Business Challenge story

詳細な集計データに基づき効果的な施策を実施

クルーズは、ソーシャルゲームやネット通販を中心に、世界中にインターネットサービスを提供するエンターテインメント企業です。SAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)としては国内トップレベルの売上規模を誇り、サンフランシスコ、シンガポール、韓国、ヨーロッパをはじめ海外でも幅広く展開しています。 2014年2月にクルーズ初となるネイティブアプリケーション『ACR DRIFT』を世界135カ国に配信し、有効会員数5,300 万人を超えるプラットフォーム「Mobage」の全1,401タイトル中TOP20以内にランクインしている『アヴァロンの騎士』『神魔×継承!ラグナブレイク』『HUNTER×HUNTER バトルコレクション』などのソーシャルゲームを提供・開発しています(2013年12月末時点)。 また、ネット通販は、レディースからメンズ・キッズまで、多様なジャンルのファストファッションアイテムがまとめて買えるショッピングサイト『SHOPLIST.com by CROOZ』を運営しています。 同社では夢として「“オモシロカッコイイ”をツクル」を掲げています。クルーズのビジネス戦略について、同社SAP事業本部 吉田大祐さんは以下のように説明します。 「クルーズではさまざまなインターネットサービスを展開していますが、主力のビジネスはソーシャルゲーム事業になります。これまでソーシャルゲームについては、「Mobage」などのプラットフォームからWebアプリケーションとして配信する提供方法がメインとなっていましたが、現在はそれと並行してネイティブアプリケーションで提供するビジネスを展開しています。その第一弾が2014年2月に世界135カ国で配信を開始した『ACR DRIFT』です」。 日本国内のソーシャルゲーム市場で大きな成功を収めているクルーズでは、さらなるビジネス拡大を実現するため、世界市場に進出する戦略を推進しています。そこで、世界中のゲームユーザーがリアルタイムにオンライン対戦を楽しむことができるよう、クルーズでは新しく開発した技術の発表を予定しています。この技術を使うことにより、各国の通信環境に依存せずにリアルタイムオンライン対戦を楽しむことができます。 このように積極的にソーシャルゲームビジネスを推進するクルーズでは、さらなる売上向上を目指し、ゲームユーザーの行動分析に着手しました。 「以前はゲームプランナーの経験と勘に基づいて各種施策を立案していました。例えば、ゲームの難易度の調整などは、ゲームに精通しているゲームプランナーが自らの判断で行っていたのですが、それがどこまでゲームユーザーのニーズに合致しているのかについては検証できていませんでした。イベントの参加人数などの基本的な集計についてはエンジニアがSQLをプログラムし、管理画面からそれを実行するという方法で行っていましたが、ゲームユーザーのレベル別の課金状況やゲームを開始してからどのぐらいの期間継続しているかといった詳細の集計はできていませんでした。そこで、さまざまなデータを集計し、その結果に基づいて各種施策を実施する取り組みを開始しました」(吉田さん)。

Transformation

SPSS Modelerを活用することで高度な分析を手軽に実現

クルーズでは、ゲームユーザーの行動分析を行うためのツールとして、2012年5月にSPSS Modelerを導入しました。その経緯について吉田さんは次のように説明します。 「あるイベントをきっかけとして、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の方にSPSS Modelerを紹介していただくことになりました。タイミングとしては、ゲームユーザー行動の詳細な分析の必要性を認識し始めていたころでしたので、SPSS Modelerであれば簡単に詳細なデータ分析ができるということが分かり、導入を決定しました」。 従来は新しい集計を行うためには手間と時間をかけてSQLを組み、管理画面を開発する必要があったため、既存の管理画面での集計が中心となっていました。そのため、詳しい分析が困難であったことから、施策の検討は経験と勘に頼らざると得ませんでした。また施策の成果についても詳しい検証を行うことが困難でした。 「従来のSQLを活用した集計方法では、機能の拡充が困難であった一方、新しいイベントが次々と追加されていたので、管理画面の作成が間に合わないという状況にありました。そこでSPSS Modelerを使えば、管理画面を開発することなく、ゲームプランナーが要求するデータをスピーディーに抽出することが可能になります」(吉田さん)。 SPSS Modelerであれば、アイコンを配置するだけで分析を行うことが可能であるため、分析の専門知識を持ち合わせていないエンジニアやゲームプランナーであっても簡単に使いこなすことができます。 「わたしがデータ分析を担当することになったのは2013年の夏ごろでしたが、それまではSPSS Modelerを使った経験はありませんでした。しかし、前任者が作成した分析プロセスについてはSPSS Modelerを使い始めて1週間ほどでマスターできましたし、2週間目には自分でプロセスを作ることができるようになりました。このように誰でも簡単に使いこなすことができるという点もSPSS Modelerの大きな魅力だと思っています」(吉田さん)。

