角化に伴うサービスの多様化、仮想化の導入などによって管理対象のサーバーは数百台規模に膨らんでおり、それまでの Microsoft Excel の台帳による個別管理は限界に達していました。途中からタスク管理ツールも導入したのですが、これもパッチワーク的なものにすぎず、全社統一的な管理には程遠い状況です。資産の隅々にまで目が行き届いていないのが実情でした」と内藤氏は振り返ります。

そして、「現状のシステム運用管理は、もはや限界を迎えている」と判断した同社が着目したのがITILです。「世の中でシステム運用管理業務のベスト・プラクティスと呼ばれている手法を学び、それを手本とした構成管理やインシデント管理を実践することで、抜本的な課題解決を図りたいと考えました」と内藤氏は話します。

Transformation

エクサのサポート力が決め手となり IBM Control Desk の導入を決定

ITIL準拠をうたった構成・インシデント管理ツールは数多くあり、エクシングは事前調査から3社の製品に候補を絞り込んで比較検討を行いました。その結果、2013年11月に導入を決定したのが、IBMと株式会社エクサ(以下、エクサ)が提案した IBM Control Desk です。

エクシング システム基盤Gのグループ長を務める今井 利彦氏は、「ITILをベースにするといっても、その教本に具体的な方法が書かれているわけではなく、資産をどのように可視化するのか、あるいは運用管理の各プロセスをどのような操作体系で実装するのかなど、自分たちの業務にあわせたカスタマイズが必須です。その課題に向けてエクサは、単にツールを提供するだけでなく、我々と一緒になって運用管理の課題を解決していくビジネス・パートナーとしての熱い意気込みを示してくれたのです」と話します。

こうしてタッグを組んだエクシングとエクサの両社は、プロジェクトにあたり次のような目標を立てました。 構成管理については、「データセンター設備やIPアドレスなどの情報管理を容易かつ正確に行うことで、機器やライセンスの有効活用および人的運用負荷の軽減、安定したサービス提供を実現する」。インシデント管理については、「監視イベントの自動登録、乱立する管理ツールの一元化を行うことにより、業務の効率化/情報の集約を可能とし、監視ベンダーと円滑な運用を実現する仕組みを確立する」というものです。

そして、この取り組みを支える共通プラットフォームとなるIBM Control Deskの操作性について、「デモンストレーションを通じて、入力項目や画面デザインなども自由自在にカスタマイズできることが理解でき、これなら私たちの“望み”を余すことなく実装できると確信しました」と今井氏は高く評価しています。

Benefits

2段階のフェーズでプロジェクトを推進し、運用管理業務の効率化と品質向上を実現

2014年1月にエクシングにおける構成管理・インシデント管理システム構築プロジェクトはキックオフし、まず同年1月から3月にかけて実施したフェーズ1で先行的に実装したのは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器など、ハードウェアの構成管理です。

「従来のMicrosoft Excelによる管理では複数の台帳に構成情報が分散し、更新をかけるにも煩雑な手間と時間が発生していました。これをIBM Control Deskに移行したことで、一意のコードを入力すれば、関連する構成情報をすべてひもづけて洗い出すことが可能になり、情報管理のスピードと柔軟性は格段に向上し、一元的なチェックフローを確立することができました」と今井氏は話します。

こうした効果を評価するとともに、実務を通じてITILベースの運用管理に対する習熟度を高めた後、エクシングは同年10月から12月にかけてフェーズ2を実施。

前フェーズで残されていたソフトウェアのライセンス管理ならびにインシデント管理を実装しました。 これにより大きく前進したのは、システム統括部内の管理者はもとより、システム開発や運用管理を委託している外部の協力会社を含め、各部門の代表者が集まる定例会議において、インシデント管理、問題管理、変更管理などのプロセスが運用されるようになったことです。

「障害発生によるチケット発行から原因調査、暫定対応または恒久対応、そしてクローズにいたるすべてのステータスが定例会議の場で共有され、皆の目の前で承認が行われるため、あいまいだったルールが明確化され、ナレッジの有効活用も進み、システム運用管理の業務効率と品質は以前よりも大幅に向上しました」と内藤氏は話します。 もちろん、ITILの実践はメリットばかりではありません。例えば、以前よりも詳細なデータ入力が要求されるなど、運用現場のオペレーターの作業負担も増加します。

