Business Challenge story

JASTEMシステムの更新時期に合わせてインフラの全面的な見直しを決断

「JAグループ福島情報化基本構想」に基づく、次期システム更新対策は、(1)全国JA向け信用オンライン・システム「JASTEM」の次期システムへの移行、(2)県域ネットワークの再構築、(3)経営総合管理システム「Compass-JA」の導入、(4)購買事業情報システムの刷新、(5)県域関連システムの対応、(6)電算センター機器の更新、(7)JA保有機器・システムの一元集約化によるセキュリティー強化とコスト抑制の七つの柱からなります。これらを同時並行で推進し、3年後に一斉稼働させるという先進的かつ大規模な構想です。

中でも特に、JAグループのインフラの刷新おいて大きな意味を持つのが、(4)購買事業情報システムの刷新と(6)電算センター機器の更新の二つ。そこで、平成22年1月にJAバンクの全国統一システムである「JASTEMシステム」が更新時期を迎えるのに伴い、周辺のインフラを全面的に見直し、段階的にではなく、一気に再構築する方法を選択。長期的な視点で、それが最大のコスト削減策でもあると判断したのです。

これまでJA福島電算センターでは、国産の汎用機2台に加え、個別に構築してきた約40台もの多種多様なオープン系業務サーバーをベースに運用してきました。しかし、稼働から10年以上が経過した多くのシステムが、さまざまなシステム変更を経て複雑化し、今後の制度変更や改善要求への迅速な対応が困難になりつつありました。また、ネットワークの再構築や機器の老朽化に伴う刷新も必要とされていたといいます。そこで新基盤に求められたのは、主に次の3点でした。

JA福島電算センター 運用部 部長の清野 昌巳氏は、「一つは、"止まらない"信頼性の高いハードウェアであること。二つ目が運用の効率化です。サーバー台数が多く、個別にメンテナンスやバックアップを実施するのは非効率ですから、集約化、共用化を進めると同時に、運用状況を一元管理できるような仕組みが必要でした。三つ目は、業務システムの継続性を保てること。ハードウェアを買い替えるたびにシステムを作り直すようでは困ります。業務システムに影響を与えることなく、既存資産をそのままマイグレーションできるような基盤を実現したいと考えました」と説明します。当然、この先に見据えていたのは運用コストの抑制です。

Transformation

汎用機をIBM Power Systemsで置き替え業務サーバー群をIBM BladeCenterに集約

JASTEMの次期システムへの移行を機に、インフラの全面刷新という大構想に乗り出したJA福島電算センター。具体的な検討にあたり、最も重要なテーマとなったのが、汎用機に代わるインフラの更新方式と汎用機で稼働するシステムの中でもメインとなる「購買事業情報システム」の効率的な構築方法でした。ベンダー3社による提案を比較検討した結果、JA福島電算センターは、IBM i搭載のIBM Power Systemsで汎用機を置き替え、周辺のオープン系業務サーバー群をIBM BladeCenterで集約するというIBMの提案を採用。JA福島電算センター 開発部 部長の小野 生大 氏はその理由をこう語ります。

「将来的に汎用機を捨て、すべてをサーバー・プラットフォームへ移行した場合に、信頼性と運用・開発の効率性を向上させつつ、運用コストを大幅に削減できることが一つのポイントになりました。もう一つは、資産の継承性です。既存の基盤で使っていたプログラムが新しい基盤で使えないという事態を経験してきたため、仮想化技術を利用して旧バージョンの非互換を吸収できることや、一貫した上位互換性のポリシーを保持していること、既存資産の継続利用が可能なことなど、最新技術や旧製品との高い互換性に注目したのです」。

また、既にJAグループ長野やJAグループ石川が汎用機からIBM Power Systemsへの移行を実施し、大幅なTCOの削減に成功していた実績も、決断を後押ししたようです。

こうして平成20年6月にIBMの採用が決定し、本稼働まで残り1年半を切る中で、同年8月にプロジェクトがスタート。中核となる購買事業情報システムでは、オンライン・プログラムの311機能(1,745画面)をRADツールである「Sapiens eMerge」で開発し、バッチ・プログラムについては合計7,110本をストレート・コンバージョンで移行。さらに新規要件に対応するため、1,780本をCOBOLやRPG、CLなどで開発した他、共済受払システム、組合員情報システムをCOBOLで開発、JASTEMリアル連携システムはJAグループ長野のシステムを参考にRPGで実現しました。

Benefits

17カ月という短期間で新基盤の構築を終え運用コストの大幅な削減に期待

ネットワークの再構築や「Compass-JA」の構築などを含め、開発期間は約17カ月。遅延が許されない中でプロジェクトを完遂し、平成22年1月、次期JASTEMの稼働と同時に、県下の全JA拠点で一斉稼働を迎えることができました。本稼働後に購買事業情報システムの一部で予期せぬ不具合が発生したものの、現在はトラブルもなく安定稼働しているといいます。

JA福島電算センター 代表取締役社長の杉原 茂氏は、「折しも決算期と重なり、補助簿の更新が正確性を欠くという障害がJAの決算業務に影響を及ぼし、JAには多大なご迷惑をおかけしましたが、関係者の理解と協力を得て、システムの安定稼働を最優先に障害対応やシステム修正を行い3月末で安定運用に至りました」と振り返ります。

安定稼動後、最も顕著な効果が見られたのが処理時間です。従来は4時間半かかっていた日次のバッチ処理が1時間半。月次は12時間が3時間と約4分の1に短縮。清野氏は、「IBM Power Systemsの採用により性能面が向上したことで、オンラインのサービス時間の延長も可能となりました」と語ります。また、開発環境の構築作業は1人月から4人日と従来の5分の1。大量データ処理時間も未収金DB更新で従来の約30分の1に短縮。さらに、IBM Systems Directorを使った包括的なシステム管理が行えるようになり、汎用機撤去後のオペレーターの内製化、集中監視要員の統合を目標に、運用負荷の軽減対策にも取り組んでいます。

 

将来の展望

汎用機が撤去される平成243月にはシンプルなインフラが完成する見込み

新基盤として、JA福島電算センターは購買事業情報システムの本番機をIBM Power 550、を開発系・待機系(万一に備えたバックアップ機)をIBM Power 520で運用中です。

新基盤がもたらしたさまざまな変化は、今後の大幅なコスト削減効果につながることは間違いありません。JA福島電算センターの試算によると、汎用機を完全撤去する平成24年以降、年間の運用コストが約2億円から5千万円程度に削減される見込みです。「今回構築した基盤をベースに、JAグループの情報システム・コストの大幅削減に取り組んでいきます」と杉原氏も意欲をのぞかせます。

残る課題は、汎用機の完全撤去に向けた移行作業です。JA福島電算センターは、23年度末までの2年間に、汎用機で稼働する残りの10システムをすべてIBM Power Systemsに集約する計画です。また、IBM BladeCenterについても平成23年度末までに引き続き集約化を進め、VMwareによる仮想化環境への移行も検討しています。

一連の計画が完了する平成24年3月には、IBM Power SystemsとIBM BladeCenter上に統合され、極めてシンプルな構成が実現することになります。大転換を遂げたインフラは、JAグループ福島全体に新たな活力をもたらしていくことでしょう。

 

お客様の声

JA福島電算センター 代表取締役社長 杉原 茂氏

「本稼働後に予期せぬ不具合が発生し、JAには多大なご迷惑をおかけしましたが、関係者の理解と協力を得て、速やかに安定運用にこぎ着けることができました。今回構築した基盤をベースに、JAグループの情報システム・コストの大幅削減に取り組んでいきます」

JA福島電算センター 運用部 部長 清野 昌巳氏

「業務システムに影響を与えることなく、既存資産をそのままマイグレーションできるような基盤を実現したいと考え、信頼性、運用の効率性と並んで、業務システムの継続性を重視しました」

JA福島電算センター 開発部 部長 小野 生大氏

「将来的に汎用機を捨て、すべてをサーバー・プラットフォームへ移行した場合に、信頼性と運用・開発の効率性を向上させつつ、運用コストを大幅に削減できることが一つのポイントになりました」

 

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