ビジネス上の課題

Retelit社が新たな事業部門や国際業務を開設した時点で、スプレッドシート・ベースの財務計画やレポート作成プロセスは柔軟性を欠いているため、持続的な成長をサポートできないことを認識していました。

概要と経緯

Retelit社はIBMのシルバー・ビジネス・パートナーのSB Italia社と提携し、IBM Planning Analyticsに一元化された予算編成モデルを構築して、月次予測により社内の意思決定者を支援できるようにしました。

成果

加速

財務報告プロセスを加速し、タイムリーでより良い情報に基づいた意思決定が可能に

促進

自動化が促進され、ヒューマン・エラーのリスクを軽減

提供

収益性に関する深い洞察が提供され、改善できる分野を明らかに

ビジネス上の課題の詳細

財務上の洞察が成長を促進

Retelit社は、約12,500キロメートルにおよぶ光ファイバー・ネットワークを使用して、通信業界向けのデータ・サービスおよびインフラストラクチャー・サービスを提供するイタリアの最大手企業です。近年、同社はエンタープライズのお客様のニーズに合わせて調整されたマネージド・サービスにより、ポートフォリオを拡大させました。さらに現在のRetelit社は、クラウド・オファリングを国際市場にも拡大することを目指しています。

Retelit社の管理担当責任者であるMarco Calzolari氏は、「当社の新しいサービスには、クラウド・ストレージ、バックアップ、災害復旧のソリューションに加えてエンドポイント・ネットワーク・セキュリティー管理が含まれています。新たな地域に拡大するにつれて、コストの厳密な管理がこれまで以上に重要になっています。また意思決定者には、ビジネスを効果的に実行するために必要な洞察を提供しなければなりません」と語っています。

これまでのRetelit社は、財務計画やレポート作成にスプレッドシート・ベースのプロセスに大きく依存しており、運用の収益性につなげる正確でタイムリーな情報を提供することが困難でした。

「お客様が当社のクラウド・サービスに登録していただくたびに、当社の最終収益に影響する財務上の意思決定要因が増加します」とCalzolari氏は説明します。「例えば、最初の契約署名とオンボーディング・プロセスでは、契約期間中に受け取る月々の収入に加えて、1回限りの収益がもたらされる可能性があります。ただし、ビジネスの成約、アカウント・サービスやテクニカル・サポートの提供といった、変動する運用コストを考慮する必要もあります」

Calzolari氏は続けて次のように話します。「以前は、すべての部門に予算編成のスプレッドシートを送信して入力させていましたが、これは手作業で照合してからレポートを作成する必要がありました。その結果、当社の年間予算業務は時間がかかる労働集約的なプロセスとなり、ヒューマン・エラーのリスクは常に存在していました」

「予算を基に月次ローリング予測を立てることは、当社の意思決定者にとって非常に貴重であることは分かっていましたが、この業務のためだけにリソースを充てることはしていませんでした。この課題を解決するために、当社はレポート作成プロセスを加速する方法を模索することにしました」

IBM Planning Analyticsソリューションのおかげで、今後も十分な情報に基づいた意思決定が可能になると確信しています。

Marco Calzolari氏, 管理担当責任者, Retelit社

概要と経緯の詳細

一元管理型の予算モデルの構築

Retelit社は、IBM Planning Analytics(旧称、IBM Cognos® TM1®)を、予算業務、予測、およびレポート作成プロセスのための一元管理型のプラットフォームとして選択しました。同社はその導入をいち早く進めるために、IBMのシルバー・ビジネス・パートナー のSB Italia社の専門家の支援を受けることにしました。

「当社が検討したすべてのソリューションの中で、強力な分析ツールと柔軟な財務モデリング機能を最適な組み合わせで提供してくれるのがIBM Planning Analyticsでした」と、 Calzolari氏は振り返っています。 「同様に、SB Italia社は当社がIBM Planning Analyticsを効果的に財務報告ワークフローに統合するために必要な技術的な専門知識とコンサルティング・スキルの両方を備えていると確信しました」

Retelit社は、SB Italia社のビジネス・インテリジェンスおよび分析の専門チームと連携し、スプレッドシート・ベースのアプローチを最新の財務計画およびレポート作成機能に置き換えるために、エンタープライズ・ファイナンシャル・モデルを設計しました。今日では、同グループの従業員はIBM Planning Analyticsに予算編成と予測のデータを直接提出しています。

「当社の新しい予算モデルは、一部微調整されたサブモデルに基づいて設計されており、5年先までのレポート作成を対象範囲としています」とCalzolari氏は説明しています。「このモデルは、顧客の自然減などの要因を考慮し、予測の精度を向上させるのに役立ちます。また、IBM Planning Analyticsは財務統合などの重要なプロセスを自動化するため、エラーのリスクが軽減され、レポートの信頼性を向上させることができます」

Calzolari氏は続けて次のように話します。「この新たな作業方法により、 1 回限りの収入データや毎月の支払いを、技術サポートなどのサービス・コストと容易に結合できます。さらに、データはほぼリアルタイムで表示できるだけでなく、いろいろな表示形式に切り替えることもできます。これにより、地理、事業部門、製品ライン、お客様の業界など、さまざまな角度から財務パフォーマンスに関する深い洞察を獲得できます。また特に重要なポイントとして、IBM Planning Analyticsを使用することで、月次ローリング予測を作成することが可能になりました。これによりタイムリーなデータが提供され、情報に基づく意思決定も可能になりました」

成果の詳細

意思決定者にタイムリーな洞察を提供

月次予測に移行したことにより、Retelit社は国際展開を進める際のコストを、これまで以上に効果的に管理できるようになりました。

「以前は、当社の財務データの照合、クレンジング、分析に数日かかりましたが、IBM Planning Analyticsのおかげでプロセスを簡素化して迅速化できました」と、Calzolari氏は話します。 「月次予測に移行したことにより、当社の事業全体にわたってコストや財務状況を動かす要因がより明らかになりました。これにより、運用効率を改善し、収益性を高めるためのオポチュニティーを明らかにできたのです」

Retelit社は予算編成と予測だけでなく、ビジネスの他の側面のサポートにもIBM Planning Analyticsを活用しています。

「当社はサービス品質を重要な差別化要因として認識していますので、お客様に一貫して質の高い体験を提供するには、当社の人材を効率的に管理することが不可欠です」と Calzolari氏はコメントしています。「これまでは、各顧客エンゲージメントに当社のリソースを割り当てる最善の方法を計画し、関連するコストを追跡し、出張や宿泊などの従業員費用の払い戻しを計算することは、関係するすべての従業員にとって大きな痛手となっていました。

「現在では、当社の従業員はお客様の事業所で費やす時間を入力し、その経費をIBM Planning Analyticsに直接記録できます。HRチームのメンバーがそのデータを承認した後、給与計算システムと予算モデルに送っています。これにより、費用の支払いをより迅速に行えるようになっただけでなく、HRの労力が削減され、より正確にコストを把握できます」

またCalzolari氏は、「IBM Planning Analyticsを使用して、活動ベースの予算業務を実行することもできるようになりました。ビジネス全体のさまざまな活動に関連するコストを検討することにより、業務効率を向上させ、より効果的な運用を推進する新たな機会を特定できるようになります。これは、特に国際的なビジネスに貢献します」とも付け加えています。

Calzolari氏は次のように述べて締めくくっています。「Retelit社が進化し、拡大し続けるにつれ、当社の財務状況を動かす要因に対する洞察が、当社の戦略的計画においてさらに重要な役割を果たすことになります。 IBM Planning Analyticsソリューションのおかげで、今後も十分な情報に基づいた意思決定が可能になると確信しています」

Retelit社のロゴ

Retelit社

Retelit社(ibm.com外部へのリンク)は、イタリアのミラノに本社を置き、通信市場にデータとインフラストラクチャーのサービスを提供するイタリアのトップ企業です。同社の光ファイバーのインフラストラクチャーは約12,500キロメートルをカバーし、イタリア国内の9つの都市圏ネットワークおよび15カ所のデータセンターを接続しています。Retelit社は、インフラストラクチャー、通信、およびネットワーク・オペレーター向けのコロケーション・オファリングから、エンタープライズ・クライアント向けのクラウド・ホスティングおよびマネージド・サービスに至るまで、包括的なサービスを提供しています。

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SB Italia社は、イタリアのミラノに本社を置き、コンサルティング・サービスとソリューション統合サービスを提供するトップ企業です。エンタープライズITの分野20年以上の経験を持つIBMのシルバー・ビジネス・パートナーであるSB Italia社は、イタリア国内で1,000 人以上のお客様にサービスを提供しています。SB Italia社の製品およびサービスについて詳しくは、sbitalia.com(ibm.com外部へのリンク)を参照してください。