しかし、いったん IBM Control Desk に入力されたデータは、監視システムから発せられたアラート情報(イベント管理情報)や構成管理情報などとも自動的にひもづけられて可視化され、ワークフローと関連付けられていきます。つまり、これまで個別対応しなければならなかった報告書作成などの手間はなくなり、IBM Control Desk にアクセスするだけで、すべてのステークホルダーが同じ土俵で議論することが可能となります。「負担増の“見返り”として得られるこうしたメリットをメンバーが理解してくれたことで、新しい運用管理体制を軌道に乗せることができました」と今井氏は話します。 ITILベースの運用管理のさらなる定着を図っていくことを、エクシングは今後に向けた最優先の課題としています。たとえば、インシデント管理を通じて蓄積した情報を適切な形でフィードバックし、各部門の業務改善に役立てていこうとしています。 一方では、対象範囲をさらに拡大した管理のワンストップ化への模索も開始しました。今回構築した構成管理・インシデント管理システムが対象としているのは、あくまでも本番運用に入ったハードウェア機器やデータベース管理システムなどのインフラ部分のみです。たとえば、アプリケーション開発の過程で発生したインシデントなどは、まったく別枠の仕組みによって管理されています。 「将来的にはこうした要素もすべて1つのプラットフォームに取り込み、システムの企画設計から開発、運用、サービス終了まで、ライフサイクル全体の一元管理を目指すべきなのかどうか、思案を巡らせているところです」と内藤氏は語ります。 ただ、あらゆる管理を一元化することが、必ずしも成功につながるわけではありません。運用は運用、開発は開発として、それぞれの領域に特化した管理を行ったほうがうまくいくケースも少なくないのです。一般論ではないエクシング自身にとっての運用管理業務のTo-Be(あるべき姿)を見出していくことが必要で、答えを出すのは容易なことではありません。 「中長期的な視点から今回整備した構成管理やインシデント管理の実践に臨み、課題をしっかり洗い出しながら評価を重ね、今後の方向性をじっくり見定めていく必要があります。その意味でもIBMとエクサの両社には、今後もツールレベルにとどまらない、より上流の視点からの提案やサポートを期待しています」と内藤氏は話します。 エクシングは「多様化するビジネスを支え、今後のIT投資に対するタイムリーかつ的確な判断を導いていく戦略的活動の要」としてシステム運用管理業務を位置づけており、その絶え間ない進化を目指しています。

将来の展望

実践を通じて評価を重ねながら中長期的な発展の方向を探る

ITILベースの運用管理のさらなる定着を図っていくことを、エクシングは今後に向けた最優先の課題としています。たとえば、インシデント管理を通じて蓄積した情報を適切な形でフィードバックし、各部門の業務改善に役立てていこうとしています。 一方では、対象範囲をさらに拡大した管理のワンストップ化への模索も開始しました。今回構築した構成管理・インシデント管理システムが対象としているのは、あくまでも本番運用に入ったハードウェア機器やデータベース管理システムなどのインフラ部分のみです。たとえば、アプリケーション開発の過程で発生したインシデントなどは、まったく別枠の仕組みによって管理されています。 「将来的にはこうした要素もすべて1つのプラットフォームに取り込み、システムの企画設計から開発、運用、サービス終了まで、ライフサイクル全体の一元管理を目指すべきなのかどうか、思案を巡らせているところです」と内藤氏は語ります。 ただ、あらゆる管理を一元化することが、必ずしも成功につながるわけではありません。運用は運用、開発は開発として、それぞれの領域に特化した管理を行ったほうがうまくいくケースも少なくないのです。一般論ではないエクシング自身にとっての運用管理業務のTo-Be(あるべき姿)を見出していくことが必要で、答えを出すのは容易なことではありません。 「中長期的な視点から今回整備した構成管理やインシデント管理の実践に臨み、課題をしっかり洗い出しながら評価を重ね、今後の方向性をじっくり見定めていく必要があります。その意味でもIBMとエクサの両社には、今後もツールレベルにとどまらない、より上流の視点からの提案やサポートを期待しています」と内藤氏は話します。 エクシングは「多様化するビジネスを支え、今後のIT投資に対するタイムリーかつ的確な判断を導いていく戦略的活動の要」としてシステム運用管理業務を位置づけており、その絶え間ない進化を目指しています。  

お客様情報

ブラザー工業株式会社、株式会社インテック、ブラザー販売株式会社の3社が、マルチメディアネットワークカラオケ「JOYSOUND」の企画・開発にあたる事業会社として1992年5月に設立。同年10月に楽曲数3,100曲を搭載した通信カラオケ・コマンダ「JS-1」を発売し、業務用カラオケ事業の第1歩を踏み出した。現在では、カラオケ店舗や飲食店舗の全国展開、音楽配信や歌詞表示サービス、カラオケコンテンツ、ギター演奏支援などのモバイルコンテンツの企画・制作・提供、家庭で楽しめるカラオケコンテンツの配信・企画・運営など、音楽エンタテインメント分野で多様なサービスを展開している。また、親会社であるブラザー工業の技術開発力とエクシングの持つコンテンツ、企画開発力を融合した新規事業開発の取り組みとして、1台で300曲以上の楽曲を生演奏できる高級オルゴール「プリモトーン」も注目されている。

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