Business Challenge story

パフォーマンスなどの課題解決に向けて、BI環境の刷新を検討

1953年に設立されたティアックは、「社会の豊かさを追求し、お客様の要請に応えて高品質の製品を提供する」を理念として掲げ、記録・再生技術への探究心を原動力に魅力ある製品づくりに取り組み、各種AV 機器や音楽制作オーディオ機器などを扱う音響機器事業と航空、医療などの分野における情報機器事業を推進しています。

ティアックのビジネスについて、同社 経営企画室 経営企画課 担当マネージャー 山中正行氏は次のように説明します。

「近年では、資本・業務提携しているオンキヨー株式会社(以下、オンキヨー)、親会社であるGibson Brands, Inc.、およびその傘下企業などグローバルでグループ拡大を推進しています。そのグループとしての強みを発揮するため、各社とのアライアンス戦略を推進し、事業の選択と集中、販売の拡大、オペレーションの効率化などを図っています」。

こうしたビジネス展開にはITは不可欠であり、同社では2001年にERP(Enterprise Resource Planning)環境を構築。その後各種情報を有効に活用するためOracle製のBIツールを採用してきました。まずは、Hyperionを導入し、売上速報、経費実績照会、製品在庫実績など定型のBIレポートを社内ポータルに公開する仕組みを整備。その後、Essbaseを導入し、生産・販売・在庫計画策定のためのPSIキューブとMFR(Monthly Financial Report)と呼ばれる連結管理会計のキューブをEssbase上で作成して運用していました。しかしこれらのBIツールはさまざまな課題を抱えていました。「Hyperionは、バージョンが古くなったことが原因で新しいBIレポートの開発が困難になってきました。またユーザーからは別の切り口でのレポートを見たい、あるいはレポートを保存したいなど、さまざまな要望が寄せられていましたが、定型レポートの閲覧を基本機能としていたHyperionではそうしたニーズに対応できませんでした。一方でEssbaseについてもパフォーマンスの問題がありました。PSIはユーザーがExcelかEssbaseにアクセスし、データ取得や販売計画の入力を行う仕組みになっていましたが、データ取得のレスポンスが悪い、あるいは計画の入力処理に時間を要するといった状況だったのです。情報システム部門としては、実績データを毎月Essbaseに書き込むのですが、その処理が5~12時間もかかっていました。またHyperionとEssbaseは相互のバージョンが違っていたことから連携できず、手動でデータを移行していたという課題もありました」(山中氏)。

ティアックではEssbaseのパフォーマンス改善を試みましたが、それも限界に達したと判断し、新しいシステム導入の検討を開始しました。

    Transformation

    IBM Cognosを軸としたBI環境を構築し課題を解決

    BI 環境刷新のコンペ実施に当たって、パフォーマンスを重視する方針の下、最新のアーキテクチャーの採用を前提としてIBM Cognosを含めた3社の製品に候補を絞り込みました。そしてIBMはCognos TM1とCognos BIを軸とした新システムを提案。BIレポートにはCognos BIを活用、PSIとMFRにはCognos TM1を適用することでより高度で正確な予測型企業経営をサポートする仕組みを提示しました。

    「IBMに実際にPSIをCognos TM1で作成してもらいテストを行ったところ、優れたパフォーマンスと操作性が確認できました。この結果によりCognos TM1であれば格段のパフォーマンス向上が実現可能だと分かったのです。PSIのみならず、BIレポート作成においてもパフォーマンス向上が見込まれるので、レポートを作成して経営層に提示するまでの時間が短縮され、スピーディーな意思決定の実現が期待できます。またBIレポートとPSIの連携も非常に重要だったのですが、問題なく連携できることも大きな評価ポイントとなりました。さらに価格面でも満足できましたので、総合的に判断してIBMの提案の採用を決定しました」(山中氏)。

