Business Challenge story

レガシー構造を脱却したデータウェアハウスシステムの構築が急務に

第四銀行では、第三次オンラインシステムと同時に情報系システムを構築しました。メインフレームで稼働している勘定系システムの取引ログから、ほぼリアルタイムに主要な顧客の計数や店計数を本部と営業店に還元する仕組みとなっています。その一方で、情報系システムから取得できないデータも多く、各種サブシステム向けには主にバッチシステムからデータを展開しています。

システム部上席調査役である山口孝氏は、次のように語ります。

「現行情報系システム構築当初の構想では、本部や営業店に対して主要な顧客の計数や店計数等のデータ還元から始め、徐々にデータの種類を増加させる予定でした。しかし、開発上の制約、データ活用上の制約、資源の制約があり、当初予定通りには発展していかなかったのが実情です。まず、開発上の制約については、現行システムではデータベース構築に専門のプログラミング言語が必要であり、特別な開発スキルが必要でしたが、限られたシステム要員の中では人材と開発ワークロードの確保は困難でした。次に、データ活用上の制約では、現行システムがメインフレームを前提とした仕組みのため、エンドユーザーコンピューティングの対応や各種サブシステムへのデータ連携を推し進めようとしても柔軟に対応できない等の制約がありました」

また、システム部 調査役の土屋昇氏は、「資源の制約では、データベースを拡張し活用するにも比較的高価なメインフレームのCPUやディスク資源を必要とすることが、情報の充実を図る上での制約になりました。システム構築から年月が経過し、勘定系以外の周辺サブシステムも増え上記制約が顕著になったことから、行内のデータを一元的に集約・管理し、各サブシステム間のデータ連携を行うインフラとしての情報系システムの構築が急務となっていました」と話しています。

Transformation

他行での実績などを評価してDataStageを採用

第四銀行では、2008年夏頃から情報系システム再構築に関する検討を開始し、2009年3月より要件定義を開始しました。その後、勘定系システムの取引ログなどを抽出し、DWHにローディングするまでの仕組みをIBM InfoSphere DataStage(以下、DataStage) で構築。2010年3月よりDWHの運用を開始して、6月に本番稼働しています。

今回、構築されたDWHシステムは、3つの処理でDWHにデータが蓄積されます。まず勘定系システムの取引ログや元帳更新ログが30分間隔でDataStageにより抽出され、Operational DataStore(以下、ODS)にローディングされ、ODSから目的別の即時データマートを作成。データ鮮度が要求されるサブシステムで活用します。

次に勘定系システムの取引ログと元帳更新ログを日次バッチで基本DBに取り込みます。さらに保険や投信、有価証券などの外部サブシステムの取引ログを日次処理で基本DBに取り込みます。

この基本DBから、必要なデータを抽出して目的別DBを作成する仕組みです。現在、DWH基盤用のディスク容量は32TB、1日あたりのデータ更新件数は約3600万件、過去10年分のデータが蓄積されています。当初は、CRMシステムからスタートしましたが、現在では預かり資産管理や営業推進支援など、6つ程度のサブシステムがDWHに連携し稼働しています。今後、基本DBにはこれらシステムのためのデータだけでなく、メインフレームに保有している情報はすべて取り込む方針です。

DataStageが採用された理由を土屋氏は、次のように語ります。「新情報系システムを構築する製品の選定に当たっては、パフォーマンスと生産性・保守性を重視しました。新システムでは、現行システムと比べ膨大なデータ量を処理しなければならないため、パフォーマンスは重要な評価項目です。Datastageのパフォーマンスについては、日本IBMの性能見積もりの他、他の銀行も含めた稼働実績も考慮し評価しました。また、データ種類も多く今後のデータ活用を踏まえれば、生産性や保守性も十分でなければなりません。生産性・保守性については、日本IBMが開催しているハンズオンセミナーに参加して、開発者の目線でも確認し、十分実用になることを確認しました」

Benefits

DataStageの導入でデータベース関連の開発が格段に早く

オープン系のシステムでDWHを構築したことで、ホスト情報系を使用していたときに比べて、より低コスト、かつ容易にデータを抽出し、変換して、新しく構築するデータベースに格納することができるようになりました。土屋氏は、「今回のDWHの構築においても、メインフレーム上で構築することをまず検討しました。しかし、CPUの追加やディスクの増設など、見積もりの段階で、イニシャルコスト、ランニングコストとも高額になることが判明し、断念しました」と話します。

また、従来のシステムでは、部門最適でサブシステムを構築していたので、サブシステムごとに個別DBが存在している状況でした。新しいDWHシステムでは、必要なデータはすべて基本DBに蓄積してあるので、DataStageで必要なデータを抽出し、目的別データマート を作成するだけで新しいサブシステムを実現できます。山口氏は、「DataStageを導入したことで、データベース関連の開発は格段に早くなりました」と話しています。

その一方で、新しいDWHシステムが即時データを30分間隔で取引ログから抽出していたのに対し、ホスト情報系ではリアルタイムに即時データを抽出していました。土屋氏は、次のように語ります。「時間だけ比べると、新しいDWHシステムは退行しているように感じるかも知れません。しかし、データの種類が圧倒的に増加し、早いけど欲しいデータが少ない状態から、必要な鮮度で欲しいデータがほとんどそこにある状態に進化したと思います」

さらに山口氏は、「基本DBのデータの一部をパワーユーザー向けに公開しているのですが、これが非常に好評です。パワーユーザーは、Microsoft Accessを使用して、データを抽出、加工し、分析業務などに利用しています。こうした仕組みはレガシーの情報系シス テム時代には、考えられなかったことです」と話します。

そのほか土屋氏は、「ハンズオンセミナーでその生産性は確認したとはいえ、DataStageでの開発が、当初の目論見どおりスムーズに進むか不安でした。開発者の大多数がメインフレームでの開発しか経験がなく、オープンシステムベースでの新しい開発スキルを習得できるかは蓋を開けるまではわかりません。しかし日本IBMからDataStageの開発経験の豊富な担当者を招き、開発標準の策定や開発担当者へのアドバイスをしていただいたここともあり、スムーズに開発が進みました。標準化が済んだ後の開発やDataStageの活用 に関しては、まったく問題はなく、開発者からも高く評価されています」と話しています。

 

将来の展望

今後のサブシステムの追加にもDataStageに期待

今後、第四銀行では、DWHシステムに連携するサブシステムの数を増やしていく計画です。

土屋氏は、「現段階でもDWH上にほぼ必要なデータはそろっており、開発の標準化もできているため、サブシステム増加等への対応も容易です。取り込むデータの追加や、今までとは違う切り口でのデータ提供等、DataStageを活用し素早く対応可能です」と話します。

また、山口氏は、「データベースマーケティングの部門で使用しているクライアント/サーバ型のBIシステムが約10年を経過しており、ハードウェアも更改時期が来ているので再構築が必要でした。現在、構築した基本DBを活用して、BIツールなどで分析する仕組みを検 討しています。このBIシステム向けのデータ抽出においても、DataStageには大きな期待を寄せています」と話しています。

 

お客様情報

「ベストバンクとして地域に貢献し、親しまれ、信頼される銀行」を経営理念に掲げ、新潟県のリーディングバンクとして、総合金融サービスの提供を通じて、地域経済社会の発展に貢献しています。

 

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