Business Challenge story

フリーアドレスの課題をランダムな座席指定で対処

コクヨオフィスシステムが提案する「フリーアドレス・オフィス」は、ワーカーの指定席を作らないワークスペースの考え方で、オフィス面積の有効活用やワーカーの意識変革を行う手法です。提案資料の作成や同僚との打合せなど、すべての仕事を一つの机を中心に行う固定席は、居場所がはっきりするという点で安心感はありますが、社内コミュニケーションの活性化やオフィス空間の有効活用を妨げるという課題もあります。固定席のオフィスをフリーアドレス・オフィスに変え、社員の創造性を高めるコーナー、アイデアを出し合ったり方針を決めたりする会議室など、仕事に適したさまざまな空間を用意することで、効率的かつ自律的なワークスタイルが可能となります。

しかし、フリーアドレス・オフィスの利用にも課題が潜んでいます。コクヨオフィスシステム 代表取締役社長 尾﨑司氏は次のように説明します。「フリーアドレスによってオフィス全体を使いクリエイティビティーやナレッジを高めようと考えても、一部の社員が同じ場所に座ってしまったり、決まったメンバー同士で集まったりすることがあります。このような動きを何とか解決したいと考えました」

コクヨオフィスシステムは、この課題を解決するために、あたかもダーツを投げるようにランダムに座席を指定する「Office DARTS(Dynamically Assist Reservation & Time management System)」を考え出しました。「『Office DARTS』では、社員がオフィスに入るとき、端末にIDカードをかざすと、コンピューターによって座席が指定されます。つまり、自分の意思で好きな場所に座ることができません。フリーアドレス・オフィスは、好きな席に座れるしくみではなく、異なる経験を持つ社員が隣同士になることで、新たなナレッジを生むことができるしくみです。「Office DARTS」は座席アシストシステムですが、オフィスにおける生産性やクリエイティビティーを上げるためのキーとなるものです」(尾﨑氏)。

Transformation

生産性の高さからIBM WebSphere sMashを選定

2008年7月、PC単体で動作するスタンドアロンシステムとして「Office DARTS」のプロトタイプが作成されました。コクヨオフィスシステムは、このプロトタイプを6カ月間にわたって社内運用し、異なる経験の社員同士が偶然に隣り合い会話することでのコミュニケーションの活性化や、座席選択時に社員自らが仕事内容やその作業時間を設定することによるタイムマネジメント力のアップなど、「Office DARTS」の有用性を確認しました。そして、2008年12月、ハードウェア環境に依存しないオープンなWebシステムで「Office DARTS」を開発することを決定しました。

コクヨオフィスシステムが「Office DARTS」の開発を打診したとき、コムチュアは、開発生産性の高さ、IBMへの信頼性、マッシュアップ技術の将来性などに着目して、IBM WebSphere sMashの機能や可能性を検証していました。コムチュア 代表取締役社長 向浩一氏は、IBM WebSphere sMashによる「Office DARTS」の開発を決定するまでの経緯を次のように話します。「まず、社内にプロジェクトチームを作り、IBM WebSphere sMashでの具体的な開発方法や得られる効果を調べました。そして、生産性の向上や効果を確認できた時点で、IBM WebSphere sMashによる『Office DARTS』の開発をコクヨオフィスシステムに提案しました」

この提案に対して、尾﨑氏は次のように考えIBM WebSphere sMashの採用を了承しました。「お客様のオフィスの使い方はマーケットに合わせて変化するため、同じ運用ルールが何年間にもわたって使い続けられるとは思っていません。社員の増減、人事制度の変更、オフィスの使い方の変更に合わせてお客様の運用ルールが変更されたときにも、きちんと対応でき、安定して動作するシステムとするために、IBM WebSphere sMashの採用を決めました」

Benefits

短期間で開発を終え、効果を確認

IBM WebSphere sMashによる「Office DARTS」の開発は、プロトタイプのスタンドアロンシステムとは大きく異なるWebシステムであったにもかかわらず、わずか2カ月間で完了しました。向氏は、このような短期間で開発を完了できた理由を次のように話します。「開発言語自体の生産性のよさに加えて、開発支援ライブラリーが充実していますし、画面変更などのカスタマイズも容易でした。また、社内のJava技術者は、これまでに習得した技術をそのまま使ってIBM WebSphere sMashによる開発を行えました。開発環境も作りやすく、ストレスなく開発に集中できました」

コムチュアでは、IBM WebSphere sMashの動的スクリプト言語Groovyによって、Javaでの開発に比べてコーディング量が減り、画面上でのテストがやりやすくなったことで、生産性が40%近く向上しました。

また、コクヨオフィスシステムでは、「Office DARTS」を利用したことで、社内のコミュニケーションの活性化が12%向上しただけでなく、残業時間が15%減少、CO2が10%以上削減されるといった効果も表れました。そして、2009年3月から「Office DARTS」の販売を開始しました。「当社オフィスに設置した『Office DARTS』へのお客様の反応はすごく良く、お客様からの要望があり時期を早めて発売しました。すでに4~5社が『Office DARTS』を導入されています」(尾﨑氏)。

 

将来の展望

チーム利用や社員の特性に合わせて進化

コクヨオフィスシステムは、チーム力を上げるためにも「Office DARTS」を利用しようと考え、2009年9月にチーム対応の機能を追加しました。尾﨑氏は、次のように説明します。「企業は組織で動きます。チームの能力が最大化されないと企業として生き残れません。このため、座席の場所をチームで指定できるようにしました」このような機能の追加や変更も、IBM WebSphere sMashを使用することで短期間に実装されています。

また、コクヨオフィスシステムでは、「Office DARTS」によって取得したデータから、社員間でのコミュニケーションの質、量、形も見えてきました。今後、これらのデータから社員の特性に合わせて組織編成できる可能性もでてきました。

一方、コムチュアは、「Office DARTS」だけでなく他の多くのシステム開発にIBM WebSphere sMashを利用していこうと考えています。すでに、コムチュアは、IBM WebSphere sMashによって従来よりも生産性が30~40%向上すると確信しています。「IBM WebSphere sMashによって開発費を低く抑えられます。これは、お客様から見てもシステムを安価で開発できることを意味しています。開発費を抑えて付加価値を高められるIBM WebSphere sMashは、われわれにとって大変強力な武器になります」(向氏)。

 

お客様情報

コクヨオフィスシステム株式会社は、コクヨグループの一員として2000年に創業されました。同社は、企業のビジョンや戦略に合わせて、オフィス空間を構築しワークスタイル変革を提供し続けています。

 

パートナー情報

コムチュア株式会社は、グループウェア、Web、ERPの三つのソリューション開発をネットワーク運用サービスでつなぎ、企業の膨大な情報を有効活用できるように日々取り組んでいます。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

Solution Category

  • Systems Software