    Cognos TM1はターゲットの設定と予算編成から、レポート作成、スコアカード処理、分析、および予測までを網羅するエンタープライズ・プランニング・ソフトウェア・プラットフォームで、64bitインメモリー・アーキテクチャーにより容易な操作性と高速処理を実現します。 

    Cognos BIはレポート、ダッシュボード、非定型分析などの機能を提供するBIツールで、ノンプログラミングでレポートやダッシュボードを容易に作成できることを特長としています。

    こうしたCognos製品の機能面での評価に加え、提案期間を通じてのIBMのサポートについても高く評価していると、同社 経営企画室 経営情報課 課長 稲場 靖之氏は言います。

    「IBMにはPSIのテストに加え、PCを持ち込んでのトレーニングも実施していただけました。導入後に行うべきことをイメージできるようになり、その後の導入作業をスムーズに遂行できました」。

    さらにはCognos BIを活用すれば非定型レポートにも対応できる点について、同社 経営企画室 経営企画課 課長 福田 浩一氏は以下のように評価します。

    「ティアックの経営環境は加速的に変わっており、経営層からの要求も多様化してきています。それに応じて情報システム部門が定型レポートを個別に作成していてはニーズの多様化に追い付くことができません。Cognos BIを活用し、非定型レポートを経営スタッフが自らスピーディーに作成できる環境を用意すること、それが重要になってくるでしょう」。

    新しいBI環境の構築は2013年10月中旬にキックオフし、PSI、MFRの構築と、BIレポートではセールス・レポートの作成を2014 年3月までに完了するスケジュールが組まれ、IBMと協力しながら作業が進められました。

    「まずはMFRの構築に着手しました。これは従来の仕様を引き継ぎ、大きな改修を施さない方針で作業を進めました。次にPSIの構築を開始したのですが、規則式の書き方など不慣れな部分があったのですが、IBMのサポートもあり構築することができました。また、セールス・レポートは新しく作成したのでさまざまな試行錯誤があったのですが、予定通りに完成しました」(山中氏)。

    新しい環境構築の中で、ユーザー・インターフェースついては、Cognosの定型インターフェースを活用することで簡素化することができました。

    「Essbase の場合、ユーザー・インターフェースがExcelになるので、ユーザーの要望を取り入れながら開発を進めるとExcelに盛り込むVBA(Visual Basic for Applications)が大きくなり、非常に重いExcelファイルになってしまいます。またバージョン管理も煩雑になることから、情報システム部門の負荷が大きくなっていました。今回はCognos製品の定型インターフェースを活用することで非常にスムーズな開発・運用が可能になりました」(山中氏)。

      Benefits

      数時間要していたデータ処理がわずか3分程度で完了

      2014年3月までにPSI、MFR、セールス・レポートが完成し、PSIとセールス・レポートは同年4月から、MFRについては決算期に合わせて5月から稼働を開始しました。BI環境が刷新された成果として、まずはパフォーマンスの向上が挙げられます。

      「以前は数時間かかったPSIへの実績データの書き込み処理が、新しい環境では3分程度で完了するようになりました。この速さであれば、書き込んだらすぐに検証することができますし、間違っていた場合でも即座に修正可能です」(山中氏)。

      PSIの処理時間が短縮されたことは、エンド・ユーザーの間でも好評だと稲場氏は言います。

      「PSIのデータがすぐに反映されるようになったおかげで、ユーザーはそのデータに基づいてシミュレーションしながら計画の策定や見直しを素早く行うことが可能となりました。今回のBI環境の刷新は、情報システム部門内のみ効果があるだけではなく、エンド・ユーザーにまで成果が波及していることが確認できました」。

      PSIの改善は生産・販売・在庫計画を立てるプロセスを大幅に効率化することにつながっています。

      「PSIのデータは月次で実績を参照でき、それを基に翌月の計画を入力すれば、在庫が自動計算されるので、生産フォーキャストに基づいて仕入れ計画も立てることができます。そうした生産・販売・在庫のデータはグローバルでも参照可能で、さらにドリルダウンすることで、特定の機種だけ見るということもできるようになりました。またCognos TM1のWeb画面はユーザーが求める切り口でデータを参照できるので、非常に利便性が高まりました」(山中氏)。

      「ティアックはアライアンスも含めたビジネス拡大を視野に入れていますので、在庫調整などのキャッシュに直結する要素は非常に重要になります。先々を見越して在庫状況の良しあしを判断できるようになったことは、キャッシュフローの改善に結び付くと思うので、これは大きな成果になるでしょう」(福田氏)。

      またデイリー・フラッシュと名付けられたセールス・レポートも経営判断に生かされています。「デイリー・フラッシュは、ビジネス・ユニット別、地域別、販社別での日々の売上進ちょくをレポートとして出力します。レポートはe-メールで日次で自動送信する仕組みを整備したので、経営スタッフは日々のセールス状況を把握できるようになりました」(福田氏)。

      こうした環境が整ったことで、スタッフの働き方も変わり、それは海外拠点とのやり取りにおいて特に顕著に表れています。

      「日本の本社と米国との間で、Cognosの画面を共有しながらテレビ会議をする場合、その最中に間違いに気が付くとすぐに修正することができ、その結果が双方で反映されます。海外との会議ですと時差の問題があるので、従来は、間違いがあって会議が延期されるとその調整が大変でしたが、今ではそうした問題が解消されました」。

       

      将来の展望

      WebデータやSNSの情報などのマーケティング活用を推進

      ティアックの新BI 環境は基本的な部分が整った段階で、今後さまざまな整備を進めていく予定になっています。

      「BIレポートについては、今後随時Cognos環境に移行していく予定です。またユーザーが自在に作成できる非定型レポートの作成環境構築に向けての試行錯誤も始めていますが、Cognos BIは機能が豊富なので、それを情報システム部門としてどのように管理するかということについても検討を進めています」(稲場氏)。

      さらにティアックではさまざまなデータのマーケティング活用を展望しています。

      「WebデータやSNSの情報などを分析し、それをいかにマーケティングに活用できるかということについて、これから検討を進め具体化していく予定です。また、今回IBM SPSS Modelerも導入していますので、これを将来予測にどのように生かしていくかについても検討していくことを考えています。さらに、オンキヨーでもMFRや各種レポートなどの作成を進めていますので、今回ティアックで構築したBI環境を応用することでコストを抑えられるのではないかと見込んでいます。こうしてグループ全体で情報活用を促進し、今後のビジネス発展につなげていきたいと考えています」(山中氏)。

      ティアックは、日々発生するデータをリアルタイムで活用しながら、さらならビジネス拡大を目指していきます。

       

      お客様の声

      ティアック株式会社 経営企画室 経営企画課 当マネージャー 山中 正行氏

      「以前は数時間かかったPSIへの実績データの書き込み処理が、新しい環境では3分程度で完了するようになりました。この速さであれば、書き込んだらすぐに検証することができますし、間違っていた場合でも即座に修正可能です。」

       

      ティアック株式会社 経営企画室 経営情報課 課長 稲場 靖之氏

      「ユーザーはデータに基づいてシミュレーションしながら計画の策定や見直しを素早く行うことが可能となりました。今回のBI環境の刷新はエンド・ユーザーにまで成果が波及していることが確認できました。」

       

      ティアック株式会社 経営企画室 経営企画課 課長 福田 浩一氏

      「BI環境の刷新により先々を見越して在庫状況の良しあしを判断できるようになったことはキャッシュフローの改善に結び付くと思うので、これは大きな成果になるでしょう。」

       

      お客様情報

      ティアック株式会社は、1953年に設立。以来、「社会の豊かさを追求し、お客様の要請に応えて高品質の製品を提供する」を理念として掲げ、記録・再生技術への探究心を原動力に魅力ある製品づくりに取り組み、各種AV機器や音楽制作オーディオ機器などを扱う音響機器事業と航空、医療などの分野における情報機器事業を推進しています。

       

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