Business Challenge story

開発プロセスを「見える化」し、QCDを最適化したい

自動車部品の設計から製造、販売まで、顧客満足度の高い製品開発を推進する愛三工業では、国内外の連結対象23社をネットワーク化しグローバルに事業を展開。2015年に向けた取り組みとなる「VISION 2015」に基づいて、「Carving the future for Customers(世界のお客様に感動を)」の実現を目指しています。

また、経営の効率化や生産・品質管理体制の強化、よりきめ細かな販売サービス活動の実現など、全社的な業務改革を目的にITの活用も促進。その一環として、製品の企画から設計、生産に至る開発プロセスの「見える化」を実現する「Compass」を構築し、その中核技術としてECObjectsを採用しています。

ECObjectsを導入した背景を愛三工業 経営企画部 IT推進室 室長の安藤敏章氏は、次のように語ります。「従来、社内で実施されているプロジェクトは、それぞれの担当者が紙ベース、あるいはMicrosoft Excelなどのツールで管理しており、明確なシステム化はなされていませんでした。そのため、社内でどんなプロジェクトが、どこまで進捗しているかを容易に把握できませんでした」

また、それぞれのプロジェクトに関連づけられた情報やデータを検索することも容易ではありませんでした。そのため、品質、コスト、納期(QCD:Quality Cost Delivery)を最適化することができず、特に工程準備図を出図した後の設計変更が頻繁に発生していました。安藤氏は、「開発の早い段階からラインオフまで、また営業から設計、生産技術、生産管理、製造まで全社で情報共有すること最大の課題でした」と話します。

さらに愛三工業では、製品の引き合いから設計、調達、製造まで、全業務で利用される量産部品表がメインフレーム上に構築されていたため、その他の部品表との連携も大きな課題の一つでした。

アイサンコンピュータサービス 開発部 基幹系システムグループ グループマネージャである加藤祐生氏は、「メインフレーム上に構築された部品表では、試作から量産まで、どの部品を使用したかという変遷を把握することができませんでした。また、固定長形式だったために、新たに項目を追加したり、項目名を拡張したりすることも困難でした。長年使ってきたものなので、完成度は高かったのですが、今後もこのままで良いのかという疑問はありました」と話しています。

Transformation

ECObjectsを導入し、部品表を中心にシステムを連携

2004年11月にECObjectsを導入し、Compassの開発をスタート。第1フェーズとして2005年10月に、開発テーマ管理および日程進捗管理を稼働しています。また第2フェーズとして2007年2月から2008年12月に、Compassの中核ともいえる技術部品表を開発。試作部品表、工準部品表、量産部品表の3種類を構築し、メインフレームで稼働している製造部品表と連携しています。

加藤氏は、「第1フェーズ、第2フェーズを開発するにあたり、各部門の要件を聞き、どのようなシステムにすべきかの全体像を決めましたが、特にユーザーの調整で苦労しました。また、Java™による開発が初めてだったのですが、クラステクノロジーのサポートにより問題なく開発できました」と話します。

さらに、2007年2月に2D図面と部品表の連携部分を、2009年春に3Dモデルと部品表の連携部分を構築しています。これにより、メインフレームや図面出図システム、CADデータ管理システムなど、ECObjectsを中心としたシステム連携を実現。開発プロセスの見える化を実現しています。

Compassの開発にあたり愛三工業では、いくつかの製品を比較検討した結果、ECObjectsの採用を決定しました。ECObjects採用した理由を愛三工業 経営企画部 IT推進室の大村雅章氏は、「技術部品のみならず製造部品表を考えると、他社の製品では同じ品番を複数のラインに関連づけることが難しかったのですが、ECObjectsではこれが容易にできることを評価しました」と話します。

また加藤氏は、「ECObjectsは、部品の集合で構成されており、自社でカスタマイズが容易に行えるのが採用の決め手でした」と話しています。

さらに安藤氏は、「詳細なアクセス権の設定やアクセスログ管理ができることもECObjectsを採用したメリットでした。アクセス権は、部門と役職などで管理し、不正利用されてもすぐに分かる仕組みになっています。これにより、どの部門の誰がどんな図面を見ているかも分かるようになりました」と話します。

Benefits

開発プロセスの見える化で、やり直しによる損失を回避

ECObjectsを導入した業務面での効果を安藤氏は、「社内にどのような開発テーマがあり、どこまで進捗しているかを、製品別、得意先別などで把握できるようになりました。また、部品表を“統合化”できたことは、従来、個別で管理していたことから比べると格段の進歩といえます」と話します。

愛三工業では、開発プロセスの見える化を実現したことで、作業のやり直し工数を大幅に削減できたと試算しています。

一方、システム面での効果をアイサンコンピュータサービス 開発部 副部長である廣瀬義治氏は、「パッケージがブラックボックスだと、修正・変更のたびに開発元に追加コストを支払わなければなりません。しかしECObjectsでは、ソフトウェアやデータベースの仕様が公開されているので自社開発の範囲が広くなり、トータルとして開発コストが低減できました」と話します。

廣瀬氏はまた、「Compassの開発により、今後ECObjectsアプリを外販していくノウハウを蓄積できたことは、大きなメリットでした」と話しています。

 

将来の展望

他システムとの連携強化や、海外での展開も計画

今後、愛三工業では、Compassを構成しているIBM BladeCenter Hを中核としたハードウェア製品群およびIBM WebSphere Application ServerやIBM DB2 などで構成されるソフトウェア製品を、最新バージョンに移行していく計画です。

また、新たな機能追加として、見積部品表のCompass実装を検討しているほか、現在メインフレームで稼働している製造部品表に関しても、将来的にはECObjectsに移行したい考えです。

そのほか、Compassで実現された統合部品表をグローバルに展開する各拠点でも活用していく計画です。

 

お客様情報

お客様名:愛三工業株式会社

URLhttp://www.aisan-ind.co.jp/(外部サイトへリンク)

愛三工業株式会社は、1938年設立以来、長年培ってきたエンジンの燃料制御、部品の開発技術をベースに、地球にやさしく人にやさしいクリーンなエンジンの実現を目指し、燃料噴射製品、排出ガス制御製品、エンジンバルブなどの自動車部品の開発・製造・販売を国内外で展開しています。また、同社の電算部門を母体に1984年に誕生したアイサンコンピュータサービス株式会社は、同社の情報システムの開発・運用をはじめ、製造業の業務合理化に直結するコンピュータソフトウェアおよびシステム開発を行っています。

 

お客様名:アイサンコンピュータサービス株式会社

URLhttp://www.aisan-cs.co.jp/(外部サイトへリンク)

今回「ECObjects」をベースとして、愛三工業の開発見える化システム「Compass」を構築したアイサンコンピュータサービス株式会社では、そのノウハウを活かして、製造業の業務合理化に直結するECObjectsアプリを受託開発していきます。

 

パートナー情報

製造業の総合ソリューションカンパニーとして、自社プロダクト「ECObjects」を中心に製造業の上流から下流までのすべての分野にわたるコンサルティング、システム開発、パッケージ販売、チャネルビジネスを展開しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

ソリューション

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