Business Challenge story

設計思想のよさを知り、IBM Flex Systemの導入を決定

伊坂美術印刷は、IBM BladeCenterの導入以前、ファイル・サーバー、グループウェア・サーバー、基幹システム用サーバーを個別にラック型サーバーで運用していました。しかし、当時のシステムの運用では、個々のシステムのケーブル取り回しや電源配置などの作業に大変な負荷を感じていました。また、システムの安定稼働に必要となるファームウェアのアップデートも、複数のハードウェアごとに個別に実施する必要があり、作業が長時間にわたっていました。伊坂美術印刷で社内ITインフラを管理している、総務部 情報管理グループ チーフ 権田 知弥氏は次のように話します。「個々のサーバー・マシンでシステムを運用していたときには、既存のサーバーをいったん停止してから作業する必要があり、新たなサーバーを導入したり、ケーブリングしたりすることは休日まで待たなくてはいけませんでした。このため新たなシステムの拡張が必要になっても、すぐに導入作業に取り掛かるのが難しかったのです」。このような柔軟性や拡張性についての課題はIBM BladeCenterを導入することで解消されたといいます。「稼働中のサーバーを止めることにもリスクが伴うため、できる限りサーバーを止めずに運用したいと思っています。IBM BladeCenterを導入したことで、サーバーを停止しなくても拡張できるようになり、取り扱いがやりやすくなりました」(権田氏)。

しかし、IBM BladeCenterを使ってシステムを運用し続けていくうちに、いくつかの課題が新たに見えてきました。「IBM BladeCenter導入に当たっては災害対策のため、本社と工場の2カ所にシャーシを配置し、システムの二重化を試みました。システムの可用性については一定の成果を挙げることができました。しかし、実際に運用していくと想定以上にコストがかかるという課題が新たに見えたことから、単純な二重化ではなく、他の方法での災害対策が必要だと考え始めました。そこで今回は、本社側でバックアップを行った上で、他の場所にデータをレプリケーションする方法を採用しました。また、IBM BladeCenterも時期的にリプレースを考えており新たなハードウェアの検討も併せて行っていました」(権田氏)。

この新システムの検討中に、伊坂美術印刷は新しいハードウェアとしてIBM Flex Systemを提案されました。「IBM Flex Systemを用いたシステムの提案を受け、ちょうど良いタイミングだと感じました。既存システムのリースアップ時期も間近に迫っていましたし、これまで使用してきたIBM BladeCenterを通じて、IBMのハードウェアには信頼感もありました。IBM BladeCenterで培われたさまざまな知見を生かした上に、今後10年間のIT基盤を担えるように設計を根本から見直したと伺って、IBM Flex Systemの設計思想がとてもよいと感じました」(権田氏)。

Transformation

想定以上に短時間でスムーズに終了した移行作業

IBM BladeCenterと同様にIBM Flex Systemも利用者の要求に応じた拡張が容易に行えると、権田氏は評価します。「IBM Flex Systemでは必要となる構成要素がすべてシャーシ内に収められます。また、個々のモジュールのデザインも分かりやすく、増設や買い換えによる拡張がモジュール単位で行えるので、取り扱いが容易だという印象を持っています。ラック型サーバー1台ずつの買い換えでは、ケーブルの取り回しも大変手間がかかる作業でした。IBM Flex Systemは、シャーシ背面のモジュール配置も見直されていて、システム変更に伴うケーブリング作業が一切必要なくなっています」(権田氏)。

既存システムからの移行作業は、JBCC株式会社の協力もあり、予想外の短時間で完了しました。「IBM BladeCenterで使っていた外部ストレージ・ユニットをIBM Flex Systemにファイバー・チャネルで接続するだけで、スムーズにデータを移行できました。データ量は500GB程度でしたが、グループウェア関係のデータでサイズが小さいファイルが多数存在しているため、移行には時間がかかると予想していました。しかし、前回5時間くらいかかった移行作業も、今回は1時間程度で終えることができました」(権田氏)。