Benefits

さまざまな成果を踏まえて分析体制の充実を図るためSPSS Modelerのライセンスを追加

SPSS Modelerの導入後、クルーズではさまざまな分析結果に基づいた施策を実施してきました。 「従来の集計方法では1日ごとの売上しか分からなかったのですが、SPSS Modelerを活用することで、ゲームユーザーのレベル帯や前月の課金額のクラスといったさまざまな条件でのクロス集計が可能になりました。こうした分析により、1日の中でどのようなゲームユーザー層がアクションを起こしているのか、上位課金ゲームユーザーが何日間連続でログインしているのかというようなことが分かるようになりました」(吉田さん)。 こうした分析情報を活用し、さまざまな施策を行った結果、クルーズでは売上向上という成果を実現しました。またSPSS Modelerを導入したことにより、分析作業の効率が上がったという成果も生まれています。 「これまではエンジニアがSQLを組んでデータ抽出を行っていましたが、SPSS Modelerを使えば分析担当者が簡単にデータ抽出や分析を行うことができるので、エンジニアは本来のゲーム開発の業務に専念することができるようになりました。またデータ抽出からゲームプランナーが施策を打ち出すまでの期間も短縮されました。以前の環境であれば、管理画面が完成しているものであっても、依頼の翌日にデータを集計し、さらにその次の日に施策を検討していましたが、SPSS Modelerを導入した現在の環境であれば、1日のデータに基づいて翌日には施策を打ち出せるようになりました。従来は管理画面の作成を必要としていた案件であれば、さらに大きな効率化が実現しています。今では分析チームのスタッフが施策に関する提案まで行うケースも出てきています」(吉田さん)。 こうした成果を踏まえ、クルーズでは2013年末にSPSS Modelerのライセンスを追加しました。 「SPSS Modeler導入当初は『神魔×継承!ラグナブレイク』を対象とした分析を行っていましたが、そこで成果が上がり、ゲームプランナーの評価も良かったため、ほかのゲームでの分析要請が寄せられるようになりました。そこで分析チームを増員することになり、ライセンスを追加しました。以前はわたし1 人で分析を行っていましたが、現在は3名でチームを組織しています」(吉田さん)。 分析チーム増員後は、ネイティブアプリケーションである『ACR DRIFT』も含めたすべてのゲームタイトルについてSPSS Modelerを活用しています。 「ネイティブアプリケーションであってもゲームユーザー動向についてのログがデータベースに蓄積されますので、それをSPSS Modelerで分析することによりWebアプリケーション同様に効果的な施策につなげることが可能です」(吉田さん)。 また新規ゲームユーザー獲得のためのマーケティング活動については、ネイティブアプリケーションではより重要性が高まります。Webアプリケーションでは、「Mobage」などのプラットフォーム側である程度の集客を行いますが、ネイティブアプリケーションでは、すべてを自社で行う必要があります。 「以前よりマーケティング部門からSPSS Modelerを活用したデータ分析を依頼されることがありました。分析の内容はテレビCMやプロモーションの効果測定が中心ですが、徐々にその頻度が高くなってきたため、マーケティング部門が自ら必要な分析を実施できるように、さらにSPSS Modelerのライセンスを追加しました。今後ネイティブアプリケーション戦略が本格化していくことを見越すと、マーケティング部門でもSPSS Modelerの重要性がさらに高まっていくことが予想されますが、操作性に優れたSPSS Modelerであればマーケティング部門でもすぐに有効活用することが可能になります」(吉田さん)。 クルーズではネイティブアプリケーション戦略を推進するに当たって、SPSS Modelerを活用し、ゲームのタイトルごとの相関関係の分析、サービスインから終了までのライフサイクル分析、事業規模での予測などに役立てることを想定しています。

将来の展望

ネイティブアプリケーション戦略を展開する上でますます期待が高まるSPSS Modeler の活用

今後ネイティブアプリケーション戦略を展開するに当たり、吉田さんはSPSS Modelerに対する期待を次のように述べます。 「SPSS Modelerを使えば、データを分析して素早く改善点を見いだすことができるので、未知の部分の多いネイティブアプリケーション戦略において短いスパンで試行錯誤を繰り返すことができるということは大きなメリットになるでしょう。また国によって端末の環境や文化、嗜好などが異なりますので、客観的なデータに基づいてさまざまな判断ができるということは非常に力強いと感じています。そして世界中のゲームユーザーの方々に喜ばれるネイティブアプリケーションのゲームを積極的に開発していきたいと考えています」。 SPSS Modelerを活用した結果、クルーズには有用性の高いさまざまなデータが蓄積されています。その活用について吉田さんは語ります。 「これまでSPSS Modelerを活用した分析結果が蓄積されていますので、それを資産としてスタッフで共有し、今後に生かしていきたいと思います。また今後はSPSS Modelerを活用した予測も有効活用していく予定です。これまでの活用方法は過去の分析に基づいて施策を検討するというものでしたが、そこに将来予測を加えることにより、新たな施策展開が実現するのではないかと期待しています。またゲーム事業のみならず、ECサイト事業などにもSPSS Modelerに活用範囲を広げていきたいと考えています。このように分析ツールを有効活用していくためには、日本IBMとのパートナーシップが重要となるでしょう。新しい分析に関する知見やゲーム業界における技術活用事例を紹介していただきながら、今後も協力関係を継続していきたいと思います」。 ここで語られた内容以外にも、クルーズは数々の施策を行ってきました。今後もクルーズは世界に向けて“オモシロカッコイイ”を提供し、人々のより豊かな生活の実現に貢献していくでしょう。

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ソフトウェア

IBM SPSS Modeler

ソリューション

SPSS Modeler, , BA - Business Analytics

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud