Business Challenge story

お客様の利便性を追求し、他社との差別化を図るために、スマートフォン用アプリを新しく提供

24時間、絶えず取引が行われている市場。それがFX市場です。現在では多くの個人投資家が参加する市場となっていますが、保証金倍率を規制する法律の改正や世界規模での不況、またユーロ不安などの影響もあり、FX市場の現状については明るい材料がなかなか見出せない状況が続いています。しかし、FXプライム 情報システム本部長の中林卓也氏は、市場拡大への期待を次のように語ります。「インターネット証券会社の口座数が1600万口座余りという状況で、FX業界全体での口座数は2012年3月末で442万口座。証券業界の口座数からみるとFXはまだ4分の1ですから、逆に言えばFXとしての伸びしろはまだまだあるわけです」。 

こうした中、使いやすい取引ツールや分かりやすいサービスの提供などで、他社との差別化を図ることが求められています。そこでFXプライムでは、これまで提供してきたPC向け取引ツール「PrimeNavigator(プライムナビゲータ)」、モバイル(携帯電話)用アプリケーション「PRIMEアプリ」に加え、スマートフォン用取引アプリケーション「PRIMEアプリS」の提供を2012年2月に開始しました。そして8月には、iOSとAndroidで合計8万ダウンロードを突破する人気アプリとなっています。

スマートフォン用アプリの提供によって、スマートフォンからの取引が急増しています。以前は取引高全体の1割程度であったスマートフォンからの取引が、アプリ提供後は全体の3割以上に達しています。また、お客様一人当たりのログイン回数も増加しています。

今回のアプリの提供のように、新たなサービスを行うには、システムへの投資が欠かせないと中林氏は語ります。「お客様へ利便性の高い新たなツールや金融商品の提供を行っていくためには、常にシステムを新しくしていくことが不可欠です。事業をうまく進めていくためには、新たなハードウェア、ソフトウェアを採用することはもちろん、サーバーの集約や仮想化など、さまざまな技術を取り入れていくことが必要です」。

そこでFXプライムではシステム性能向上の一環として、IBM WebSphere Application ServerをV6.1からV8.0にバージョンアップしました。併せて少数のより強力な高性能サーバーによるサーバー統合を実施し、システム全体の性能向上を図りました。

Transformation

安定稼働を重視し、可用性に優れたIBM WebSphere Application ServerをV8.0にバージョンアップ

FXでは、お客様は自身の資産を使って取引を行っているため、意図したタイミングで売買が行えないと、時にはお客様に損害を与えてしまうことになりかねません。「サービス停止を招かないために、サービスを支えるシステムの安定性、信頼性は、われわれのような金融商品を扱うシステムの選定において、最も重要な要素だと考えています」と、FXプライム 情報システム部長の阿部光氏は語ります。FXプライムでは、アプリケーション基盤としてIBM WebSphere Application Serverを長年使用しており、これまでも安定した稼働でユーザーへの途切れないサービスを提供してきました。ここ5年以上、システム障害による取引停止は全く発生していません。こうした実績と高い信頼性から、今回のバージョンアップにあたり、IBM WebSphere Application Server以外の選択肢は考えられなかったといいます。

IBM WebSphere Application Serverを継続して使うことで、既存の資産が有効活用でき、開発コスト削減につながると、FXプライムでは考えています。さらに、セキュリティーやサポート面でも、引き続きIBM WebSphere Application Serverを使う効果は大きいと、阿部氏は語ります。「オープンソースを利用することでコストを削減するという考え方もあります。しかしオープンソースの場合、どこがセキュリティーを担保するのか、という問題があります。IBM WebSphere Application ServerはIBMでしっかりしたサポートが受けられるので、お客様にわれわれのシステムを安心してご利用いただく上でも、大きなメリットがあります」。

そこでFXプライムでは、お客様向けに提供しているアプリケーションを、順次、V8.0に移行することにしました。まずは同社の金融商品『選べる外貨』のWebブラウザ版ツールから移行を開始しました。使用していたサーバー統合のタイミングに合わせて、2012年の5月からわずか2カ月で移行を完了しました。

Benefits

既存の資産を有効活用し、管理の必要性を意識させない安定性を確保

今回のバージョンアップについて、非常にスムーズに移行できたと、中林氏は語ります。「IBM WebSphere Application Server上で稼働しているアプリケーションの開発者からも、V8.0にバージョンアップしたことでプログラム修正が発生したといったことは聞いていません。移行後も以前と変わらず安定しているので、管理上でも非常に助かっています」。

FXにおいては、トランザクションが集中した場合の処理速度や、またレスポンスの速さも、このシステムにおいて軽視できない要素の1つだと、中林氏は言います。「毎月第一金曜日のアメリカの雇用統計発表直後は為替相場が大きく動くことが多く、特にアクセスが集中します。急なピークでも余裕を持って応えられることも大切です。レスポンスのよさは、取引ツールの使い勝手のよさにもつながります」。

今回移行した『選べる外貨』のWebブラウザ版ツールでは、PC、携帯電話、スマートフォンと、さまざまなデバイスからアクセス可能なサービスを1つのシステムで提供することで、管理・運用しやすいシステムとなっています。またV8.0への移行と合わせ、それまで使用してきたIBM BladeCenterを置き換えて、13台から4台に集約しました。以前のバージョンと比較して、V8.0はさらにパフォーマンスが向上しているため、置き換えたハードウェアとの相乗効果でパフォーマンスが約3倍向上しており、1台あたり1000アカウント以上の同時利用にも余裕をもって応えられます。「V7.0から実装されたランタイム・プロビジョニングによって、かなりパフォーマンスが上がっています。そのため、より少ない台数のサーバーでの運用が可能となりました。システムとしての性能を上げながらランニングコストの削減が実現できているのもメリットです」(阿部氏)

 

将来の展望

他のサービスやアプリケーションもV8.0へ順次移行し、仮想化も視野に

まずは『選べる外貨』のサービスからV8.0へのバージョンアップを行ったFXプライムですが、今後、他のサービスやツールの提供についても、順次、V8.0へ置き換えていく計画です。「V8.0へのバージョンアップとともに、物理サーバーの統合を進めています。サーバー統合と合わせて、稼働させているアプリケーション単位で2カ月おきにV8.0へのバージョンアップを行い、半年程度ですべて置き換える計画で、順次進めているところです」(阿部氏)。また今後検討している新たな金融商品やサービスも、すべてIBM WebSphere Application Serverで提供していきたいと考えています。将来的にはサーバーの仮想化、分散オブジェクト・キャッシュ技術なども取り入れ、さらに高速処理が可能なシステムの構築を目指しています。

また、お客様向けアプリケーションについても、ユーザーの声をもとに改善を進めています。FXプライム 情報システム部 システム開発課の中嶋絢子氏は、「アプリ提供のプラットフォームであるApp StoreやGoogle Playは、ユーザーがアプリに対する評価を書き込めるので、そこで上がっている要望や評価の声を吸収し、さらに使いやすいアプリケーションへとブラッシュアップしていきます」と語ります。

ユーザーが利用しやすいサービスの提供を目指すFXプライムを、IBM WebSphere Application ServerをはじめIBMのソリューションがこれからも支えていきます。

 

お客様情報

2003年の設立以来、FX事業を中心に個人・法人投資家へ金融資産運用のためのサービスを提供しています。

 

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ソフトウェア

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  • IBM Cloud