Benefits

シャーシへの内蔵化が進み、処理性能の向上や管理作業の削減に期待

伊坂美術印刷は、2012年12月にIBM Flex Systemを導入し、サーバー管理に関する煩わしさから解放されました。ケーブル数が削減され管理作業が大変楽になったと権田氏は話します。「IBM BladeCenterでは、処理性能を向上させるために、光ファイバー・ケーブルを使用していました。しかし、ケーブルの曲げ個所が多くなると、ロスが増えて処理性能に影響するのではないかと心配していました。また、トラブルが発生したときには、原因の究明や解決のためにシステムのモジュールを出し入れします。その際にケーブルを痛めたり傷付けたりしてしまうことも懸念していました。万が一、トラブル解決のための作業でケーブルを痛めたり傷付けたりしてしまうと、その個所を探し出す作業はとても大変です。IBM Flex Systemでは、ケーブル数が大幅に減っているため、ケーブルの断線に関する心配が圧倒的に減りました」。

伊坂美術印刷では、現在IBM Flex System上でグループウェア・サーバーが動作しています。また、近いうちにファイル・サーバーや基幹システム用サーバーも稼働する予定です。権田氏は、IBM Flex Systemの処理性能について次のように話します。「ファイル・サーバーや基幹システム用サーバーも稼働させてみなければ分かりませんが、処理性能は明らかに向上していると感じています。設計段階でも処理性能の向上に注意したと聞いていますので、実際にその成果が出ていると思います。また、IBM Flex Systemでは、ストレージ機能もシャーシ内に収めることができるようになっています。外部ストレージ・ユニットとのケーブル接続が必要なくなったことは大きなメリットです」。

 

将来の展望

FlashCopyEasy Tier、高速広帯域ネットワークといった新機能を生かした運用を目指す

伊坂美術印刷は、IBM Flex Systemへの移行を順調に進めています。現在は、IBM Flex System V7000 Storage Nodeをいくつかの区画に分け、それぞれFlashCopy機能によりバックアップを行っています。「印刷会社ですので、サイズが大きなファイルを扱うケースが多いです。このようなファイルのバックアップにはFlashCopy機能が役立ちます。FlashCopyでの処理は驚くほど高速です。サイズが大きなファイルのバックアップを本社側で一度に行えれば、その後のレプリケーションには時間はかかってもよいと思っています。東日本大震災の際、輪番停電の影響で工場側のシステムをきちんと稼働させることができませんでした。このとき、いったん本社で確実にバックアップを取り、その後にそれを工場に送るシンプルな運用こそが、弊社の業務継続に必要なのだと考えるようになりました」(権田氏)。

伊坂美術印刷は、SSDとHDDの使用状況を最適化しコストを削減しながら高パフォーマンスを実現するEasy Tier機能の利用も検討しています。「システムの利用状態は1日のうちでも時間帯によって異なります。例えば、朝夕には営業関係者も使用するため、グループウェアの利用者数が増え、リソースが大量に消費されます。このとき処理速度が遅くなることが懸念されます。また、日中はファイル・サーバーを使っている部門にリソースを集約するなど、時間帯ごとにうまく調整することで、システムが遅いという意見がなくなればよいと思っています」(権田氏)。

さらに、伊坂美術印刷は、大きなサイズのファイルをやりとりするファイル・サーバーの処理でネットワーク性能を見極め、クライアントPCの仮想化も検討していきたいと考えています。仮想化に対応したIBM Flex Systemのネットワーク機能を実際の運用で検証しながら、これまで課題の1つと考えられてきたネットワーク速度の向上を踏まえ、デスクトップ仮想化への第1歩を踏み出そうとしています。

 

お客様の声

伊坂美術印刷株式会社 総務部 情報管理グループ チーフ 権田 知弥氏

「これまで使用してきたIBM BladeCenterを通じてIBMのハードウェアには信頼感もありました。IBM BladeCenterで培われたさまざまな知見を生かした上に、今後10年間のIT基盤を担えるように設計を根本から見直したと伺って、IBM Flex Systemの設計思想がとてもよいと感じました」

 

お客様情報

1909年創業の伊坂美術印刷株式会社は、創業当時から一貫して「お客様第一」の顧客至上主義を経営の基盤としてきました。現在も、多様化する情報化社会の中で、情報をどのような形にすることがお客様の期待に応え満足していただけるかを常に考え、高品位印刷、配送管理、電子配信、環境印刷など多岐にわたる印刷業務を手がけています。

 

パートナー情報

1988年設立のJBCC株式会社は、製造業、流通業、サービス業を中心にさまざまな業種や業態のお客様にソリューションを提供しています。同社は、お客様第一、プロとしての価値実現、スピードと実行を基本にし、お客様満足度向上のために努力し続けています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM Flex System Enterpriseシャーシ
  • IBM Flex System x220 Compute Node
  • IBM Flex System V7000 Storage Node

Solution Category

  • Systems Hardware