Business Challenge story

CCCでは2004年より、レンタル会員用のカードの共通化を行い、どこのTSUTAYA店舗でも利用可能にしています。これにより会員の利便性が向上するとともに、店舗に依存することなく購買履歴を分析することが可能になりました。それにより会員数が3000万人を超え、データ量が急激に拡大したことも伴ってDWHシステムのレスポンスが悪化し、利用者から不満の声が聞かれるようになっていました。その時の状況について、IT支援本部IT事業支援ユニット 推進チームの本村聡氏は以下のように語ります。「2002年に構築したDWHシステムが老朽化したために、定型的な分析データの抽出にもかかわらず、夜間に抽出作業を開始して、翌日の朝にようやく結果が出るものもあるという状況でした。データ抽出に時間がかかり過ぎるために、本来やらなければならない企画を生み出すための分析といった使い方にたどり着くことができないという課題がありました。」また、DWHにデータをローディングするための夜間バッチ処理が予定の時間までに終わらないために、翌朝のオンライン開始時にデータを活用することができないという課題も抱えていました。

Transformation

本村氏は、「CCCでは、データに基づいて新しい企画を考えていくことを使命としているのですが、その基盤となるデータができていないために業務に支障をきたしていました。そこでDWHシステムを再構築することが必要だという結論に至りました」と話します。

そこで2008年4月より、DWHシステムの再構築プロジェクトがスタート。8社からの提案を検討した結果、NECによるIBM Netezza DWHアプライアンス(Netezza)の導入という提案を採用しました。本村氏は、「性能、価格、サポートなどを総合的に評価した結果、Netezzaの採用を決めました。その中でも特に重要だったのが性能です。夜間バッチ処理が終わらない、分析結果が返ってこないという状況だけは確実に改善しなければなりませんでした」と話しています。またCCC内の別プロジェクトで、すでにNetezzaを導入した実績があったことも採用に至った理由のひとつでした。さらにNECを選んだ理由を本村氏は、次のように語ります。「NECには、旧DWHシステムの構築も含め、以前より基幹システムを サポートしてもらっています。そのため新しいDWHシステムであるATOMに関する要件も理解してくれており、パートナーとして信頼できることからNECを選びました」。

Benefits

Netezzaを中核としてDWHをさらに拡張

Netezzaを中核としたATOMは、2009年8月に稼働。まずフェーズ1では、60名の販売促進担当者がBIツールを使用してデータを自由に分析できる仕組みが公開されました。自由分析では、たとえば7泊8日でDVDをレンタルすると最も効率的な商品の供給が可能になるといった販売促進のための分析を行っています。本村氏は、「フェーズ1に関しては、問題なく開発できました。当初想定した以上の性能が出たくらいです」と話します。

また2010年12月には、フェーズ2として汎用的なBIツールを導入したスーパーバイザー向けの分析や社外向けの分析サービスをリリース。本村氏は、「Netezzaを60人だけで利用するのはもったいないので、スーパーバイザー向けの定型的なレポートや、会員属性と売上データを利用した分析情報を社外向けに有料で提供するサービスなど、ユーザーや販路の拡大にも有効活用したいと思っていました」と話します。

フェーズ2は、主に定型的な分析なので、1回の検索負荷はそれほど高くありません。現在は1000人以上の利用者と、100社以上の提携企業が同時利用する大規模なシステムとなっています。

ATOMは、明細情報をNetezzaに蓄積し、定型的なデータに関しては別途、データマートを作成。販売促進向けの自由分析や、スーパーバイザー向けの定型分析はBIツールを使ってATOMにアクセスします。さらにメーカーや出版社向けの分析サービスはブラウザからDBWatchというサービスを経由してATOMのデータマートにアクセスして分析を行う仕組みになっています。本村氏は、「日別の売上、アイテム別の売上など、各店舗が必ず見ておかなければならないデータを提供しているので、現状ではNetezzaの使用頻度は非常に高くなっています」と話します。

現状、Netezzaには前年対比が可能な2年分のデータ、20億件以上が蓄積されています。日々蓄積される明細データとしては、各店舗のPOSデータやTSUTAYAonline、TSUTAYADISCASなどのデータが、オールTSUTAYA情報として取り込まれています。データは1日1回、300万件程度がNetezzaにローディングされ活用されます。

本村氏は、「当初は、RDBソフトウェアでDWHを構築することも考えましたが、約5000万件の会員データと約13億件の売上明細を分析するためのDWHをRDBソフトウェアで構築し、納得できるパフォーマンスを実現するためには、かなりのチューニングが必要であり、困難だと判断しました。Netezzaは、チューニングもほとんど必要なく、データをローディングして、すぐに性能を発揮できる点も評価しています」と話します。

導入コストだけを考慮すると汎用RDBソフトウェアでも安価にDWHを構築できますが、ランニングコストやチューニングコストまでを含めると汎用RDBソフトウェアを利用する方がコスト高になってしまうケースも多くあります。本村氏は、「Netezzaは、シンプルな構成であるにも関わらず、高い性能を発揮できることと、導入コストやランニングコストが抑えられることなど、トータルでメリットがあります」と話しています。

旧DWHシステムでは、蓄積されている購買履歴が会社ごとに分かれていたために、会社ごとの分析しかできませんでした。しかし2009年4月、TSUTAYAを存続会社としてグループ会社13社の事業を統合したことを機にシステムの一本化も行いました。これにより、リアルな店舗やネット、宅配レンタルの実績などが会社全体の情報として把握できるようになっています。

本村氏は、「以前のDWHシステムでは、容量的にも、性能的にも、一部のデータしか取り込むことができなかったため、分析の範囲が店舗ごとに限定されていました。Netezzaでは、必要なデータをすべて取り込むことができるほか、検索速度も速いので、分析できる範囲が以前よりも大幅に広がりました」と話します。

たとえば、クラスター分析により、会員の年齢、性別ごとの購買分布を分析したり、発注状況やキャンペーン、またゲームソフトなど仕入れの際は売上の分析データを使用してメーカーとの交渉を行ったりしています。

また以前は、分析専用の部屋があり、そこに設置されている専用端末でしか分析業務を行えませんでした。そのため利用者も30名程度に限定されていました。しかしNetezzaを導入したことで、利用者数を2倍の60名に増やし、各現場に近い担当者が直接分析できるようになっています。

「利用頻度としては、以前のDWHシステムが年間1万回程度だったのに対し、Netezzaでは10万回程度と利用頻度が約10倍に増えています。以前は、朝から晩までフル稼働で1万回程度の利用がやっとでした。しかしNetezzaでは、余裕を持って10万回以上の利用に対応できるようになりました」(本村氏)。

さらに分析スピードも大幅に向上。TSUTAYAで年間7億枚レンタルされるDVDの内、100万回レンタルされるDVDは、TSUTAYAの中でもかなり上位のレンタル数になるが、この分析に旧DWHシステムでは10時間以上かかっていました。Netezzaを導入したことで、同じ分析が5分程度で終了します。本村氏は、「ほとんどの分析は、数秒から十数分で終了します。分析できる情報量が増え、分析スピードも向上したのでトライ&エラーを繰り返すことにより、売上に結びつく販促施策を導き出すことができ、利用者には好評です」と話します。

そのほか加盟店では、店舗通信簿と呼ばれる仕組みを活用することで、自分の店がどれくらい売り上げており、会員がどれくらい来店しているかといった情報を、地図上にプロットしてエリアマーケティング分析に活用することなども可能になっています。

一方、システム面でも夜間バッチ処理を含めて性能は大幅に向上しました。さらに旧DWHシステムの問題であった、数値のズレ(複数のシステムからデータを抽出して分析を行っていたために、たとえば同じ店舗の売り上げであるにも関わらず、システムによって売り上げの定義が異なるため、数値が少しずつ違ってしまう)についてもNetezzaの導入により、データの一元化を実現したことで、データの不整合の問題が解消され、分析結果の信頼性も向上しています。

本村氏は、「旧DWHシステムは利用者が自由に分析できる範囲が狭かったので、IT部門へのデータの抽出依頼がかなりの件数ありました。しかしNetezzaを導入したことで、利用者が自由にデータを抽出し、分析できるので、IT部門へのデータの抽出依頼はほとんどなくなりました。これにより、IT部門の作業負荷が大幅に軽減されました」と話しています。

将来の展望

Netezzaを中核としてDWHをさらに拡張

今後の展望について本村氏は、次のように語る。「ATOMに関しては、基本的な仕組みは完成したと思っています。DBマーケティング企業を標榜しているので、データをどう生かしていくかは、今後のCCCの成長戦略にとって非常に重要です。TSUTAYA会員以外の提携会社のデータも利用できるので、これらを統合してDWHを強化していくことも検討しています」。

お客様の声

IT支援本部IT 事業支援ユニット推進チーム 本村 聡氏

「年間7億枚レンタルされるDVDの内、100万回レンタルされる上位タイトルの分析に10時間以上かかっていましたが、Netezzaでは同じ分析が5分程度で終了します。分析できる情報量が増え、分析スピードも向上しているので利用者には好評です」。

「RDBでDWHを構築することも考えましたが、かなりのチューニングが必要であり、困難だと判断しました。Netezzaは、チューニングもほとんど必要なく、データをローディングして、すぐに性能を発揮できる点を評価しています」。

「利用頻度は、以前のDWHシステムが年間1万回程度だったのに対し、Netezzaでは10万回程度と約10倍に増えています。以前は、朝から晩までフル稼働で1万回でしたが、Netezzaは余裕を持って10万回利用できます」。

お客様情報

1983年3月に大阪府枚方市にレコード・ビデオレンタルや書店を複合したTSUTAYA1号店「蔦屋書店枚方駅前店」をオープンし、その後、フランチャイズ展開により、全国に店舗数を拡大してきました。TSUTAYA事業に加えて、Tポイント関連事業、コンテンツ・メディア関連事業など多岐にわたる事業を展開し、お客様に新しいライフスタイルを提案する企画会社です。

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

  • IBM Netezza DWH アプライアンス

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud