生成AIを活用したIoT(モノのインターネット)へのインタラクティブな音声制御の導入

Smart Light社がIBM® watsonx.aiを利用し、施設制御のための新しい生成AIワークフローを作成

ニューヨークのワン・マディソン・アベニュー内にある、アンビエント照明を備えたオフィスのモダンなコラボレーション・スペース
音声と生成AIの連携における課題を解決

設備管理には、各施設の具体的な状況に応じてさまざまなIoT(モノのインターネット)の要素が含まれます。現在スマートスピーカーに組み込まれている従来の対話フローでは、多岐にわたる状況に適応することは困難です。さらに、最近人気を集めている生成AIなどの新しい技術をこの場面で活用することは困難でした。

設備制御には多様なプロトコルがあるため、電気システムの統合を専門とする日本企業のSmart Light社は、音声と生成AIの連携を効果的に処理できる橋渡しとなる技術を必要としていました。

50% IBM® Cloud上で柔軟なトライアンドエラーにより効率を向上
生成AIプレイグラウンド・プロトコルの効率的な変換を実現

まず、Smart Light社は効率的な対話フローの開発に取り組みました。同社は、音声から文字に起こした文書の文脈を生成AIツールが理解できる方法を選びました。また技術サポート、全体的なアーキテクチャ計画、IBM製品の統合については、独立した技術スタジオである1ft-Seabass を支えとしました。

市場にはあまり実例がなかったので、Smart Light社は新しく作成した生成AIワークフローを実験および検証する必要がありました。Smart Light社はIBM® watsonx.aiのエンタープライズ・グレードAIスタジオをソリューションの中核として使用し、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を使ってトライアンドエラーができるシステムに重点を置きました。

装置制御プロトコルの変換にはIBM® Cloud Code Engineのサーバーレス・プラットフォームを利用しました。このインターフェースにはNode-RED開発ツールを用い、Message Queuing Telemetry Transport(MQTT)のメッセージング・プロトコルで標準化しました。さらに、オン/オフの文脈はwatsonx.aiによって解釈され、IBM® Cloud Code Engineによってブリッジされました。

音声の文脈を理解する生成AIのプロトタイプ実現およびXRデバイスとの連携

AIと設備制御を統合する利点はすぐに明らかになりました。Smart Light社は 1ft-Seabass のサポートにより、生成AIの音声解釈ソリューションを効果的に実装できました。これはAIと設備制御の事例の未来に向けた素晴らしい一歩です。具体的には、同社は試験室の中で声によって空調デバイスを管理でき、このプロトタイプは約2週間で迅速に実装されました。

Smart Light社は空調制御に加え、MQTTを使ってNode-REDとCode IBM® Cloud Engineを接続することで照明やカーテンの制御などの設備制御を実現しました。AIプロンプトをプレイグラウンドでテストした際、何度も実験が行われました。プロンプトを繰り返し試すことができたため、新しいソリューションの開発が迅速化しました。

これまで、各IoT(モノのインターネット)デバイスと拡張現実(XR)デバイスに組み込まれたプログラムだけでプロンプトのテストを完了するには1週間かかっていました。クラウド上でいくつもの実験を柔軟に実施することで、Smart Light社は同じプロセスを約3日で完了でき、効率が約50%向上しました。今回は単純なオン/オフのユースケースでしたが、より複雑な事例ではさらにメリットが大きくなります。

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Smart Light社について

Smart Light社は2011年に設立された東京を拠点とする会社です。4人の従業員からなるチームを持つSmart Light社は、オフィスビルや商業施設における照明、空調、その他の電気システムの統合を専門としています。オープンシステムを活用し、それ最先端のIoT(モノのインターネット)およびAIテクノロジーと組み合わせることで、同社はエネルギー効率が高く価値を生み出すソリューションの構築に注力しています。

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1ft-Seabass社について

1ft-Seabassは、2004年に田中正吾氏が立ち上げた独立系の技術スタジオです。ウェブ・フロントエンド技術を基盤としたこのスタジオは、情報とインターフェースを組み合わせたアプローチの観点を重視しています。1ft-Seabass は最近、IoT(モノのインターネット)やXR、生成AIなどの技術を取り入れた開発、技術的アドバイス、講義に取り組んでいます。

製品・サービス IBM watsonx.ai IBM Cloud Code Engine
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